【新春号⑧】[照明]「調光室から臨むコンサート」どれみ

  
 今回のコンサートに向かう過程で嬉しかったことのひとつに、部活動がありました。ダンス部、バンド・舞台美術部や、衣装部、広報部など、コンサートの各分野で、その部のメンバーが主となり準備を進めていきました。

 準備期間の前半は、金曜日と日曜日の夜の時間に各部で集まりました。私は照明部で、かにちゃん、ゆかこちゃん、まりのちゃん、りんねちゃんと、部活の時間に話せる時間が嬉しかったです。

 かにちゃんが、今回のコンサートでは、これまで以上に、演者や舞台背景を自在に明るく照らせるライトの配置を考えたいんだと部活のはじめに話してくれました。メンバー全員でパソコンの画面を見て、どこにどの灯体を配置するか考え、みんなで仕込み図を作れたことが嬉しかったです。

■照明班
  
 照明についての知識も共有し、今回は照明台本の土台となるものを、各担当の曲にわかれてつくっていきました。

 かにちゃんはこうやって台本をつくっていたんだということを共有させてもらい、つくれるところ(ライトを操作する人にダンスの動きを説明する欄の入力や、照明切り替えのタイミングはここがいいのではないかなど)をゆかこちゃんと話してつくっていく時間が楽しかったです。
  
  
 かにちゃんが、「ここは何色がいいな、こんな効果がここにはほしいね」と話してくれたときがありました。かにちゃんには、もうステージが見えてるんだなと感じました。なのはなのステージをこういう風に見せたいと思う気持ちや意志があることをかにちゃんから感じ、自分がこれからつくっていくべき姿をかにちゃんから感じさせてもらいました。

『吊り込み』
 ホール入りが迫った日、照明部の集まりで、仕込みの段取りを確認しました。仕込み図で、今回の照明で使う灯体の数、種類や向き、持ち物や担当を確認しました。仕込みがスムーズにうまく進むようにと、かにちゃんと照明班で話しました。

 ホール入り初日、舞台作りは、照明の吊り込みから始まります。吊り込みとは、サスペンションバトン(舞台上部にある、ライトを吊るすバトン)へ灯体をセットする作業です。

 ライトの吊り込みが終わってから舞台背景の布などの吊り込み、舞台のパイプ組みができるため、照明の吊り込みの時間をできるだけ早く終わらせられるようにしたい、それが照明班の課題でもあり使命だと感じます。吊り込みの前日と朝は毎回、緊張します。

 十二月十二日。勝央文化ホールに行くと、ホール館長の竹内さんと、この日、ホールの照明スタッフであった堀さんが、準備を進めてくださっていました。

 ホールに竹内さんがいてくださり、いつもなのはなのコンサートを応援してくださり、大きく支えていただけることがありがたいです。ホールにいると、いつも竹内さんの心遣いを感じます。調光室でもピンスポットのことなど困ったことがあるとすぐに対応してくださり、どうかなと気遣っていただきました。

 本番では、インカムを通して舞台袖の状況、照明の落とすタイミングなどを調光室の私たちにも教えてくださり、なのはなのステージがうまくいくようにと、私たちと同じ気持ちでステージをつくってくださっていることも感じ、竹内さんとも繋がれる時間が嬉しかったです。

■濃い一時間

 吊り込みの始まり。
 私たちがホールに着き、堀さんとの段取りの確認。堀さんは、かにちゃんの仕込み図の全体像を把握して下さっていて、いまホールにセットされている灯体と照らし合わせて、私たちに、どの灯体をいくつ出して、どこに持って行けばいいのかを的確にわかりやすく教えてくださいました。
  
  
 バトンに灯体を吊るときは、灯体をつけるときの向きによって落下防止のチェーンやケーブルの配線の仕方を教えていただきました。私たちが困っているとすぐに対応して解決してくださり、堀さんがいない片付けのときもスムーズに進むようにと考えてくださっていて、とても有り難かったです。

