「マイペースとユアペース」 ななほ

1月29日

 今、『ソフィーの世界』という本を読んでいるのですが、主人公ソフィーと一緒に、本を開く度に、哲学について考えたり、ある人からの手紙を待ち遠しく思えるのがとても嬉しいです。

「あらゆるものを作っているおおもとの素材はあるのか?」
「どうすれば、土と水は生きた蛙になれるのか?」
「どんな流れが歴史の流れをコントロールしている?」
「自然な羞恥心はあるか?」

 1章ずつ、ある課題が出されて、それをソフィーと共にしばらくの間、私も考えて、本の中の世界でいう夕方に、ある人からその答えの書かれた手紙が届きます。

 まだ、読み始めたばかりなのですが、700ページ近くある長編なので、楽しみながら私も本と共に、色々な世界を知っていきたいです。

・マイペースとユアペース

 夜の集合で、マイペースとユアペースについての質問に答えてくださって嬉しかったです。
「将来的に、自分のパートナーや友人、子供ができたとき、自分が相手に気持ちを沿わせて相手に合わせる部分と、ここは譲らないという所の境目の判断が難しい」
 と言う質問に対して、お父さんがまず、
「それに答えはありません。どちらでも正解です」
 と言いました。

 それを聞いたとき、私もまず、
「あぁ、そうなのか! どちらかに当てはめたり、縛られる必要はないんだな」
 と改めて感じました。

 そのあとにお父さんが、「お母さんから見て、お父さんはどの程度、相手に譲っているようにみえますか?」と質問したら、お母さんが、「98パーセント、譲っています」と答えました。

 すると、あゆちゃんが、「何だかお父さん、予想と違ったって言う顔をしてる」と言って、一気にリビング中に笑いが起きたのですが、お父さんが、「こういうことですね」と言った時、すごく納得した自分がいました。

「お父さんはやりたいことはやるし、言いたいことは言うけれど、お母さんから見たら98パーセント譲っているように見える。でも、実際には譲っているようで譲っていないし、やりたくないことはやっていなかったりする。それが、答えです」
 とお父さんが話してくれたとき、すごく嬉しかったです。

 そして私はまだ、子供だなとも思いました。
 私は常に、相手に合わせるか、自分の意志を通すかの選択肢が2つしかないから、時にユアペースになりすぎて流されたり、マイペースになりすぎて角が立ったり、出過ぎた自分に後悔するのだと思いました。

 でも、お父さんの話を聞いていて、本当に今の私にやってくる課題も人間関係もちょうどよくできているんだなとも思ったし、ちゃんと意志を持ちつつ、相手に気持ちを沿わせられるようになりたいと思いました。

 今度、お母さんが、「お父さんから見て、お母さんはどのくらい譲っているように見えるの?」と聞いた時、お父さんが、「う~ん、90パーセントは譲っていると思うね」と言い、お母さんに、「え~。あとの8パーセントは!」と言われていました。

 するとすぐに、お父さんが、「おっと、8パーセントを落としていた」と言って、椅子の下からお父さんの目にしか見えない8パーセントを拾い上げていて、また、リビングに笑いの渦が起きます。

 何気ない夜の集合でのエピソードだけれど、そのお父さんとお母さんのユーモアとか、時にみんなを笑わせるために羽目を外せたり、でもいつも一生懸命に私たちに向かってくださったり、そんなお父さんとお母さんが素敵だなと思うし、私もそんな大人になりたいと思いました。

 お父さんが、
「真面目に一生懸命に生きていたら、どんなことも上手くいく。自惚れたり、楽をしたりしなければ、成功する」
 と言ってくださった言葉も、力強くて嬉しかったです。

・焼き芋大臣

 日曜日はりゅうさんがいてくださることもあり、昼食にジャガイモがたくさん入った最高に美味しい酢豚をいただいたり、夕食でも熱々のセロリとピーナッツの炒め物をいただいたりとか、寒い季節にぴったりの、シチューも嬉しかったです。

 りゅうさんの料理はどれも美味しくて、みんなのためという思いがこもっていて、酢豚も1つひとつの具材を一度、片栗粉をまぶしてあげてから、調味料と一緒に炒めたことを教えてくれたり、夕方、台所で作業をしていても、りゅうさんが夕食の7分前まで調理をして、できたてのものを届けてくださっていたり、そんなりゅうさんがすごく優しくて、かっこいいなと思いました。
 
 また、話は変わるのですが、今日もおやつに焼き芋と甘酒をいただきました。どうやら、まっちゃんがなのはな焼き芋大臣に任命されたようで、毎日のように、おやつに焼き芋をいただけて、そんな大臣もいいなと思いました。

 今日はここ数日にしては暖かいほうだったのですが、朝にハウスを開けに外へ出ると、地面がスケートリンクみたいになっていたり、雪が溶けるのはいいけれど、屋根のつららは伸びています。

 でも、みんながぎゅうぎゅうになってリビングで選別をしていて、そのそばでのんちゃんと、山小屋便りの編集ができたりとか、夕方の当番も野菜きりと台所の片付けで協力して、時間内に大量の洗い物と掃除を終わらせられたりとか、ひろこちゃんに洗濯ホースの取り外し方を教わったりもしました。

 よくお父さんが、
「知っているものは好きになりやすい。知れば知るほど、好きになる」
 と話してくれるけれど、当番も、システムが確立されて自分の役割や動きが明確に分かると、すごく動きやすく、効率を求める意欲も湧いてくるし、新しいことを知るというのもワクワクするんだなと感じます。

 山小屋便りも明日には完成させてお父さんに見ていただきたいなと思うし、りなちゃんと、とある企画も考えていて、それを思うだけでも楽しみです。