「風待ち篇」 ななほ

1月4日

・風待ち篇

 ウィンターコンサート前から、『あきない世傳 金と銀』が、途中になっていました。

 お正月の三が日も過ぎ、落ち着いた気持ちで小説を読めることがとても嬉しいです。
 高田郁さんの『あきない世傳 金と銀』は、13巻で幕を閉じるのですが、私はまだ12巻の半分までしか読めていなかったこともあり、今は記憶をたどるためにも、11巻から再度、読んでいるところです。

 でもやっぱり、読み始めるとその世界に一瞬にして入ることができて、私自身も五十鈴屋や幸、健輔などと共に、いくつもの危機を乗り越えて、問題をみんなと解決しているような気持ちになります。

 11巻は『風待ち篇』ということもあり、五十鈴屋はいくつもピンチがやってきて上手く商いが進まないところもあるのですが、それでも、太物仲間に五十鈴屋の技術や型を伝えることで、よい品物を、長く愛されるようにと、広げていきます。

「五十鈴屋は浅草太物仲間の皆さんと共に、藍染め浴衣地を積み、帆を張って、船を走らせようとしています。今は、大海に出る前の、風待ちの時」

 その幸の潔さに心が正されるし、風待ちはただ何もしないと言うことではなく、その中でも仲間と共に痛みを分かち合い、力を蓄えて風に備えるという幸の心持ちが綺麗だなと思います。

「買うての幸い、売っての幸せ」を軸に、目先だけの利益を考えた一時的なものではなく、末永くよいものをと、仲間と協力して日本の文化を繋げていく五十鈴屋の姿から、私もあるべき方を教えてもらって、やっぱり、小説っていいなと思います。

 昨日の朝に読み始めて、今朝、もうすでに11巻は読み終わったのですが、あと2巻、楽しみが待っているのが嬉しいです。

・りゅうさんと台所

 ああ、今日はお仕事組さんもみんな、お仕事なのかと寂しい気持ちになっていたのですが、グラウンドを見たらりゅうさんの車があり、今日までりゅうさんがお休みでいてくれたことが嬉しかったです。

 午前中は、ウィンターコンサートぶりと言うくらいに久しぶりに、畑に出て収穫に行ったのですが、外は暖かくて空気が綺麗で、すごく気持ち良かったです。

 また、つきちゃんたちとパソコン室の片付けも成人式に向けてすることができて、お正月が開けたら、なつみちゃんとさくらちゃんの成人式だと思うととても嬉しくなりました。

 そして、午後は台所。私はあまり、台所に入ることがないのですが、りゅうさんに教えていただきながら、りゅうさん特製スープを作らせてもらい、今日で中華スープの作り方を覚えることができて嬉しかったし、りゅうさんたちと台所に入ると、ずっと、手も口も動いていて、賑やかでした。

 夕食に出す中華丼の調味料をはかったり、半熟卵を作るために試行錯誤を重ねたり、1つ、ひろこちゃんが電子レンジで卵を爆発させたのも含め、とても楽しい午後でした。

 まりこちゃんたちと、「楽しいね」と笑いながら、でも効率も意識してする作業が本当に楽しくて、夕食の時にみんなが「りゅうさん特製の中華丼とスープがおいしい」と言ってくれたり、お父さんから半熟卵の作り方も教えてもらえて嬉しかったです。

 何となく年末は色々とバタバタとしていて、頭が走っていたのですが、年が明けて、日常の幸せを真っ直ぐに感じられるのが嬉しいです。

 また、お父さんにハウスミーティングで話してもらったことも、ちゃんと受け止めて、日々全力で、力を出し切る、本気で向かう、自分の能力を全て発揮するという強い気持ちで過ごします。