12月31日(土)「2022年の締めくくり! もう一皮剥こう! NHF紅白歌合戦!【前半】」

12月31日(土)のなのはな 紅白歌合戦その1

 今年、紅白歌合戦の実行委員をしてくれるのは、ウィンターコンサートで主要役者をつとめた、おさらば3人組、ナナポン。コンサートが終わっても、また私たちの大好きなキャラクターに再会することができてとても嬉しかったです。

 赤と白に飾り付けされた音楽室に、家族全員ぎゅうぎゅうになりながらも集まると、その熱気でとても暖かいし、今は夜だというのに、音楽室の中だけ、時間が止まって、これから1日が始まるのではないかと思えました。

 オープニングは、実行委員さんによる寸劇です。あれ、このセリフ、どこかで聞いたことがあるような……。
「今から出場を取り消すわけにはいかないし、どうやったってプログラムは作り直せない。だから、私は、紅白歌合戦で歌ってやると決めたんだ!!」

 

 とうこさん、ギブソンならぬギブソングのりゅうさんが、コンサートをもじって、紅白歌合戦に込める熱意を叫んでくれて、会場から大きな拍手と笑いがわき起こりました。

「この会場に集まったみんなが、たった一度の2022年紅白歌合戦を思い切り楽しめるように、みんなの殻を粉々にして、宇宙のかなたへ連れて行け!!」
 2022年、NHF紅白歌合戦、いよいよ開幕です!

 

 

 10日前、全ては始まりました。朝食前にみんながリビングに集まって、実行委員さんからのチーム発表を聞きました。私は、のんちゃんチームで、『シヴァーズ』を歌うことになりました。初めての顔合わせにもかかわらず、リーダーののんちゃんが、もうアイデアを持ってきてくれました。

 それは、悪(ワル)のチームになって、今年1年の失敗談を、さもさもわざとしてやったんだぜ、と言う集会を開く、というものでした。そのアイデアを聞いているだけでも、とてもワクワクした気持ちになりました。

 しかし、いざ自分達のやらかしてしまった失敗を挙げて、寸劇の脚本が出来上がると、本当にこれをみんなに見せても良いのだろうか……。という気持ちになりました。寸劇に出てくるセリフは、羽目をはずしてちょっと不良じみた口調になっていて、廊下をみんながにこっとしてすれ違ってくれるたびに、ああ、自分はこんな言葉を言ったらもう二度とこの温かい関係が取れなくなってしまうのではないか……と心配になりました。

 

〈黒を基調にした衣装で、寸劇にも力を入れた、本番の『シヴァーズ』〉

 

 そんな時、お父さんがみんなに、「殻を破る」とはどういうことかを話してくれました。殻を破る、とはこれまで自分を構成してきたキャラクターが崩壊することだと話してくれました。

 無意識のうちに、誰かから認められる人にならなくては、よい子でなければいけない、と思って周りからの評価に応えるような自分を演じてきてしまっていたなと気がつきました。よい子でなければ、見放されるのではないか、嫌われるのではないかという不安、それは、なのはなに来る前は本当にそうだったから、自分を守るために殻を作らざるを得なかったけれど、今は違います。なのはなに来て、お父さん、お母さん、たくさんの家族が、良いところも悪いところも全部受け入れてくれて、理解してくれています。だから、良い意味で、自分が隠そうとしても、全部みんなには見えているんだなあと思いました。それだったら、自分から、その殻を打ち破るだけです。

 そう思うと、勇気が湧いてきました。自分を守る必要は今は全くなくて、そしてたくさんの仲間も紅白という手段で壁を突破しようとしている機会なのだから、私もみんなの中に紛れて、破れかぶれで、思いっきりこれまで演じてみたことのない人を表現してみようと思いました。

 チームのみんなと練習を重ねていく度に、その役に心からなりきれて、とても楽しくなっていきました。そして、最初に感じていたような、周りの人からの評価が気になる気持ちもなくなっていき、心が軽く、楽になっていくような気がしました。

 

 

 もう一つ、有志チームで子供組のみんなと出場することになりました。最初は、『キュア・フォー・ミー』という曲だから、プリキュアになろう! と話していました。けれど、何気なくお父さんが言った一言で、その方針ががらっと変りました。

 チーム名は、「カラヤブリ隊」、あゆちゃんも一緒に来てくれて、波瀾万丈の衣装考案でした。歴代の紅白でも、ここまで大胆で飛んでいて、カラを破れる衣装は絶対になかっただろう、と思うような、自分たちの美学に反する過激な衣装。子供組のみんなと、あゆちゃんと本番になる前からたくさん泣き笑いして、考えたり、制作物を作っている時間が本当に楽しかったです。当日が楽しみなような、来てほしくないような、複雑な気持ちに駈られながらも、何が何でもやりきりたい、みんなを楽しませたい、そう思えました。

 今年は練習時間が長くあって、その分もっと良くしよう、高めていくと見えてくる壁がたくさんありました。子供組チームは、30日の夜、脚本壊しが始まって、当日の朝から、新しく進化した脚本での練習をしました。もし本番で間違ったとしても、セリフを忘れても、この衣装で、この脚本でできる一回きりのステージを心の底から楽しもうと思いました。

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〈午後7時、紅白歌合戦の始まり。トップバッターとして、ゴージャスなドレスをまとった、なのはなの「ドリームガールズ」が登場!〉

 

