「人を活かすことを自分の喜びとする」 ひろ

1月9日

 なつみちゃん、さくらちゃん、成人おめでとうございます。
 ピンクの振袖を着たさくらちゃんは、お花畑のようにかわいく、春がやってきたようでした。
 朱色のつるの模様が入った振袖のなつみちゃんは、お正月の南天のように華やかで凛として、そして、とってもかわいらしかったです。
 ずっと見ていたいなと思いした。少女から大人の女性に変わる決意が2人の緊張した面持ちにあって、初々しさと綺麗さとで胸がいっぱいになりました。こうしてお祝いさせてもらえることが幸せだなと思います。

 勝央文化ホールで行われる二十歳の集いに出発する前、少し緊張した2人が、なのはなの代表として、参加をすると話してくれました。
 2人をみんなでお祝いさせてもらって、一緒に自分も大人とはどういうことか考える機会にさせてもらいました。
 嬉しい気持ちと背筋が伸びるような気持ちで、成人を迎えるとはどういうことか、自分の役割やあるべき姿を考えさせてもらいました。

 お父さんがお話をしてくださいました。
 成人を迎えたから、その日から大人としての責任が生まれる訳ではなく、どんなに小さくても家族の中で、その年齢の責任を人は持っている。
 人を活かすことを自分の喜びとすること、自分の欲で動かないこと。
 その場で求められている役割を演じる。素直な自分の気持ちは置いておいて大人の嘘をつけるようになること。
 演じるのは、何か答える時に、自分はこう思っているけれど、その場にふさわしいのはこういう答えだと考えて答えること。

 私もまだまだ大人になれていないと思います。特に大人の嘘をつくというのが自分は下手です。
 大人の嘘というのは、利他心だったりやさしさだったりします。
 いつでも正直が正しい訳ではない、その場にあった嘘をつくのは自分を偽る悪い事でもありません。
 自分の中の固定概念を捨てて、自分から離れて、その場にふさわしい大人の対応ができるようになろうと思います。
 大人とはどういう人か、お父さんに教えていただいてうれしかったです。

 また、成人式に着物を着ることで日本の文化が継承されていくこと、
 着物を着たときの所作に日本人の美意識が詰まっていることも教えてもらいました。
 着物は華やかで、所作は静かにゆっくりと上品でおしとやかになります。
 着物姿を見て、綺麗だと思い、普段は意識しないけれど、日本人の良さを思いました。
 時代は変わっても日本人としての美意識を自分の中にも持ち合わせたいと思いました。

なのはな写真館
 二十歳の集いが終わってからは、なのはな写真館で撮影がありました。
 私は、あゆちゃんチームでした。ライトを持ったり、反射板をもったりして、みんなでさくらちゃんを取り囲みました。
 以前は写真館に行っていたけれど、今はなのはなで写真館をすることができ、成人の子と過ごす時間も沢山あります。
 なんでも自分達でできるのは、いいなと思いました。
 さくらちゃんを見ていると、かわいくて溜息が出るようでした。自然と口角が上がっていきました。
 さくらちゃんも笑顔で、周りのみんなに目を向けると、みんなも笑顔でした。独楽を持ったり、梅を持ったり、首をかしげたり、目を伏せたり、少しの動作で見え方が変わっていきました。

 隣のブースでは、なつみちゃんが、まえちゃんに撮ってもらっていました。
 風を浴びていたり、そちらも盛り上がっていました。
 途中、たけちゃんとたいちゃんもやってきて、一緒に写真を撮りました。
 温かい時間が体育館に流れていました。
 出来上がった写真を見るのがとても楽しみです。

お祝いのムービー
 私は、せいこちゃんチームで寸劇をさせてもらいました。チーム発表の時にリーダーが、せいこちゃんで一緒に進める人として2番目に名前を呼んでもらいました。せいこちゃんが、「ひろちゃんがいてくれたら心強い」と言ってくれたのが素直に嬉しくて、よし、頑張ろうと思いました。

 寸劇のあらかたの流れは、せいこちゃんが考えてくれていて、それに合わせて役割を決めて、それぞれ自分が出るシーンを考えました。
 私は、まよちゃんと、訛っている人をすることになりました。まよちゃんとは最近何か一緒にすることがなかったので、一緒にできるのが嬉しかったです。会津弁と九州弁の2つパターンを考えて、台本を作って練習しました。
 衣装はこうしよう、設定はこうしようと、図書室の隅の暗がりで2人で練習した時間が楽しくてしかたありませんでした。
 あと5分しようといいながら、シーンを完成させて翌日の夜に撮影するのを楽しみに練習を終えました。

 ところが、翌日、チームで集まって練習してみると、私は違う役の方がいいことになりました。まよちゃんも違う役になりました。
「なんの役でもいいよ」と言いながら、昨日のことを思い、ちらっとまよちゃんに申し訳ないような、残念な気持ちが、初めはありました。
 しかし、そんな思いはすぐにふっとびました。まみちゃんとなっちゃんが演じてくれたのですが、まよちゃんと作った台本、考えた衣装を使うことができました。帰ってきたまよちゃんも、こういう風に言ってと演技指導をしてくれました。昨日のまよちゃんとの練習が活かされたなと思って、嬉しかったです。まよちゃんの新しい役のウェイトレスも、まよちゃんの魅力が出ていて、私のキャピキャピした役も演じていて面白くて、なんだか2倍楽しませてもらったなと思いました。他のみんなも芸達者で、練習していて沢山笑いました。なつみちゃん、さくらちゃんのことをみんなで思い、お祝いさせてもらいながら、こんなに楽しませてもらって幸せだなと思いました。
 自分達のムービーも、他のチームも、ムービーも早く見たいです。

 さくらちゃんとなつみちゃんは本当にかわいくかったです。私たちの気持ちに答えるように、ずっと笑顔でいてくれました。
 私も成人式は、なのはなでさせてもらいました。白い振袖を河上さんのお宅で着させてもらって、河上さんのゆりちゃんと、あやちゃんと美作市の式に参加させてもらいました。みんなが、「かわいい」と沢山言ってくれたこと、帰りにファーマーズでお父さんが写真を撮ってくれたこと、成人の子だけじゃなく、みんなのポートレートも撮ってくれて、みんなも恥ずかしがりながら喜んでいたこと、その時のみよちゃんの写真、今でも覚えています。まだ苦しくて、成人式なんてと思っていたけれど、実際お祝いをしてもらったら嬉しくて、その経験があるから、お祝いしてもらえるのは嬉しいよと、話すことができました。
 なのはなで沢山の喜びを教えてもらって、みんなで分かち合うことができて幸せです。