 吊り込みの時間は、自分も照明班のみんなと堀さんの流れに乗って動いていると動きやすく、楽しさを感じました。そして終わってみると、今回の吊り込みはとてもスムーズで、一時間ほどで終えることができました。照明班では、とても嬉しい吊り込みとなりました。

 どうして今回の吊り込みがスムーズで速かったのか記録として残しておきたいと、かにちゃんも意気込む吊り込みとなり、嬉しかったです。仕込み図を自分に入れて全体像を把握しておくこと、使う灯体の種類、ホールのどこに自分たちが使いたいものがあるか。状況によってバトンに吊り込みができないときもできることはあること。

 カラーフィルターや、舞台袖などに設置する灯体の準備。照明のことを深く理解し、的確ですばやい判断と決断をしてくださる堀さんと、作業をさせていただけたことがありがたく嬉しかったです。

『イルミネーション』
 今回の照明部には、もうひとつ大事な仕込みがありました。
 最後のシーンで、小腸さんがとうこに、「その剣を高く、かざしてごらんなさい」と言ったときに輝くイルミネーションでした。

 ホール入りが迫った照明部の集まりのときに、まえちゃんの舞台背景の縮尺図を見せてくれて、ホール入りしてからの仕込みのときにイルミネーションも一緒に吊り込みをしたいこと、そのときスムーズにいくように、その段取り準備を進めておきたいと、かにちゃんが話してくれました。

 縮尺図の舞台背景の吊り物の中心にある、海馬を模したオブジェ。その外周を囲み、そこから緩やかに弧を描いて広がるイルミネーション。

 「どうやったら付けられるかな」「電源はどうやってとろうか」その場で照明部のみんなと話していても緊張してきました。みんなで考え、意見を出し合って、ひとつずつ方針が決まっていくと、不安な気持ちより、できるかもしれないという希望がわいてきました。

 海馬の周りを回るイルミネーションは須原さんと舞台背景メンバーがとりつけてくれて、ホールに行ってからは、かにちゃんやまりのちゃんが舞台での設置を進めてくれていました。

 舞台袖まで大きくイルミネーションを広げるため、四メートルほどの竹を取りに行くことになると、ホール入りの朝食前にさくらちゃんたちが取りに行ってくれました。

 その空気は、自分はひとりではないと感じたし、みんなが自分の使命を持って、なのはなのコンサートをいいものにする気持ちを持っている、それがあるべき姿で、自分もそうありたいと感じました。

 本番の午前の時間、お父さんと、イルミネーションの電源を差してくれる須原さんと、とうこさんがタイミングを確認していました。

 「剣を高くかざしてごらんなさい」というセリフ後、とうこさんの動く呼吸に沿い“五”数えて点灯。なんども何度も、ここしかないという場所を求めてやってくれていました。

■必ず伝わる
  
 本番、私はフォローピンスポットライトのキューを出す役目を負い、調光室にいました。最後のシーン。小腸さんの言葉、とうこさんが剣をかざしたとき、私は願う気持ちでいました。

 一,二,三,四,五、その瞬間点灯したイルミネーションを見て涙がでました。どこまでも諦めないでいいものをつくりたい、伝えたい、その気持ちは必ず伝わると感じました。

「いよいよ、私たち、力を合わせて、愛の世界をつくっていく!」最後の台詞のあとの『リカバリー』。曲がはじまったときに、私がつけていたインカムに舞台袖のコーラスの声がきこえてきました。それはとても大きく力強く響いてきました。みんなの気持ちを感じました。みんなと繋がっているのを感じました。私はこの仲間たちといるんだと感じました。

 小腸さんの言葉、
「小腸が感じた、愛しい人と一緒に食べる美味しい食事、その幸福の信号は、小腸の神経細胞から視床下部、そして海馬へと送られ、その信号は、大脳辺縁系という小宇宙をぐるりと弓のようにとりまいている帯状回を回っていく。その様は、この宇宙の天体の動きと、何一つ、変わることがないのです」

