
1月1日のなのはな
新年、あけましておめでとうございます。今年も、よろしくお願いします。
2023年、うさぎ年。新年を、なのはなのたくさんの家族と迎えられて、とてもうれしいです。
朝は、29日からチームのみんなで作ったおせちをいただきました。すべての品が見えるように美しく盛られていて、どれから食べようか迷うくらいです。
一つひとつに、作る過程でも思い出が詰まっていて、その温かな愛情の料理が、身体に染みわたり、小腸が喜んでいることを感じました。
そのあとは、新年に欠かせない、お屠蘇と豊富の時間です。
初めにお父さんが、世界・日本経済のこと、SNSのこと、社会問題について話してくださいました。
その中でも印象に残ったのは、一つは情報発信について。なのはなを時間をかけてやっと知ることができた方で、「もっと早くなのはなファミリーを知りたかった」という声から、今年はインスタグラムやYouTubeなどSNSの情報発信をたくさんしていきたい。とお父さんが言いました。それが私たちの勇気となり、希望となりました。自分も発信者として、なのはなファミリーの活動に意志を持ってのぞみ、見てくれた人に楽しさを伝えられる人になりたいと思います。
そして、今、多様化する価値観を認めようとは言われつつも、実際には、いろいろな苦しみ方から、そうせざるを得ないという理由・状況で、外れた生き方になる人がたくさん増えているということ。
「私たちは、社会を正していく使命を持っています。摂食障害は付き合っていくものではなく、親離れ子離れの失敗。摂食障害から立ち直り、自立していくことができる。それを伝えられるのは私たちしかいない」
という、お父さんとお母さんの言葉に背筋がただされました。
あらためて、自分ができることはなんだろうか。今、自分はどう生きていくべきか。
それを考えるきっかけとなって、その言葉がありがたかったです。
摂食障害から立ち直りよくよく生きていくために、今なのはなにいて、回復の道の上に立っている自分は、まだ見ぬ人のためにを責任を持って伝えるために生きていきたいと思いました。
その気持ちを込めて、お屠蘇をいただき、抱負を宣言しました。
お屠蘇のあとは、いい天気の中での元朝参り。
列になって、昨夜の紅白のことや、三が日の遊びについて話しながら向かう道中はとても楽しいです。途中途中で、カメラを持ったりゅうさん、あゆちゃん、かにちゃんが写真やビデオを撮ってくれていて、後ろには那岐山の頂上付近の雪が見えてきれいでした。
家族でこうした新年らしい行事をすると、「ああ、これこそが日本の新年の始まりだよな」としみじみと感じて、この風習を絶対につなげていきたいと思いました。
いくつになっても、毎年、新年にはおせちを食べ、家族で神社にお参りにいく。という時代の流行などに流されない文化を、なのはなで教えてもらった本当の文化を、大事に自分の思い出ファイルとして刻んでいきたいです。
(さき)
***
なのはなの三が日は遊んで、遊んで、遊び尽くす!
年に一度のお正月。
なのはなの1年の行事のなかでも、三が日は特に特に特別で、大好きな仲間に囲まれてこんなにも穏やかで温かな新年を過ごせることが、とても幸せに感じます。
今日からの3日間は、作業はお休み。日中、そして夜中まで、とにかくみんなと遊び尽くすのです。
3日間に分けて行われるのは、全6種目の遊び。紅白歌合戦で団結したチームメンバーと、今度は歌じゃなく、遊びの勝ち負けに向かって、燃えます!
お屠蘇と元朝参りの穏やかな新年の朝が、午後からは一転、リビングは熱気で溢れました。
待ちに待った、遊びのスタートを切るのは、『二人羽織 豆掴み対決』です!
