
1月19日のなのはな
お母さんのお誕生日会まで、あと3日。まだまだ、たくさん練習時間がある! と思っていたのも束の間、当日が迫ってきました。お母さんに喜んでもらえるような、みんなに楽しんでもらえるような出し物ができるように、今日も準備を進めました。
私は、子供組チームで準備をしています。衣装も決まって、替え歌やダンス、寸劇も形になっています。けれど、合わせての練習や、衣装の制作が終わっていなくて、まだまだ詰められるところはたくさんあります。子供組チームのみんなと、役割分担して、欠けているところはみんなで補い合って、一つずつ完成させていく時間が、とても楽しいです。
今日は衣装の制作を主に進めました。一人ひとり、自分で着るものを手作りします。細かいパーツは山になるぐらいたくさん出来上がっていて、あとは編んだり、繋げたり、結んだりするだけです。夢中になって作っていると、時間も忘れてずっと作っていたくなるぐらい楽しいなあと思いました。
小さな髪飾りをどうやって作ろう……。子供組のみんなと話し合うと、色々な意見が出て、これ! という一つの方法にまとまらなかったので、1人1つ、オリジナルの髪飾りを作ってみよう! となりました。何もないところから、頭の中のイメージだけで作り出していくのは、上手く出来るという保障はなくて、手を付けるのには勇気が要ります。実際、思い通りに出来ないところもたくさん出てくるけれど、それも含めて、どうしたら綺麗に作れるか、考えながら作っている時間に、自由研究をしているようで心が躍りました。
ももかちゃんと、さくらちゃんが制作をしている間、ななほちゃんとなつみちゃんと一緒に話したことがありました。それは、ももかちゃんがなのはなに来る前に、子供組のみんながお母さんから頂いた、黄色い花のネックレスのこと。本当は、お誕生日会でお揃いで付けたいけれど、ももかちゃんが持っていなくて、どうしよう。ななほちゃんや、なつみちゃんと話しました。すると、2人が、「私達で作っちゃう?」そう、提案してくれて、ももかちゃんに秘密の計画が始まりました。
そのネックレスは、茶色っぽい石が並べられて、真ん中に、『プルメリア』というハワイの、花びら5枚の黄色い花が付いているものです。どうしたら、これと同じように、なのはなにあるもので再現できるだろうか、アイデアを出し合いました。
子供組のみんなが集まると、アイデアは豊富にあって、百人力で、とても良いアイテムが出てきました。そのアイテムがどこにあるか、それは衣装部のななほちゃんが大活躍です。素敵なアイテムが揃って、こっそり子供組の制作と並行して、ももかちゃんへのサプライズプレゼント作りも進めていました。
ももかちゃんが、ネックレスを受け取ってくれる時の、とびきりの笑顔が、すぐに頭に思い浮かんで、どんどんネックレスが出来上がっていくたびに、私もとても嬉しい気持ちになりました。ももかちゃんに、子供組のみんなと一緒にプレゼントできる時がとても楽しみになりました。
ななほちゃんが、石の部分を茶色いビーズと麻ひもで編んでくれて、なつみちゃんが、真ん中の黄色い花のところに、キラキラのラメを付けた、貝殻を付けてくれました。ももかちゃんに向けて、子供組からのささやかなプレゼントが完成して、早速、会の準備の最後に、ももかちゃんに渡すことができました。
ももかちゃんが、目をキラキラさせて跳んで喜んでくれたのが、とても嬉しかったし、その笑顔を見るだけでも、温かい気持ちを、私達もたくさんもらいました。今も、ももかちゃんの首元には、ピンクの貝殻の付いたネックレスが付いていて、会当日も、子供組全員で、お揃いのネックレスを付けられるのがとても嬉しいなあと思いました。
リビングにいても、色んなチームのみんなが、寸劇を考えていたり、制作をしていて、その楽しそうな、活気のある空気を感じるだけでも、とても楽しみな気持ちが増えました。プレゼント・飾り係さんから、1人1枚ずつ描くメッセージカードをもらいました。その色紙が、これまでにないような、とても夢が溢れていて可愛いもので、色紙に何を書こうか考えているだけでも楽しい気持ちになります。
