「版画教室の気分」 みつき

2月2日

●版画教室の気分

 今日から、味噌作り第1弾が始まりました。
 味噌メンバーのみんなとは朝食が別席で、わたしの両隣にいつも居るはずの、ももかちゃんと、よしみちゃんは居なかったけれど、両隣には、まりのちゃんとなつみちゃんが居てくれて、少し人数が少ない朝食でも、ほっとしてうれしくなりました。
 わたしも、味噌メンバーのみんなと同じ気持ちで、糀をあたたかく迎えたいなあと思います。

 午前中、あんなちゃんたちと一緒に、桃の木の看板作りをしました。作る看板の数は全部でおよそ200枚ほど! 彫刻刀を使って、看板に桃の品種名を彫っていくのですが、枚数が枚数なので、「看板1枚につき3分くらいのペースで進めよう」とあんなちゃんが伝えてくれました。
 わたしが彫刻刀を使うのは、小学6年生以来のことで、とてもどきどきしました。看板になる土台の板は、お正月にたくさん頂いた、かまぼこの板です。この手の上に乗るサイズの板に書かれた『清水白桃』や『加納岩白桃』の字をなぞって彫るのだと思うと、「ひえ~」と呻きたくなるような、恐ろしい感じがしてしまいました。

 隣や正面に座っている、ななほちゃんやほしちゃんは、黙々と彫り進めていて、「出来た! 次の行きます!」と驚異のスピードで完成させていました。
 わたしは、彫るのに力を入れすぎて、腕が重くなってくるのと、集中のあまり息を止めてしまって、時折深呼吸をしないといけないのとで、「ふうーっ」と言いながら、かれこれ1枚に10分くらいかかってしまっていました。
 そこで、「これはどう? 『なつごころ』があるよ!」とななほちゃんが教えてくれて、ななほちゃんのやさしい助けがとてもありがたかったです。やっぱりひらがなは彫りやすくて、すいすい出来ると楽しいなあと思えました。
 でも、最後には少しは上達してきたようで、板の木がやわらかく感じられたり、彫る腕の力のいれ具合や、彫刻刀の向きのコツがつかめてきました。『なつごころ』でなくても、『清水白桃』や『おかやま夢白桃』になっても、楽しいなあと思えていて、夢中になって彫ることができました。
 この時間で、大体1人あたり15~20枚くらい完成させることができました。思っていたよりもたくさん進められたし、わたしも版画教室に仮入部させてもらったみたいで、服に付いた木くずも、なんだかうれしいものでした。

●割れたお皿

 夜の洗いの時間、拭きをしているときに、小皿を落として割ってしまいました。
 割ってしまったときに、ものすごくショックで、残念な気持ちでいっぱいになりました。お母さんのところに伺ったのですが、そのことを話したときに、「どういうふうに、なんで割れたと思う?」と尋ねられて、はっとしました。
 割れたことに対して、そして割ってしまった自分に対してぐるぐる考えていたけれど、その反省は、ずれていたと思いました。
 お母さんは、割ってしまったこと、わたしの失敗を責めるという気持ちは全くなくて、次また割ってしまうことがないように、どう動くべきだったか、一緒に振り返ってくださったことが本当にありがたかったです。
 まだ洗い当番で不慣れなことが多くて、せかせか焦る気持ちで動いていたなあと気がつくことができました。ちゃんと落ち着いて、自分にもお皿にも、やさしく向かいたいです。