
12月31日(土)のなのはな 紅白歌合戦 ―後半戦
このページは、「12月31日のなのはな(前半)」からの続きです。
ここからの記事は、あんな が担当します。
後半では、はじめに、実行委員の、のんちゃんとさきちゃんによる、『いちご白書をもう一度』の歌がありました。ウィンターコンサートで役者をしていた2人が、コンサート前半のラストシーンで、この曲の一節を歌う場面があったのですが、「コンサートのあとも紅白のために練習を続けていた」というのんちゃんが、見事に歌ってくれて、大きな拍手が上がりました。

後半はじめの対戦は、あんなチームの『バッド・ロマンス』VSひろこちゃんチームの『ビューティフル・ピープル』でした。
実行委員さんから、「濃い対決になりそうです」というようなコメントがあり、緊張感が増し、気合が入りました。
私たちは、自分の殻を破りたいという願望と、あるアーティストになりきってみたいという、2本の柱を掲げて、構成を考えたり、演出や作り込みをしてきました。
できるだけ、見ていて面白くて楽しいものにしたいと思っていたのですが、正直、面白いものにできているのか、楽しんでもらえるものにできたのか、当日まで、心配な気持ちもありました。
私たちは、自分の中で解決したい問題について、曲の中で寸劇にして表現することにして、それぞれが自分の劇の脚本を書いたのち、チームメンバーでお互いに見合って手直ししたり、演じたりしながら作っていきました。お父さんから、「面白くするにはベタではなく思い切りデフォルメするといい」と教えてもらっていて、そのことを意識して作りました。
これをしたからといって完全に殻を破れるわけじゃなくても、何かの糸口になったり、自分たちにとっても見てくれるみんなにとっても、意味のあるものにしたいという気持ちは、はじめから最後まで一貫して持ってきました。
また、あるアーティストになりきるということに関しては、衣装にも力を入れてできるだけ目標とするアーティストの雰囲気を再現したりできるだけ奇抜になるように心がけ、振り付けや歌もなりきって再現し、普段の日常からは強烈に脱した演出を目指して作り込んできました。
チームメンバーと、面白くなるようにあれこれ考えながら劇を作りこんだり、歌やダンスの練習をする時間が、楽しくて、たくさん笑ったし、時には衝突もしたのですが、お互いのことを大切に思う気持ちを深められた気がするし、充実した時間でした。
出番前、「やりきろうね!」とメンバーとお互いに顔を見合わせて言い合いました。
本番は、登場したはじめのパフォーマンスから、みんなの大きくて嬉しそうな歓声が上がって、薄暗いステージに上がると、とても高揚した気持ちになり、見てくれているみんなからの期待感を感じたし、安心した気持ちで歌い始めることができました。
面白いのか不安だった劇に関しても、早速、自分の言葉に、思った以上に大きな笑い声が起こって、安心したし、気持ちが乗りました。
劇を曲の途中で4回(メンバー4人の話)挟むという構成だったのですが、それぞれの劇にしても、演出にしても、思った以上の反響で、あっという間に終わってしまいました。終わったとき、大きな拍手と笑顔に包まれていて、幸せな気持ちでした。
自分を表現することは、恥ずかしいことであると同時に、人が持っている本来の喜びであると、お父さんが教えてくださいます。そのことを濃密に感じた、練習期間と、本番でした。
次のひろこちゃんチームでは、リハーサルを見た人から「迫力がものすごい」という評判だったのですが、本当にそうで、ウィンターコンサートのギブソンとそのお姉さんが出てきたり、漫才など取り入れられていて、私たちのチームとは違った趣向の、濃い感じというのがありました。
そして判定結果は、お父さん「白」(ひろこちゃんチーム)、お母さん「紅」(あんなチーム)で引き分けでした。
講評では、お父さんから、「どちらのチームも、見るのに多くのエネルギーが必要だった」などの言葉もありました。また、私たちのチームは、できるだけデフォルメしたつもりだったけど、やっぱりベタだったようで、自分を表現するとか、面白いものを作るというのは、難しいことだなと改めて感じました。
お母さんは、紅白の前に、「これは自分たちしか見ないのだし、どう思われるとか気にせず、やりたいようにやったらいい。思いきりはっちゃけてほしい」ということを言ってくださっていて、その言葉が背中をだいぶ押してくれていたのですが、そういう意味では、良かったのかなと思いました。
その後の対戦では、子供組の「カラヤブリ隊」の『キュア・フォー・ミー』があり、「衣装でかなり殻を破っている」ということは聞いていたのですが、これは私の想像を大きく裏切る衝撃的な衣装で、私には絶対にできないと思ったし、子供組のみんなの勇気を尊敬しました。

『リカバリー』のチームでは、これまでにない趣向で、「洗濯警察24時」という、なのはなファミリーで生活している中での問題をコミカルに変換した、劇とストーリで、その才能や演劇のリアルさとか質の高さを感じたし、みんなとたくさん笑って、上質な面白さというのを感じました。
ゆいちゃんチームの『エンジェルズ』では、ウインターコンサートでの、思い出ファイルの冷たい夫婦の関係が、愛情豊かなものに書き換えられていていました。心が優しく穏やかになって、たくさんの大きな笑いとともに、見ていて「涙が出てきた」と言っている人も多くいました。
それぞれのチームに、それぞれ違う面白さや、温かさ、楽しさがあって、演じているみんなの表情や、瞳や、姿が、とても生き生きしていました。
音楽室にエネルギーが充満していて、私たちは自分を表現することが大好きなんだなと改めて感じたし、年末をこんなふうに、色濃く、全力で、気持ちを共有して、仲間と過ごせることが、幸せだと感じました。
最後の対戦で、お父さんとお母さんは、今回、『いちご白書をもう一度』をそれぞれソロで、そのほかお母さんは『お月さまほしい』、お父さんは『傘がない』を歌ってくれました。
お父さんとお母さんが歌う姿は、ソロでも、力強くて、迫力があって、聴かせてもらえて嬉しかったです。
判定は、あゆちゃん夫妻と、後半から帰ってきてくれていた卒業生のりかちゃん夫妻がしてくれて、引き分けとなりました。
気づけば、既に午前0時をまわっていて、年を越し、2023年に入っていました。
すべての演目が終わり、実行委員の人とみんなで、紅組、白組の点数を数えていくと、総合結果は引き分けでした。

卒業生のさきちゃん、まゆみちゃん、ゆきなちゃん、りかちゃん夫妻が感想を一言ずつ話してくれました。
「みんなが殻を破ろうとする姿に勇気をもらった」
「辛いことがあったとしても、今日の楽しかった場面を思い出して乗り越えられそう」
「想像以上に激しい紅白歌合戦だった!」
最後にお父さんは、「今回は劇に力を入れているチームが多く、全体的にこなれている感じがして、楽しめた」
お母さんは、「みんなのことを見ていると涙が出てきて、愛おしく感じる」ということを話してくださいました。
生バンド演奏や、照明など、本格的に、全力で楽しむ大人の紅白が、嬉しくて、楽しく濃い時間でした。
(あんな)