【2月号②】「二十歳の抱負と責任を感じて ―― なのはなの子として迎えた人生の節目 ――」なつみ

 
 今年、私はさくらちゃんと一緒に成人式を迎えました。

 当日は、とても温かい一日で、振袖を着ていても過ごしやすい気候が有難かったです。

 朝早くからあゆちゃんやまえちゃんがお化粧からヘアメイクまで綺麗にしてくださって、綺麗な襟足や上品なメイクに、緊張した気持ちも少し静まっていきました。

 ただ静かに、私はこれから成人式を迎えて、前日の夜、お父さんに教えて貰った、大人として空気を作る人になっていくのだと、その気持ちを固めていきました。

 お化粧、ヘアメイクを終え、衣裳部屋に上がると、すでに村上さん、河上さんに着つけて頂いたさくらちゃんの振袖姿が目に入って、ピンク色を主に、松の模様等が入った振袖がとっても良く似合っていてきました。頭には二つのお団子に桜の花飾り。まるでひな祭りのお雛様の様で、本当にかわいかったです。

 私も、響尾さんから頂いた、鶴の描かれた赤い振袖を着つけて頂きました。帯紐や帯で締められるたびに、背筋がグッと伸びて、姿勢から気持ちも整っていくように思えて、やはりみんなの代表として、成人式に出るのは緊張しましたが、ギュっとした帯に締められていると、気持ちと合っているように感じました。
  
    
 今年も朝早くから村上さんが着付けに来てくださり、安心して振袖を着て出席することが出来ました。本当にありがとうございました。

■大人を演じる

 振袖姿をお披露目しに、みんなの集まっているリビングに入ると、「わぁ」と言うみんなの笑顔が目に入りました。

 そのまま振袖を着てみての感想と、成人の抱負を述べました。

 成人の抱負は、大人としての責任を果たすこと。

 良い空気を作る一人、いい流れを作る一人として、自分の状態、気持ちを横に置いて、大人を演じることです。

 責任は、大人になったから突然生まれるものではなくて、五歳には五歳の、十五歳なら十五歳の責任があるとお父さんは話してくれます。

 私は二十歳の責任を果たしながら、なのはなのお父さんお母さん、お姉さんたちの姿を見て、まっすぐな自分を作っていきたいです。

 私は、なのはなに来なければ振袖を着ることは勿論、成人式に出ることさえなかったです。自分でもおめでたい気持ちになんて絶対にならなかっただろうし、身体ばかりが大人になり、こころは大人になれないことに恐怖や不安を感じていたと思います。

■みんなの代表として

 今、なのはなにいて、喜んで成人式に向えるかというと、正直、不安があります。未熟で子供なこころがあります。

 けれど、なのはなで大人になっていくことには希望を感じます。

 今すぐ大人になることはできないけれど、自分が理想とする大人の姿を、お父さんお母さん、家族が見せてくれるので心配はないです。後は、私が真っ直ぐ、その姿をなぞっていくだけなのだと思います。

 迷いのない気持ちで、式に向かわせてもらえて、ありがたかったです。
  
  
 お父さんお母さんの車に乗って、成人式の会場となる勝央文化ホールに向かうと、すでに、かにちゃんと、えみちゃんと、りなちゃんがビデオやカメラを持って待っていてくれて、それだけでとても安心した気持ちになりました。

 周りの人はどうであっても、私の隣にはさくらちゃんがいて、背中には六十人の心強い仲間がいるんだと思うと、全然心細くなくて、しっかりした気持ちでみんなの代表として式に向かうことが出来ました。
  

  
■みんなに囲まれて
  
  
 式を終えて、古吉野に帰ってからは、みんなが体育館を飾って作ってくれた「なのはな写真館」での写真撮影でした。

 体育館のドアのすぐ入り口には、紅白のお花紙で飾られたゲートがあり、その向こうには、白と桃色のハニカムボールや和柄の折り紙やお花紙で作られた飾りが、体育館を上品に飾っていて、いつの間に、とびっくり、嬉しい気持ちになりました。

 少ない準備期間の中で、みんながこんなにもたくさんの飾りを作って、私たちの為に飾ってくれたのだと思うと、こんな私でも、ただ本当におめでたい気持ちや嬉しい気持ちを向けてくれる仲間の存在が尊いものだと思いました。とても嬉しかったです。

 私はまず、あゆちゃんチームのみんなに写真を撮っていただきました。

 最初は緊張でガチガチでしたが、あゆちゃんやみんなが、「もうちょっと笑って」「首をこっちに傾けて」「りゅうさんに向かって笑顔で」と、私が右往左往する前に、いつも声を掛けてくれて、少し笑っただけで「かわいい!」と言ってもらって、嬉しいけれど恥ずかしくて、そうやって楽しそうにライトを持っているみんなも、本当に可愛くて、素敵で、カメラを持つあゆちゃんをセンターに、あゆちゃんの方の後ろから二枚のレフ版を持つ四人と、あゆちゃんの両サイドに二人ずつ、ライトを持つみんなが、私を密度濃く、まあるく囲っている中にいさせてもらうと、幸せに浸っているような気分になり、この形に並んでいるみんなを、私が撮りたいと思いました。
  