二人羽織は知っている方も多いと思いますが、なのはなの二人羽織は豆掴み対決。
トレーの中にある4種類の豆を、制限時間1分30秒の中で、いかに多く寿箸でつまみ、隣のカップに移せるかを競います。
そのときに使う豆は、もちろん、すべてなのはな産。黒大豆も白大豆も、小豆も落花生も、みんなで育てた作物です。
二人羽織の第1種目は、ノーマル戦。全5チーム、5回戦の得点が加算されていきます。
ここで肝心なのは、ペア決め。二人羽織は箸をいかに上手に使えるかも重要だけれど、それ以上にペアになった子とどれだけ鼓動と気持ちを合わせて、お互いを信じられるかという精神面の方が勝利の鍵を握っていると思います。
わたしのチームには、今回が初挑戦のももかちゃんがいました。まだコツも得意不得意もわからない、ももかちゃん。チームのみんなと話し合って、
「豆を掴むほうが楽しいかな。ももちゃん、後ろの人になってみる?」
と初挑戦のももかちゃんが後ろに、そして経験上、箸で豆を掴むのは苦手かも……と言うわたしが前になり、ももかちゃんとわたしのペアが結成されました。
そのときにはまだ、まさかこの先のことなんて、想像もしていませんでした……!
「それでは、ノーマル戦、第1試合スタート!」
実行委員さんの合図で、第1試合が始まります。トレーが並べられた机に各チームから選出された5ペアが並びますが、羽織を被って、前の人に覆い被さる姿は、ちょっと笑えてしまいます。ペアごとに体勢もそれぞれで、「わたしたちはこれがいい!」と思う作戦、体勢、声かけなどを綿密に練って、1分30秒の戦いに全神経を注ぎました。
前から応援をしていても楽しいのが二人羽織。プレーしている子が豆を掴んでカップに入れたときは飛び上がるくらいに嬉しいし、反対になかなか掴めなくて手こずっている姿を見ると、応援している自分までもがもどかしくて、手を伸ばして助けてあげたい気持ちになってしまいます。
豆の得点は、黒大豆が10点、小豆が8点、落花生が5点、白大豆が3点。落花生は大きくて比較的掴みやすいので、始めから落花生狙いで攻めるペアもいれば、最も高得点の黒大豆のみ攻める! という、集中型タイプのペアもいて、それぞれでした。
そしてやってきた、わたしたちの番。
わたしが前に座って、その後ろに羽織と目隠しを身に着けたももかちゃんが、わたしの背中にもたれるようにして体勢を整えました。小さいももかちゃんを背中で背負っていると、ももかちゃんが温かくて、また、時折感じるももかちゃんの呼吸音に、心の中で、(ももちゃん、頑張ろうね)とエールを送って、わたしたちの初戦に向かいました。
「よーい、スタート!」
実行委員さんの合図がリビングに響いた瞬間、すぐ目の前で観戦をしているみんなの声が一瞬にして遠のき、目の前のトレーにある豆と、ももかちゃんの箸を動かす手しか見えなくなりました。
そして、驚くことに、ももかちゃんの箸を掴む手が伸びて、箸の先端がいきなり黒大豆をガシッと掴みました。さらにわたしが身体で誘導する間もなく、ももかちゃんの手は自然とカップの位置まで伸びていき、ポトッとカップの中へ落としました。
(えっ、ももちゃん、見えてるの!?)
ついそう思ってしまいました。わたしが驚いている間に、ももちゃんの手は次の豆へと向かって動いていきます。黒大豆、白大豆、そして最も小さい小豆でさえも、細い箸の先端でしっかりと掴み、手当たり次第に豆を次から次へと掴んでいきました。
わたしは目の前で行き来する、ももかちゃんの見事な手さばきに圧倒されつつ、ももかちゃんに気持ちを沿わせて、時折、「もう少し下に黒大豆がいっぱいあるよ」「いま、掴んだ」「いいよ、その調子」と声をかけました。
ラスト10秒のコールがなったときは、時間の経過に驚きました。つい欲が出てきてしまって、焦る気持ちが出てきます。自分に言い聞かせるように、「ももちゃん、落ち着いていこう」と声をかけましたが、ももかちゃんはそれまでと全く同じリズムで残り10秒で黒大豆を2つも掴んで、カップへ移しました。
「終了でーす!」
終わりの合図で、それまで目隠しをしていたももかちゃんが、勢いよく起き上がって、目隠しを外しました。カップの中には数々の豆が!!!
