2月2日(木)「おはよう、糀 ―― ミルキークイーン糀の順調な初日」

2月2日のなのはな

 味噌づくりが始まりました。糀の住む家のセットは万端、糀菌も重さを量って準備が出来ていました。今朝は起きてすぐ、味噌づくり第1弾のメンバーで家庭科室に集まり、昨日研いだお米を水切りする作業から始まりました。

 

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 このメンバーで、これから運命共同体になって糀を育てていくのか、そう思うと、とてもワクワクした気持ちになったし、糀の名前や、チーム名はどうしようか、想像するだけでも心が躍りました。
 今年の味噌づくりは第2弾まであり、第1弾では、白大豆味噌2樽分の糀を作ります。去年よりも、1樽に入れる糀の量を多くしたことを、ゆりかちゃんが話してくれました。

 また、お米はミルキークイーンのみを使うことになりました。ミルキークイーンは、お米自体がモチモチしているので、蒸米の蒸し加減がとても難しいようです。糀にとって一番育ちやすいのは、『ひねりもち』といって芯が無くなって、耳たぶぐらいの柔らかさに蒸されたお米です。その状態は、ほんの少しのタイミングなので、一番ベストな瞬間を逃さないようにしたいなと思いました。お米の蒸し加減で、糀の美味しさが変わります。今日の午前中に行う蒸米の作業は、良い糀を作るためにとても重要な作業なんだなあと思って、少し緊張しました。

 

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 家庭科室のコンロ2つに、蒸籠をセットして、お湯が沸いたところで蒸籠にお米をセットしました。セットした時間を、記入します。これまでの味噌づくりの積み重ねで、どのぐらいの時間でひねりもちになるか、はっきりとした記録がありました。その記録を頼りに、みんなで蒸籠を囲んで、ドキドキした気持ちで待ちました。

 およそ目安の時間が経って、ちさとちゃん、ちさちゃん、さくらちゃんと一緒に、蒸されたお米の硬さを確認しました。蒸されたお米は、ぷつぷつした感触で、とてもつやつやしていました。芯が残っているか、耳たぶぐらいの硬さになっているか、手の触った感覚だけで見極めることが、とても難しいなあと思いました。でも、回数を重ねて、何度も何度も確認していると、ほんの少しのお米の硬さの違いが少しわかるようになってきて、これがひねりもちかな、と思えるようになっていきました。

 

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 湯気がもくもく立って、熱々ほかほかの蒸米は、種付け台に広げられ、みんなで冷まします。うちわやしゃもじを使って、ほぐして中のほうまで温度を下げます。ここからはスピード勝負です。さくらちゃんが、しゃもじを使って、種付け台いっぱい使ってお米をほぐして広げてくれます。それを、私はちさちゃんと一緒に、渾身の力でうちわで扇ぎました。

 

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 手早く冷まして、40度ぐらいの温かさになると、いよいよ糀菌を蒸し米に振りかけます。糀の誕生です!

 糀菌は深緑色をしていて、1粒1粒が見えないほどに細かくて、高いところで振りかけてしまうと空気中に散って、いなくなってしまうほどです。優しく優しく、さくらちゃんと一緒にお米に振りかけました。白いお米に深緑色の糀菌を振りかけていると、魔法をかけているような気持ちになりました。

 

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 25度以下になると、糀の成長が停滞してしまうようで、お米がまだ温かいうちに、種付け、引き込みの作業を行いました。「糀菌は歩かない」ことを念頭に、みんなで、1粒、1粒のお米に糀菌がつくように、手でよく揉んで撹拌しました。ギュッギュッと手に力を入れてお米同士をこすり、傷を付けました。そうすることで、糀が定着しやすくなります。
 手は力強く、でも気持ちは優しく、糀がすくすく育ちますようにと願いながら作業している時間が、とても満たされた気持ちになりました。

 

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 同じ台で作業していたさくらちゃん、ちさちゃんが、糀に向かって「おはよう!」と言っていました。今日が、糀のお誕生日です。初めて、この世界におりて、目覚めてくれました。その場に居られて、糀のことがとても愛おしく感じたし、味噌づくりメンバーのみんなと一緒に、糀を守っていきたいなと思いました。

 今日は2月2日、ニコニコの日です。第1弾・味噌づくりメンバーのみんなも、笑顔が絶えなくて、味噌の手入れをしている時間が、とても楽しいです。きっと、私達の楽しい気持ち、嬉しい気持ちを糀も受け取ってくれているだろうなと思います。そして、ゆりかちゃんが、BGMでウィンターコンサートの曲をかけてくれて、糀達もきっと聞いているだろうなと思います。3年後、まだ見ぬ仲間をニコニコにさせる味噌を作れるように、これからの手入れも頑張りたいです!

 

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 今は、1時間ごとに当番で見回りをしています。糀の育つ育苗機は、今は毛布がかけられて、目にもとてもぬくぬくしています。順調に温度が上がってきて、夜の切り返しの作業に、目標だった35度に到達しました。夜の切り返しでは、引き込みの時にまだ見えていた深緑色の糀菌が、見えなくなっていて、代わりに攪拌すると、米粒一つひとつが、ひとりでにぴくぴく動くようになっていました。見えないけれど、糀が生きているんだなあと実感して、とても嬉しくなりました。

 

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 お米は潤みが出てきて綺麗になっていたし、栗のような、甘い良い香りがしました。糀の成長が感じられて、メンバーのみんなと顔を合わせて喜び合いました。
 明日の朝に行う盛り込みの手入れまでに、糀の温度を36~37度に持っていきます。夜の見回りも、糀のことを思うと起きられそうです。これからの糀の成長がとても楽しみです。

(りな)

 

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〈吉畑手前ハウスの修繕作業は、歪んでしまったパイプを解体し、運動場へ運ぶまでを終えることができました〉

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〈次回からは、曲がったアーチパイプの修正をしていきます!〉