1月2,3日 夜のなのはな「伸るか反るか、乗るか走るか? セブンブリッジ大会」

1月2,3日 夜のなのはな

 3日の夜、お正月遊びの締めくくりは、前日の夜から2日間にわたって開催した、セブンブリッジ大会でした。

 

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 今回のセブンブリッジ大会は、一言で言うなら、過激。
 勝つならば、大勝ち。負けるならば、大負け。
 みんながゲームに本気で向かうために、一番初めに発表された罰ゲームは、本当になのはなファミリーなのかな? と疑ってしまうくらいのものでした。

 最下位のチームは、一人ひとりが馬役となって、騎手となる3位チームの誰かをおんぶして体育館を2週。1位チームはその観客となって、どの馬が1位になるかを予測するというものでした。
 それだけではなく、馬になる人は、お父さんの腹筋版画がプリントされたTシャツとデコチュータイツの、全身真っ白な姿にならなければなりませんでした。

 勝利か、敗北か。損得感情のギブソン大王の、凄みのある笑顔が思い浮かぶほど。けれど、私たちは本気でこの過激さを楽しみます。
 勝ったら勝った分、喜ぶし、負けたら負けた分、大いに悔しがる。
「馬にだけはなりたくない」と闘志を燃やします。と同時に、心のどこかで、「いっそ馬になっても楽しそうだなあ」と思う自分もいるのでした。

 

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 また特別ルールも、罰ゲームに見合った、過激なゲーム展開を促すようなものになっていました。
 後半戦の前に、全チームの代表者が回すルーレット。そこには、赤と青、それぞれ1から5の枠があります。赤は、「勝ったら〇倍」青は、「負けたら〇倍」。勝った場合と負けた場合、数字の倍数が得点にかけられるというものでした。

 ルールが適用されるのは、ラスト3ゲーム。このルールの怖いところは、もしも自分のチームが「負けたら5倍」の回で、「勝ったら5倍」のチームに負けてしまった場合、負け点が25倍になってしまう、ということでした。
 この、大荒れが最初から確定しているような、恐ろしさの中で、気持ちを強く持って、ゲームに向かわなければなりませんでした。

 私はオレンジチームで、さやねちゃんと同じペアでした。
 リーグごとには、今年の干支にちなんだ、ウサギの絵が置かれていました。
 ライオンヘッド、ダッチ、ネザーランドワーフ。初めて知るウサギの種類です。実行委員の、ほしちゃんが描いてくれた絵は、フワフワとした毛並みの感触が感じられそうなくらい、リアルで愛らしいウサギの絵でした。
 この絵を見ると、つかの間、罰ゲームの恐ろしさを忘れて心を和ませることができました。

 

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 さやねちゃんと私は、とにかく欲張らず、謙虚にカードを出し続ける、という姿勢を貫きました。

 2日あるうちの1日目、ダッチリーグでは、最初は小さく負け続けていました。それでも大きな波乱はなく、穏やかにゲームは進行していました。

 まずまず、という点数で前半戦が終わったとき、あの、運命を大きく左右する“ルーレット”が行われました。
 次々と、チームから代表者がルーレットを回して出たのは……青! の、1倍。……赤! の、1倍。なんと赤、青、ピンクの3チームが全て、得点1倍。つまり、そのままの点数、ということになりました。

 なあんだ。意外と平和なんじゃないか、と少しほっとしたとき、オレンジチームのあゆちゃんが回したルーレットは……、青の、5倍。
 これは、あまりにも不公平じゃないか! と悲しくなってしまいました。あまりにもオレンジチームのみが残念な結果でした。結局、少しルール変更を加え、ルーレットの効果が適用されるラスト3回戦の、1回目、2回目、3回目、全てルーレットを回して、それぞれの回で適用されるということになりました。

 

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 ここからはもう、赤も青も、1倍にはとどまらず、どのチームでも、喜びと悲劇の声が起こりました。
 オレンジチームは、1回目は「負けたら5倍」。2回目は「そのまま」。3回目は「勝ったら3倍」。何があっても、1回目はしのがなければならない。そして、3回目にはチャンスがある。勝てる希望はありました。