全員分のカードを入れる箱を飾り係さんが作ってくれていて、それだけでも、緻密で繊細で、お母さんを喜ばせたい気持ちで溢れているけれど、その中身も、みんなで一緒に作れるのがとても嬉しいなあと思いました。

残りわずかの準備の時間を、チームのみんなで楽しんで大切に過ごしたいです。お母さんに喜んでもらえるような出し物を最後まで求めて作っていきたいです。
(りな)
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心で魅力を感じたものを、心を込めて彫り進め、刷ります。
今年も、木版画教室が始まりました。
今年、初となる版画教室では、版画教室のみんなと、お父さんに方針を相談し、古吉野近辺の風景をスケッチし、その絵を版画に刷る、ということになりました。
私は、その話を聞いたとき、真っ先に、ユズ畑から見える田園風景が思い浮かびあがりました。
なのはなに来たばかりの頃から、小高い場所のユズ畑から見える、広大で豊かな、石生の田園の風景に心を惹かれていました。
自分の中で田園風景といえば、写真の中でしか見たことが無く、憧れの気持ちがあり、古吉野に来て、その風景に出会えた時には、運命を感じました。
早速、今日の午前に時間にスケッチの時間を貰い、その場に行きました。
鉛筆と画板と画用紙をもって、冬とは思えないくらいポカポカと暖かい陽気の中、ユズ畑に向かう坂道を上がっていきました。
思わず、ユズ畑に植わっているニンニクに、「ニンニクさん、こんにちは」と挨拶したくなる気分でした。
石生の田園風景を前に、畑の畔に腰掛け、しばらく、じっと目の前の景色を見つめていました。
じっくりと見ると、田んぼのラインの真っ直ぐさや、色、遠くの山の段々になっている具合や、空に浮かぶ大きな雲が、一つ、ひとつ、美しく、その風景を作っていました。
鉛筆を走らせるごとに、普段じっくりとは見ないものも、しっかりと見えて、それを心で感じて、紙面に写していくとき、心が和んで、幸せな気持ちになりました。
暖まる空気に包まれて、心を落ち着けて、石生の田園風景と対話を交わしている瞬間でした。
後にお父さんから、それぞれ具体的なタイトルが付けられるように――私の作品なら、「ユズ畑から石生の田園風景を望む」というように――「古吉野近辺の風景集になるようなものを作ってほしい」とお話をいただいて、そのことが嬉しかったです。
石生の、広大で豊かな田園の風景の魅力を伝えられる作品にできるように、心を込めて制作していきたいな、と思いました。
夜には、お楽しみにしていた、藤井先生の版画教室です。
今年、また藤井先生にお会いできたことや、みんなと藤井先生との版画教室の空間が、温かくて、大好きだな、と思いました。
風景画を制作するにあたって、藤井先生がご自宅から持ってきてくださった木版画の画集を見せてくださいました。
藤井先生が、雪景色の作品を参考に、「手前に大きく、モチーフを持ってきて、背景を描くと構図がよく見える」と話して下さいました。
その作品は、秋田によくありそうな村の雪景色で、おおよそ画面の半分に、手前の家の屋根があり、その背景に、後ろの景色がありました。
私は、46.5センチ×36センチの画用紙いっぱいに田園風景を描いていたけれど、こういうふうに構図も工夫して、面白く見せられるんだ、と発見がありました。
また、藤井先生が、参考にジャシュア・ロームという人の木版画の画集を見せてくださり、その作品が印象に残りました。
その作品を見ていると、(ここは、絵の具に水を多く入れて刷ったんだな)(ここは、絵の具を多めに、この色の上から刷ったんだな)と、こうして表現すればいいのかという発見を、見るたびに見つけることができて、以前の経験から見えてくることがあり、ますます版画の楽しさが身に染みていくようで、こうして版画ができることが、ありがたくて嬉しいことだな、と思いました。
次回からも、魅力を伝えられるような作品にできるように、心を使って、制作に取り組んでいきたいな、と思いました。
(ほし)
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