気になる得点はというと……なんと、173点! 初挑戦、初試合でいきなり、ももかちゃんがそれまでのゲームの最高得点を叩きだしたのです。
「ももちゃん、すごい!」
チームのみんながももちゃんに駆け寄ると、ももかちゃんがすごくすごく嬉しそうに笑いました。
2試合目では、ももかちゃんはさらに勢いづいて、183点を取りました。それ以降も、最低でも120点は取っていて、他のペアが平均80点台前後のところを、ももかちゃんがダントツでした。
休憩を挟んで、続くのは名人戦です。
ノーマル戦の2試合の結果を踏まえて、各チームから1ペア、我こそはという名人ペアを選出して、トーナメント形式で順位を競いました。1位になったら300点、2位が200点、3位が100点と獲得点数もかなり高いです。逆転のチャンスあり、に各チームが燃えました。
わたしのチームは迷うまもなく、名人のももかちゃんとペアのわたしが名人戦に出場させてもらうことになりました。
名人戦は1ペア対1ペアの対決なので、みんなに見守られる形でより緊張したムードがありました。
さすが名人というだけあって、各チームからは強豪ペアが集います。第1試合のさやねちゃんチーム対あゆちゃんチームの対決も、みんながじっと食い入るなかでも、確実に黒大豆だけを掴んでいく、前回チャンピオンのつきちゃんの姿が印象的でした。
わたしとももかちゃんは2試合目で、これまた高得点を連続して叩きだしていた、なるちゃんとりなちゃんペアに当たりました。ももかちゃんと、「これまでと同じようにやろう」と、お互いの緊張を収め合ってから、試合スタート。
名人戦の静けさがシンとリビングに流れていたとき、ももかちゃんが豆をカップに入れた瞬間、すぐ前で応援をしてくれているチームのみんなが、「ナイス!」と大きな声を出してくれました。ももかちゃんがカップに入れるたび、「ナイス!」。「ナイス!」「ナイス!」「ナイス!」。
ももかちゃんが連続して掴んでいくときは、「ナイス!」の声も連続して聞こえます。ももかちゃんと2人で戦っているのではなくて、チームのみんなで戦っているんだと思うと、わたしも緊張が収まっていき、ももかちゃんの箸さばきもさらに速くなっていった気がしました。
ノーマル戦ほどの高得点は出せないものの、第1試合はギリギリで逃げ切りました。
わたしたちはそのまま決勝まで進み、決勝戦ではあゆちゃんチームのつきちゃんとちさとちゃんペアと戦いました。決勝戦はわたしもももかちゃんもこれまで以上に緊張してしまって、少し手こずってしまい、思うように豆が掴めなかったです。
得点発表のときは、目をつぶりたくなるほどに胸が高まりましたが、点数が読み上げられて、僅差だけど勝ったんだとわかったときは、一瞬、頭がフリーズして、それから喜びが湧きあがってきました。
ももかちゃんとハイタッチをしました。緊張にも負けずに、意志を持って豆を掴み続けて、見事、今年の名人に輝いた、ももかちゃんが本当に格好良かったです。
最後にはノーマル戦をもう一度、ということで、再び2試合をしました。
ここまでやってくると、一人ひとりがレベルアップしたり、チームごとの作戦が確立していて、点数も伸びていっていました。
みんなが戦う姿をみて、お父さんが、
「2つの戦い方がある。1つは、クレーンゲームのように箸を真っ直ぐに持って、狙った豆を確実に掴んでいくペア。もう1つは箸を斜めに角度をつけて持って、手当たり次第に掴んでいくペア」
と、言いました。確かにのんちゃんチームはどのペアもクレーンタイプで、黒大豆だけを狙って、一定して高得点を出していっていました。ももかちゃんとわたしは後者で、手当たり次第に豆を掴んでいったけれど、ももかちゃんが最も小さい小豆でさえもしっかり掴んでいたのが、本当にすごかったなと思いました。