 さやねちゃんと私のペアは、後半戦、小さくも上がれる回が増えてきて、だんだんと運が回ってきていました。あともう少しでラスト3回戦に突入するというところ、上がった! と思うと、隣のまちちゃん、まっちゃんペアの表情が、暗い。
 なんとジョーカー2枚、7のカード2枚を持ったままで、上りが出てしまい、2000点以上を貰うことになりました。
 小さい勝ちならば、素直に喜べるのですが、そのときは嬉しいというよりも、驚きと、大丈夫かな、という複雑な心境になりました。けれど、まだなにが起こるか分かりません。冷静さを保ったまま、ラスト3回戦に向かいました。

 

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 そして1回目、まさかの上り。またも、やまちちゃんとまっちゃんの顔色が悪い。普段はとりわけ明るく笑顔のまちちゃんも、完全にふくれてしまっていました。
 今度はルーレットの「負けたら〇倍」が適用されて、2000点以上、まちちゃん、まっちゃんペアから吸い取ることに、なりました。

 2回目は、まずまず。そして迎えた最後のゲーム。「勝ったら3倍」です。なんとここでも、上がることができて、今度はなっちゃん、るりこちゃんペアから1100点以上、勝ちました。
 前後半合わせて、さやねちゃんとのペアで獲得した点数は、5700点以上。こんなに大きく勝ったのは、今までにありませんでした。

 全チームを合算しても、オレンジチームは断トツの1位で、最下位は、まちちゃん、まっちゃんのいる青チームでした。
 このまま1位を貫くのも、夢じゃない。けれどこれはまだ前半、何が起こるかは、分かりませんでした。

 2日目。この日もペアは変わらず、リーグはホーランドロップになりました。
 ここの青チームは、ひろこちゃん、ゆきちゃんペア。ひろこちゃんは自ら、「私のいるリーグは荒れません。なぜならば、私が平和を願っているから」と宣言をしていて、実際にその通りという評判がありました。
 ゲームを進めていると、ひろこちゃんの力を感じずにはいられないくらい、とても平和でした。

 

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 それも、4チームとも残りの手札が1枚か2枚、という世捨て人になって、ようやく誰かがあがる、という勝ち点の少ないゲームが、何度もあった、というくらい、このリーグには穏やかな神様がついていたようです。
 穏やかな中でも、さやねちゃんと私は、昨日の運の流れがまだ残っていて、小さく上がりを出し続け、プラスの得点を保っていました。

 前半戦も残り1試合という頃、真ん中のミニレッキスリーグから喚き声が沸き起こりました。「何があったの?」と振り返ると、喜んでいるのは青チーム。床に仰向けに倒れているのは、なんとオレンジチームの、まえちゃんとよしみちゃん。

 その手には……ジョーカーが3枚。負け点、125倍で、6125点(編注:今回のセブンブリッジは、2組のトランプで遊びました)。

 

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 点数を聞いた瞬間、さやねちゃんと私の心の中で、3枚のジョーカーを持つ手に雷が落ちてしまいました。
 確かに、3枚もジョーカーが来たら、上がるのは容易ではない。けれど、3枚の内1枚でもいいから、そのジョーカーを手放してもらいたかった……。
 これで、戦況はガラリと変わりました。それでも中間結果発表では、オレンジチームはまだ3位。昨日の積み立てが、辛うじて最下位になることを踏み留めさせていました。

 2日目も行われた、ルーレット。ここでオレンジチーム、1回目に「負けたら5倍」を当ててしまいました。
 最下位争いをする青チームは、どれも赤、「勝ったら〇倍」です。少し嫌な予感が、かすめ始めました。

 

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 後半戦。1位からの転落に、気持ちは落ち込んでいたけれど、堅実さを失うことはありませんでした。
 そんな中、手札をめくると現れたのは、3枚のジョーカー。手が震えます。けれど、さっきの悲劇が起こったとき、お父さんがジョーカー3枚をどうにかする方法を教えてくれていたおかげで、何とか切り抜けることができました。1発上がりです。

