1月26日
今日は、ものすごく濃い1日でした。今日は、昨日よりも雪がふぶいていなくて、晴れていたことは良かったのですが、寒さのあまり、水道の蛇口をひねっても水が出ない、トイレの水が流れないという緊急事態が起こりました。日常ではありえない、少し非日常なサバイバルな1日が始まりました。
朝食後、あゆちゃんや何人かのみんなと一緒に、雪解け水を作りました。あゆちゃんが先頭に立ってくれて、大きなボールで、まだ誰も足で踏みつけていないまっさらな雪をすくって、渡してくれました。みんなで台所までバケツリレーをして、台所の中の大鍋まで繋ぎました。
今日は雪は降っていないとはいえ、外も、校舎の中も、歩けばカチンと凍ってしまう冷凍庫のように寒かったです。手も、素手でほんの少し雪を触っただけでも、痛いほど冷たくなって動かなくなりました。軍手やビニール手袋のありがたさをとても感じました。
でも、足元に気を付けながら、みんなでバケツリレーをしていると、自然と寒さも忘れることが出来ました。この雪で、貴重な水を作ることが出来る、と思うと、少し使命感が湧いて、寒さもへっちゃらでした。ボールにすくわれた雪は、とても軽くてふわふわしていて、とても綺麗でした。台所さんがどんどん大鍋に入れてくれて、大鍋一杯にたまった水を想像しながら、ひたすら雪を運びました。
グラウンド一面、真っ白で純潔な雪があって、外にはたくさんの資源がありました。けれど、そんなたくさんの雪から出来る水はほんの少しで、水は本当に貴重なものなんだなあと思いました。水が止まって初めて、私達は普段からこんなにたくさんの水を使っていたんだと気が付きました。生きていくために水がとても大切で、不自由なく使えることが本当はとても恵まれていて幸せなことだったんだと気が付きました。もし、また水が使えるようになったとしても、無限にあるなどとは考えずに、限りある自然の中から使わせてもらっている気持ちで、大切に使いたいと思いました。
30分ぐらい集めて出来た水は、大鍋一杯分でした。けれど、それでもかなりの量を集めることが出来て、とても達成感がありました。台所で雪を溶かしている光景を見ると、大鍋の丸いドームの中に、水が入って、まだ溶けきれていない白い雪が浮いていると、まるで南極のミニチュアを見ているような、不思議な気持ちになりました。少しかき氷のようでもありました。大鍋はとても強い火力があると思うけれど、雪を溶かすには思った以上に時間がかかりました。溶け出た水は、湯気の出る大鍋の中にあるから、少し温かいのかなと思ったら、氷水のように冷たくて、とても驚きました。
もし、雪の中で水が無いことに困ったら、周りの雪をかき集めて水を作ればいいんだなと知ることが出来ました。初めての体験で、驚きばかりだったけれど、あゆちゃんや、みんなが知恵を出してくれて、実践できることがとても嬉しいなと思いました。緊急事態の中でも、こうしてすぐに自分たちで対処することが出来たり、日常の1パターンだけではなくて、過ごしていくためにたくさんの選択肢を持っていることが本当に強みで凄いことだなと思いました。水が出なくて少し不安な気持ちもあったけれど、みんなの存在がとても心強くて、寂しくならなかったし、みんながいるから、緊急事態も楽しんで、立ち向かっていけるなと思いました。
大雪の中、どうしてもと、なのはなに足を運ばれたお客さんにアセスメント演奏をみてもらえたことがとても嬉しかったです。体育館で、衣装を着ての演奏は寒かったけれど、お客さんが来られると一気に寒さも忘れて、演奏に集中することが出来ました。なのはなの気持ちを伝えたい、なのはなに来てよかったと思えるような、喜んでもらえるような演奏がしたいなと思いました。アセスメントの最後に、「ありがとうございました。ファンになりました」と言ってくださったときは、とても嬉しかったです。また、なのはなの優しい輪が広がって、良かったなあと思いました。
土日の雪に向けて、ハウスの補強も進めました。須原さんや、修繕メンバー以外のみんなで、ハウスの中に補強として立てる竹を取りました。石の下畑の上の竹林で、門松の竹を取ったところでした。みんなが竹取をしてくれて、私は、枝打ちされた竹をハウスまで運ぶ役割をしました。
坂から見える景色がとても綺麗でした。石の下畑は、畝の輪郭がはっきりと表れて、真っ白な雪がポコポコと波打っているのが模様になっていました。そして、竹林に曲がらずに、ずっと池上畑の方に真っ直ぐ続く道は、まだ誰も足を踏み入れていなくて、道路は雪で一面覆われ、両側の木々の枝に雪が積もってアーチのようにキラキラ輝いていました。この景色がずっと続いたらいいのにと思うほど、綺麗で幻想的で、その場に立ち尽くしてしまいました。
竹を運んだ傍から、須原さんやメンバーのみんながハウスに竹を立ててくれました。新ハウスや崖ハウスは、もう今日の半日で竹が立ちました。長くて太い竹が、真ん中の一番高い天井に向かって真っすぐに伸び、ずらっと並んでいる光景が建造物のようで綺麗だったし、とても頑丈そうに見えました。中で植わるセロリや、冬野菜たちがこれで守られるなあと思いました。
作業終わりには、ももかちゃんやりんねちゃん、みつきちゃんと一緒にそりを持って遊びました。雪の上をそりで滑ったのは初めてでした。滑り台よりもスリリングで、スピードも速くて、何回も何回も、子供に返ったように滑りました。こんなにも、夢中になって雪を満喫して遊ぶことが出来て、それが楽しいと思えることも、ももかちゃんや、みんなが居てくれるからだなあと思って、ほっこりと心が温かくなりました。
午後から水が使えるようになりました。みんなで入る温かいお風呂が、こんなにも幸せだったんだなあと思いました。全員で雪かきをしたのが遠い昔のようだけれど、実際には昨日で、たった1日しか経っていないのに、1日だけで、たくさん体験して、日常のありがたさも、たくさん感じたなあと思いました。サバイバルな今日が、とても濃い1日でした。
読んでくださりありがとうございました。おやすみなさい。