 1回戦目は、「ドリームガールズ」と「見習いエンジェルス」チームの対戦でした。ドリームガールズのみんなが、青いロングドレスを着て、手作りの白いふわふわしたファーをつけて登場する姿が、とても綺麗でした。これから綺麗に歌ってくれるのかな、そう思っていたら、実際に『ア・レヴァ』に合わせて作られた替え歌が、ものすごく面白くてとても驚きました。歌っているみんなの表情がキラキラしていて、手の届かないスターのようなのに、その歌詞が自分たちの生活にとても近くて、ああ、一緒に生活している大好きな家族なんだな、一人ひとりを見てそう思いました。たくさん笑って、たくさん感動しました。

 

 

 続いて、背中に小さな羽根、頭にはふわふわした白い輪を付けて登場した見習いエンジェルズ達。姿を見ているだけでも癒やされていきました。でも、そんな可愛いエンジェルズ達も、失敗でエンジェルをやめてしまいそうになるときも。

 エンジェルのみんなの心の内を聞いて、それは私も同じだなと共感することがたくさんありました。それでも、自分に与えられた使命を胸に、笑顔で前を向いて生きていくんだと、立ち上がる天使達が、可愛いけれど、とてもかっこよかったです。そして、私も天使達にたくさん勇気をもらいました。

 

 2回戦目のプログラムには「7腸目の心のみなさん」「視床下部の定例会」という2つのチーム名。プログラムを見るだけでも、どんな展開が待ち受けているのか予想が立てられなくて、とてもワクワクした気持ちになりました。

 思い返せば、「宇宙と人体」をテーマに上演した2022年ウィンターコンサートで、人間の心とは小腸にあるということが明かされ、住所を表す1丁目とかけて、「1腸目から8腸目までの間に、心のみなさんがいる」というセリフがありました。
 ならば、その「心のみなさん」は身体の中でどんな仕事をしているのか……。

 

 

 そして、おさらば3人組が出会った視床下部。「私も視床下部の仲間に聞いているのですが……」何気なく繋がっていた会話。え? 視床下部は他の視床下部と話が出来るの!?

 私たちで演じて、演奏して、作ってきた脚本だけれど、何気なく流していた疑問。その疑問への答えが、紅白歌合戦で明らかになりました。

 どちらのチームも、非日常でぶっ飛んでいて、だけどずっとその世界があったかのように思えるのが不思議だなあと思いました。私たちには接点がないようだけれど、ステージで繰り広げられる寸劇は、全部私たちの身体の中で起こっていることで、他人事のように思えませんでした。

 

〈『ザ・シード』にのせて歌い、踊る“心のみなさん”〉

 

 「視床下部の定例会」では5人の視床下部さん達が、自分たちで母、父、子供となって楽しく温かい思い出ファイルを作ろう! と寸劇をしてくれました。でも、どれもこれも、失敗して上手くいかない。でも、その失敗にみんなをお腹を抱えて笑って、そして涙が出てきました。

 

 愛情の思い出ファイルは、完璧なものでなくていい。上手くいかないことがあって、失敗があったとしても、それが誰も良かれの気持ちでしたことであれば、それは十分、温かな思い出ファイルに出来るのだということ。視床下部さんの強くて優しい言葉、まなざしに心を打たれました。

 今、こうしてみんなと過ごせる時間、笑い合える時間が、本当はとても恵まれていて、尊いことなんだと思いました。上手くいかなかったとしても、間違ったとしても、それが楽しくて、みんなとかけがえの思い出を作ることが出来るのだと思いました。

 

 

 前半ラストの対戦は、私たちの出番があります。緊張した気持ちで、赤組の「夜の古吉野」チームを見ました。
奇妙なBGMが流れたと思えば、暗い音楽室から勢いよくガラッと入ってきたのは、思いがけずゴージャスなドレスを着たさきちゃん。しかし、発した一言目は……「私は靴下」!?

 

 

 一人ひとりが靴下になり、体育館となり、みそ汁鍋となり、古吉野のいろいろな“物”となって演技しているみんなが、とても生き生きとしていました。なのはなのみんなに大切に使ってほしい、と語る、その切実な願いがぐさっとダイレクトに入ってきて、思わず、そうだそうだ! と応援したくなりました。

 

 

 私たちの出番になって、ステージに上がると、これまで感じていた緊張がすっと消えて、みんなが協力的に応援してくれているような気持ちになりました。思い切って、大きな声でセリフを言うと、みんながそれ以上の大きな笑い声を上げて笑ってくれて、手を叩いてくれました。私の失敗談を、一緒になって笑い飛ばして、そしてこれから変っていく自分を大きく包み込んでもらっているような気持ちになりました。

 

 

 本番になって、初めてその役になりきって、やりきった、と思えました。みんなが、1枚も2枚も、カラを破ってくれました。歌い終わって、大きな拍手に包まれながら、チームメンバーと顔を合わせると、みんな笑っていました。とても心がみたされていくのを感じました。

 

 

 後半の子供組チームは、本番で、初めて衣装をみんなで着ました。衣装を着て、みんなの前に出るだけで、「バリッ!!」と自分の中で音が出るぐらい、カラが破けました。とても勇気のいることでした。でも、ここまで来たからやるしかない!!

 子供組のみんながいたから出来たことだなあと思います。みんなが私たちの傷になってきたことも全部笑って、とばしてくれて、本当にステージに立てて良かったと思えました。子供組のみんなと一緒に、紅白歌合戦の歴史をまた一つ作ることが出来たと思いました。上手くいかなかったこと、大変だったことも、チームのみんなと味わって、本番は一瞬だけれど、私にとっては永遠になる思い出ファイルを作ることが出来ました。

 

 

 少しフライングしましたが、次は後半です!

(りな)

 

〈お父さんお母さんが判定!〉