12月24日
昨日建ててくれたお餅つきの白いテントが、どこにあるのかわからなくなってしまうくらい、外は真っ白な世界が広がっていました。
雪も降って、ホワイトクリスマスイブです。
そんな今日は、ずっと楽しみにしていた、お餅つき大会でした。
なのはなの友の会の方々や、お仕事組さん、家族みんなが集まって、たくさんのお餅をつくことができました。
昨年より少し量が増えたそうで、36臼ほどついたと聞きました。それも家族みんなが居たらあっという間で、ほかほか蒸気を上げるお米が粘り出してきて、ツヤのあるひとかたまりのお餅になるのが、何回ついても、うれしくなりました。
テントのすぐ外は雪が舞っているけれど、テントの中は、「誰でもどうぞ!」の、あたたかい空間が広がっていました。
誰がついても、誰が見守っていても、「よいしょ!」と応援の声が飛び交っていて、いつまでもにぎやかでした。
体育館に運ばれたお餅に、わっと集まって、みんなで丸めていきました。
丸餅は、ずっと触っていたいくらいふわふわしていて真っ白で、赤ちゃんのほっぺのようでした。
豆餅は、黒豆が入ってグレーの色をして、どんと鉄板に乗せられている姿は、なんだかゴマアザラシのようでした。
今年は作り方が少し変わって、こねるだけでつかずに、黒豆を混ぜ込んで完成ということになりました。よしみちゃんやりゅうさんが、腰の入った姿勢で、粘りのあるお餅に黒豆を混ぜ込んでいってくれました。
完成した豆餅は、均等に綺麗な形の黒豆が入っていて「大成功だ!」と感じました。
そして、新しく加わったピーナツ餅です。みんなで作った落花生の、いい香りがしました。
お餅がずらっと箱に並べられているのを見て、「ああ、新年が待ち遠しいね!」と言い合っていました。お米作りから始まって、家族みんなの思いがこもったお餅は、見るからに美味しそうで、かわいくて、愛おしかったです。
午後にも、お楽しみが待っていてくれました。これも毎年恒例の、しめ縄作りです。
みんなでワラの山を囲んで、やり方を確認し合いながら、縄をなっていきました。
わたしの記憶のなかには、背中を屈めて黙々と縄をなう、盛男おじいちゃんの姿がありました。
「おじいちゃん、すごく綺麗に縄をなっていたな」「おじいちゃん、自分で作ったものをわたしに渡してくれたなあ」。おじいちゃんのこと、おじいちゃんが教えてくれたことを思い出しながら、手を動かしていました。
不器用だけれど、初めて作ったときより、確実にきれいに作れるようになってきているのを感じました。こうやってみんなで伝えあって、伝統的なお正月のお祝い飾りを作り続けられることが、ありがたいです。
夜にも、お楽しみは続きました。あたたかいチキンライスと、なのはな北京ダック、かぼちゃのパウンドケーキといった、特別なクリスマスメニューが食卓に並びました。
「お母さんが小さい頃から、クリスマスの夜はいつもチキンライスを食べていたんだよ」
お母さんが毎年話してくださるこの話から始まって、こうやってクリスマスやお正月、家族みんなで同じように過ごせる時間があたたかいです。
なのはなに来るまで、1年が始まって終わるとき、わたしの隣にはいつも恐怖がありました。
「先に待っている楽しみ」の気持ちがあまりに少なくて、むしろ「先を恐れる不安」の気持ちでいっぱいでした。
なのはなのみんなが受け継いでいってくれているから、今わたしたちの1番しあわせな時間があるんだな、と思います。
なのはなのみんなが居てくれるから、1年の終わりも始まりも、1年間のいつどの季節をとっても、待ち遠しくてたまらないくらいの希望と期待で、わたしは過ごすことができます。
本当に、得難いことだなあと感じます。
「こんなに1日中しあわせで、いいのかな」
そう思って涙が出てきてしまうくらい、宝物のような時間でした。
明日はクリスマスです。サンタさんを楽しみに、ぐっすり眠ります。