 それが表現できるようなイルミネーションがつくれたらいいなと思い、照明メンバー、舞台背景メンバーと動き、自分もその中にいさせてもらいつくれたことが嬉しかったです。
  

超硬質の調光卓、ピンスポットメンバー

    
『ピンスポットと調光卓』
 今回のフォローピンスポットライトは、白井さんとあやかちゃんとさせてもらうことになり、ホール入り後、ピンスポ班の危機、三人が初めて揃う日がゲネプロになると、かにちゃんからの突然の報告に撃沈した日もあったけど、だからこそ話せる時間、揃う時間を大切にしたいと思いました。

 ピンスポ班の初日、水曜日は二人が実際に通し練習の流れを追いながらスポットを当ててくれて、木曜日はあやかちゃんと私でやり、金曜日は白井さんと私でやり、その日その日でお父さんに教えてもらったことや確認したいことを、夜の時間に通しのビデオを見て確認したり、次の日に調光室で確認してできたことが嬉しかったです。

 今回、調光卓には大竹さんとゆかこちゃんがいてくれて、二人が全体の照明とピンスポットで入るところ・切るところを揃えたいですね、と言ってくれて、一緒に考えてくれたことが嬉しかったです。二人が調光室にいてくれる空気が温かくて嬉しかったです。

 いつも、調光卓をしながらピンスポットのことも気遣って下さる大竹さんの言葉があって、通し練習のとき自分がいっぱいいっぱいになっていると、ゆかこちゃんが自然と後ろにいてくれて、スポットを切る前の台詞を教えてくれて、そのあとすぐにダンスの着替えに下に降りていて、その自然な心遣いとゆかこちゃんの空気に安心することができました。

 カットのタイミングや合図の出し方は何がわかりやすくて合いやすいかと悩んでいたとき、大竹さんと白井さんが話してくれていて、大竹さんが、白井さんは「スパン」という合図で切ったら必ずタイミング良く切ってくれると教えてくれました。

 大竹さんが、「やってみましょう」と言ってくれて私が、「まもなく~スパン」と、何回言ってもタミングよく切れ、今回の合図はこれでいきましょうと決まって嬉しかったです。

 本番、調光室には、お父さんの版画Tシャツを着た大竹さんがいてくださり、ダンスに出る曲が終わると、ゆかこちゃんも調光室に駆けつけてくれました。

 私はインカムでピンスポットの二人と確認している時間も嬉しかったし、お父さんがピンスポ班にくれる言葉も嬉しかったです。

 やっている中で、自分の意志の弱さ、決断力がなく、これがいいと決めてキュー出しできていなくて、二人が困るようなキュー出しになってしまいました。もっと優しいキュー出しをしたいと感じました。

 大竹さんやゆかこちゃんと、ライトの入りや切るタイミングを話している中で、調光卓の二人が何を見て照明の切り替えを考えているのかを教えてもらい、自分にも判断基準ができて、やりやすくなりました。自分のことだけで必死になっていたけれど、知っていくと楽しさを感じたし、もっといいものにできると思えて嬉しかったです。

 今回は、照明班として調光卓の大竹さんやゆかこちゃん、ピンスポットの白井さんとあやかちゃんとも、より繋がっていると感じながらできたことが嬉しかったです。

 私たちが繋がることで、なのはなの舞台にも繋がるのを感じ、繋がったと感じたときの喜びがありました。この一瞬一瞬を増やしていきたいと感じました。照明班で動けたことが有り難く、嬉しかったです。

 たくさんの方々に支えられ、照明班として動けたことがありがたかったです。
 たくさんの方々と繋がれたことが嬉しかったです。 
 私に照明部という心のふるさとが、ひとつ増えました。