  
 あゆちゃんが、写真撮影が終わった後の食事のコメントで、「写真から愛され感を感じる」と話されていて、実際、どんなに未熟でも、不出来なところを知っていても、こうやって笑顔で楽しそうに嬉しそうにお祝いしてくれて、目が合うとニコッと笑ってくれる、みんなの存在が自分にはもったいないくらいで、大切な仲間だと思いました。

 午後からは、お父さんが写真を撮ってくださいました。

 三つのブースの中で、お父さんとかにちゃんのブースでは、「ストロボ」という照明器具が設置されています。
  
  
 お父さんが私に、身体の向きや顔の向き、目線などを伝えながら、ストロボの位置や光量を変えていて、こんなに道具を使いこなす、お父さんやかにちゃんが、すごいなぁと思います。

 私は、お父さんに撮っていただくのは緊張して、お父さんも撮った写真を見て、「緊張している感じが良いね」とユーモア混じりに言ってくださって、それもそれで、その時の自分の気持ちがそのまま表れた、その時の気持ちを思い出せる良い一枚になったと思います。
  
  
 それと、お父さんのお母さん(水戸のおばあちゃん)が、お父さんの産着で作られた吊るし雛を使っての撮影では、ほしちゃんが虫取り網の棒に、吊るし雛の頂点の輪っかを通して、本当に吊るされている状態を作ってくれました。きっと棒の先端で重さのあるものを持っているのは大変だったと思うのですが、その時のほしちゃんの笑顔を、私は写真を見るたびに思い出して、幸せな気持ちになるのだろうと思います。

 そのあとは、まえちゃんチームのみんなに撮っていただいて、写真には写らないけれど、陰で支えてくれるみんなの存在が見える写真がいっぱい撮れました。
  
  
 座って撮るときは、袖を綺麗にシンメトリーに広げてくれるみんながいて、立っての全身写真でも、袖が綺麗に開いて見えるように、実は私の後ろにさやねちゃんが隠れて、袖を持ってくれていたり、風に振袖がなびいている写真では、私の目線の斜め四十五度の所に、大きな扇風機と小さな扇風機を私に向けてくれるよしえちゃんたちがいます。

 写真には写らないけれど、この写真を見たときに、私はその時のみんなの気持ちを胸いっぱいに感じるだろうと思います。宝物になる写真をたくさん撮っていただきました。

 まえちゃんが、「見て、この写真!!」と言って、写真を見せてくださったのですが、その写真に写る自分が、本当に嬉しそうで、幸せそうで、私も、こうやって人を笑顔にできる人になりたいと思いました。
  
  
 その後も、あゆみちゃんとたけちゃん、たいちゃん、あゆちゃん、りゅうさんと写真を撮ったり、さくらちゃんと二人で撮ったり、みんなとアットホームな大家族写真を撮って撮って、本当に幸せな時間でした。

 私は写真というものが、なのはなに来るまで好きではなかったのですが、なのはな写真館は、撮る人も、撮ってもらう人も、心が嬉しい気持ちでいっぱいになる、利他心の写真館だと思いました。

 こうやって、人生の節目を、みんなの優しい気持ちの中で盛大にお祝いしていただいて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

■人の為に喜んで動く
  
  
 一月四日から、撮影班が始動しました。かにちゃん、ひろこちゃん、つきちゃん、まりのちゃん、りなちゃんが四日間、午前午後と一日かけて、何百枚もの写真を撮ってくれました。

 さくらちゃんは、須原さんやるりこちゃんと建築した場所をツアーするビデオを撮ったり、私は、みんなと机の上にドーナツ状に本を積んで、穴から顔を覗かせる写真を撮ったり、使うものや移動が多いこともあったけれど、いつもみんなが、快く動いていて、その姿がかっこよかったし、私も人の為に喜んで動くことが出来る人になりたいと思いました。

 撮影の時は、リラックスして笑顔で写真が撮れるようにみんながいつも「可愛い」「綺麗」と言ってくれて、恥ずかしいような気もしたのですが、私の良いところが見える写真が撮れるように、みんなが気持ちを使ってくれていることがとても有難かったです。

■希望のある大人に

 フォトムービーやアルバムが、将来「ママが二十歳の時はね」と言って、子どもに話せる、そんなものを作ろうとみんなが話してくれました。

 撮影班のみんなと過ごした時間は、私の中で温かな思い出ファイルの一つとしてしっかり記憶されて、きっともし私に子供ができて、みんなからのフォトムービーやアルバムを見るときは、話が止まらないくらい、話したいことがたくさん出てくると思い、それがとても幸せなことだなと思いました。
  
  
 家族の一人として、二十歳の節目をみんなにお祝いしてもらって、そして、さくらちゃんと私だけではなくて、みんなの節目として、大事な一日を過ごさせてもらいました。

 これから大人の仲間入りをする中で、謙虚な気持ちと、私より小さな兄弟が、私がなのはなのお父さんお母さん、お姉さんたちを見て、希望を感じたように、大人になることに心配のない、希望のある大人を演じていきたいです。
  
  
 そして、今年だけでなく、いつだってまだ見ぬ誰かの希望となる一人の人間でありたいと思います。

 なのはなで成人式を迎えさせてもらえて、とても幸せでした。ありがとうございました。

 

*なのはな写真館 20歳のなつみちゃん