 しかし、勝ち点は120点そこそこ。
 ここで私たちは学びました。自分がジョーカーを3枚持っているということは、他のチームは持っていてもジョーカー1枚。勝ち点は、かなり控えめ。しかし負けた場合の点数は、恐ろしい。上がれようと上がれまいと、即座に1枚でも多くのジョーカーを捨てるべき、ということです。

 

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 希望を失わずに最後までゲームを続けて、最後は+320点で、私たちは終えることができました。
 結果発表、はじめに発表された1位は断トツで、お父さん、お母さんのいる赤チームでした。

 最下位を発表する前に、まずは点数が発表されました。最下位は、-6000点以上。3位は、-1000点。
 えっ、どゆこと? けれど、オレンジチームのあゆちゃんがとなりで、「青に2000点取られた~」と嘆いているし、何となく予感はする……。
 結果は言わずもがな、3位が青で、最下位はオレンジでした。

 

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 こうなったらもう、腹を括るしかない。実行委員のさくらちゃん、りなちゃんに従って、図書室へと着替えに行きました。
 腹筋版画Tシャツを着て、白いデコチュータイツを履きます。この格好になると、自分を守る気持ちが粉々になっていきました。どこからどう見ても、どう頑張っても、変です。
 気持ちが高まっているからか、薄着でも寒くはありませんでした。

 私たちが着替えている間に、リビングでは、私たちに背負われる、騎手になる人を決めるのと、どの馬が1位になるかの予測がされていました。
 みんなが予測を終えて、体育館へ移動すると、私たちもそっと図書室から体育館へと移動します。
 全身真っ白でも、手を腰に当てて気持ちは強く持って、列をなして体育館に踏み込みました。
 みんなの大笑いが起こり、「よし、役割は果たしたぞ」という気持ちになりました。

 

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 私が背負う騎手は、ゆずちゃんでした。予測がしてあるボードには、なんと私に3人も予測してありました。
 私は、背は低くて力もあまり強くは無いけれど、負けん気だけは人一倍であることは、みんなに知られてしまっているようだと思いました。

 ゆずちゃんをがっしりと背負って、スタートの合図とともに、飛び出しました。結果は2位。全力を出して走ったから、とても清々しくて、ゆずちゃんと喜び合いました。
 1位は、しなこちゃんで、騎手はまっちゃん。このペアは大穴で、誰も予測していなかった、という展開でした。

 お正月遊びの最後、さんざんだったけれど、自分を守っていたものは、自動的に砕け散りました。今年1年、大きく成長することができるんじゃないかな、という予感がします。

 罰ゲームの後には、三が日の遊びの1位への景品がくじ引きされました。ほぼ全員がくじを引く中、馬になったチームだけは残っていたのですが、お母さんが、「まだ残ってるでしょ。馬のみんなも引いたらいい」と言ってくれて、私たちも引かせてもらい、これも真っ白な靴下をもらいました。
 結局、全員が靴下などの景品を貰うことができて、嬉しかったな、と思います。

 

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 最後、お正月遊び全体での講評を、お父さんがしてくれました。
 今回のお正月は、ウィンターコンサートを終えて高まりのあるなか、みんなの気持ちが入っていて、それぞれの遊びが凝っていたこと。毎年の積み重ねがあり、どんどん遊びがやりやすく、面白くできるようになっているということ。
 それぞれの実行委員が、よく頑張りましたと言ってもらいました。

 

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 私も、この三が日があっという間だったけれど、1日1日が、本当に濃く感じました。
 コマ回し、羽根つきの実行委員をしていても、今年ならではの変化も含めて、みんなに楽しんでもらえたことが嬉しかったです。
 いろいろなことがあったけれど、嬉しくても、悔しくても、たくさん笑って、福の神も大勢、なのはなに来てくれたのではないかな、と思います。

 新年のスタートを、気持ちよく切ることができました。まだ15日までは松の内、ということですが、次は間もなく成人式に向かっていきます。
 お祝いの気持ちを、今年成人を迎えるさくらちゃん、なつみちゃんへ向けて、みんなでいい思い出を作っていきたいです。

(りんね)