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もう少しやりたかったな、と思う頃に、二人羽織もお開き。それでも、遊びの後に、お母さんが、「来年は二人羽織が苦手な子でもできるルールがあればいいな」と言いました。そこで、「スプーンを使った豆取り!」など、面白そうな案がいくつか上がりました。今回も盛り上がって、十分に楽しかったけれど、もっともっと楽しめるにはと、今から来年の豆掴み対決のルールを空想して盛り上がった時間も、何だかすごく嬉しく感じました。
豆掴みに苦手意識があったわたし。まさか、ももかちゃんのおかげで、名人ペアになれるとは、二人羽織が始まる3時間前までは思ってもみない展開が待っていました。
新年はみんなに引っ張ってもらって、わたしも良い年になりそう。
三が日、第1種目目の遊びで最高のスタートダッシュを切って、みんなとたくさん笑って、喜べた時間がとても楽しかったです。明日はどんな楽しさ、笑いが待っているのかな。
(るりこ)
***
お正月遊び初日の夜は、お父さんとお母さんの新年ライブです。お父さんとお母さんが私たちのために歌を歌ってくれます。歌と歌の間には、様々なテーマでのトークもあり、私はお正月遊びの3日間の間でも特に楽しみにしている時間です。今年の新年ライブでは、いつもよりたっぷりとトークタイムがあって、約3時間の、本当に濃くて最高のライブでした。
ライブの始まりの曲は、『いちご白書をもう一度』です。前日の夜、紅白歌合戦では、お父さんとお母さんの対決でこの曲が歌われましたが、今夜は2人で歌ってくださって、始まりから心がぽかぽかになりました。
歌と歌の間にお父さんとお母さんが話してくださる話のテーマですが、今年は実行委員さんがいくつかのテーマでアンケートを用意してくれて、私たちは事前にそのアンケートに答えていました。そのアンケートの結果をふまえ、話をしてくださりました。
3枚つづりになっていたアンケートには、ウクライナとロシアの戦争や、コロナについて、社会情勢、結婚、SNSなどのテーマがあり、アンケートに答えながら自分の考えを書きました。
私は社会情勢や経済などについて、これまであまり興味を持てていなくて知識もほとんどなかったので、アンケートに答えているときは、正直すごく難しいなあと感じていました。
ですが、お父さんが一つひとつのテーマに沿って、お父さんの考えや体験のお話と共に、深く踏み込んで話してくださり、今まで理解出来ていなかったことも、お話を聞いているとどんどん興味が湧いてきたなあと思います。一見繋がっていないように感じるけれど、今の社会情勢と私たちの生きにくさが実は繋がっていることを知り、お父さんとお母さんのお話を聞いて、これからもっと理解を深めていきたいと思ったし、お父さんとお母さんが私たちのために大切な話をしてくださって本当にありがたかったです。
他にも、コンサートや摂食障害についてなどのテーマで自分たちから出た質問について、お父さんとお母さんが答えてくださりました。変わりたいと思ったらアクションを出すこと。殻を破らなくても、なりたい自分になってしまえばいい。お父さんの言葉にとても勇気が湧きました。みんなから出た質問が自分にも共通していて、みんなで共有させてもらえて、みんなで良くなっていけることが嬉しいです。
コンサートで大きなテーマになっていた「あなたの使命」。自分と同じ症状で苦しんでいる人に、生きる勇気と希望を感じてもらえるように、私は回復していきます。それが自分の使命なんだと再度心に刻み込むことができました。お父さんの『HERO』を聴くと、すごくパワーをもらって、背中を押していただきました。
新年ライブの最後には、『とんぼ』と『大空と大地のように』の、お父さんとお母さんの曲の中でも特に私たちが好きな曲の中の2曲が歌われて、私たちも一緒に歌いました。家族みんなで歌える今この瞬間が尊くて、幸せな時間です。お父さんの全力で歌う姿がすごくかっこよくて、こんなかっこいいお父さんが私たちのお父さんであることが本当に嬉しいなと思いました。
新年から、お父さんとお母さんのライブのおかげで温かくて幸せな気持ちでいっぱいです。
(よしみ)