「スポーツ!雪かき」 りな

1月27日

 

 朝起きた時は、少し雪が降っていて、今日も雪なのかな、と思っていたけれど、朝食の時にはすっかり雪が止んで太陽が出てきていて、気持ちも明るくなりました。心配だった水道からも水が出ていて、ほっと安心しました。

 午前は、あゆちゃん達と一緒に、ハウスの側面の雪かきをしました。ハウス修繕がしやすいように、巻き上げのパイプが見えるぐらいまで、雪をかき出しました。

 ハウスの周りはまだあまり踏み入れていなくて、雪がふかふか積もっていました。せいこちゃんが、「大きなイチゴを乗っけたらショートケーキになるね」と言っていて、その例えがぴったりだと思いました。畑の上に積もっているまっさらな雪は触らなくてもとてもふわふわもこもこして柔らかそうで、生クリームみたいだなと思いました。

 ハウス周りも、歩くには、ふかふかの雪を切り拓かないといけませんでした。数歩歩いたら長靴の中に雪がいっぱい入ってきました。テミを持って、前の人と三メートル間隔を開けて雪かきを始めました。テミを雪に突き刺して、まず最初は足場を作るために、一か所を四角く掘り進めていたのですが、なかなかテミが地面に到達しません。硬いところに当たったな、と思って雪を除いても、その穴から見えるのは、透明っぽくなった氷の地表で、まだまだ奥深く積もっているのか、ととても驚きました。

 やっと、テミが地面にたどり着いた!四角く掘ってその中に入ると、肩の高さぐらいまで雪が積もっていました。ハウスの屋根に積もった雪が全部落ちたからか、側面の雪だけ、1メートル以上にも深く積もっていて、こんなにも雪に囲まれて、雪に埋もれたのは初めてだと思いました。

 ハウスのビニールに穴を開けないように気を付けながら、テミでひたすら掘っていきました。テミを雪に刺して、思いっきり力を入れて持ち上げると、ズボッと雪の大きな塊を取ることが出来て、とても気持ちが良かったです。あゆちゃんが、溝切りのように、テミで雪を四角く削るようにして取るといいよ、と教えてくれて、テミを垂直に入れると、四角い塊が綺麗にとることが出来ました。

 ハウスの側面に積もった雪は、手で押してガチガチ固めて、それから剥がすと、綺麗に剥ぎ取ることが出来て、とても気持ちがよかったです。

 新ハウス、二重ハウス、吉畑手前ハウスと進んで、最後にみんなでがけ崩れハウスの二棟に向かいました。

 これまで、雪かきした雪を外に放り投げることが出来たけれど、道路側と真ん中ハウスの間の側面は、放り投げる場所がなくて難所でした。取った雪を、バケツリレーをするか、手前に放り投げて、山になった雪をもう一段階踏んで外に投げるかしか方法がありませんでした。

 向かいから、あゆちゃんや、何人かのみんなの姿が見えました。私は、ももかちゃんと一緒に、手前側から雪かきを始めました。でも、あゆちゃんとの間は、すごく深くて厚い雪の壁で隔たれていて、あゆちゃんの姿も見えづらくて、果たして行き合うのだろうか、先が見えませんでした。

 地道に地道に、雪をかき出しました。時間も忘れて夢中になってしていると、足が濡れていることも、寒いことも忘れて、反対に手が温かくなって汗をかきました。何かに夢中になったり、必死になって作業していると、とても強くなれました。だんだん、どのぐらい力を入れたらいいのか、どこにテミを刺したらいいのか分かってきて、もっと楽しくなっていきました。

 あゆちゃんの姿が見えてきて、着実に、雪の壁は狭まっていました。でも、後ろを見ると、前の雪の壁よりも進んだ量が少なくて、少し気持ちが折れそうになりました。そんな時に、ももかちゃんが「短くなった前だけ見よう!」と言ってくれて、はっとしました。後ろを振り返ってもしょうがなくて、本当に前の雪の壁は少なくなっているのだから、それだけを見たらいいんだなと、ももかちゃんに引っ張ってもらいました。

 最後は、あゆちゃん先頭で、みんなで入り口までバケツリレーを繋いで、昼食時間ぴったりに、ハウスの雪かきを終わらせることが出来て、とても達成感がありました。空は良く晴れて、お天道様が味方して、今日雪かきしたところが溶けたらいいなあと思いました。

 午後は、ななほちゃんに誘ってもらって、晩白柚の収穫をしました。吉畑手前ハウスの晩白柚の小さな木に、一つ2キロほどもある大きな大きな実が、たくさん生っていました。どの実も優しい黄色に色づいていて、とても可愛いなあと思いました。ななほちゃんに誘ってもらって、一緒に収穫の場に居させてもらえてとても嬉しかったです。

 こんなに重たくて大きな実だけれど、剪定ばさみを使うと、とても簡単にへたが切れて、驚きました。切ったら手の平にずっしりと重みが掛かってきました。ななほちゃんが、4年ほど前に、盛男おじいちゃんが植えてくれたことを話してくれました。それから、ななほちゃん達が世話をして、こんなにもたくさん実を生らせるようになったんだなあと思って、凄いなあと思いました。そして、こんなにも冬は寒くなる古吉野だけれど、枯れずに健気に育ってくれて、実が収穫できるほどになって、晩白柚の収穫のニュースが寒さも吹き飛ばして明るくしてくれました。

 爽やかなとても良い香りがしていて、なのはな産の晩白柚をみんなで頂ける日もとても楽しみだなあと思います。

 あゆちゃんも写真を撮りに来てくれました。その時に、あゆちゃんが、「作物が元気に育っているハウスは雪で崩れていない」と話してくれました。

考えてみると、本当にそうだなあと思って、何か熱を発しているわけでもないのに、ハウスが頑丈になるのは不思議だなあと思いました。本当に、元気に育つ植物は、何かのパワーやエネルギーを発しているのかなあと思いました。

 明日はお仕事組さんも居て下さる土曜日で、心強くてとても嬉しいなあと思います。雪の中でも、今の状況をみんなで楽しんで、乗り越えていきたいなあと思います。

 読んでくださりありがとうございました。おやすみなさい。