【12月号③】「演奏する喜びを感じながら ―― アンサンブル練習&夜の発表会 ――」あんな

   
 ウィンターコンサートに向けて、アンサンブルの練習をしています。

 サックス、トランペット、トロンボーン、複数のパーカッションなどで構成する、なのはなのアンサンブル演奏。コンサートなどのステージで、さとみちゃんを中心に、美しく、華やかで、洗練された、煌びやかな演奏を奏でてくれるイメージがあり、私は以前から管楽器アンサンブル演奏にとても憧れていて、私も是非、入れてもらいたい、一緒に演奏できたら嬉しいと思っていたのですが、今回、その願いが叶いました。

 十月半ばから、「ビッグバンド演奏、アンサンブル部」で、アンサンブル曲の選曲や楽譜の準備をして、十月下旬から練習に入りました。

 ちなみに私は今回のウィンターコンサートで、さとみちゃん、ほしちゃんと一緒に「ビッグバンド演奏、アンサンブル部」をさせてもらうことになって、私にとっては新鮮で、とても嬉しかったです。

 選曲については、部活動の三人でぞれぞれ、この曲はどうかな? というのを持ち寄ったり、コンサートのざっくりとしたイメージを思いながら、候補曲を探しました。たくさんの曲の中から、編成や難易度も考えて、これという曲を見つけるのは、難しく感じましたが、さとみちゃんやあゆちゃんが中心に考えてくれたりして、お父さんお母さんにも聴いてもらい、決定しました。

 以前、なのはなで演奏したことのある曲も含めた、五曲をすることになりました。
 なのはなファミリーでは、一人一つ以上、楽器を担当しています。私は、トランペットをさせてもらっています。
 アンサンブルでは、私は五曲とも演奏させてもらうことになり、嬉しくてたまりませんでした。

■心の交流

 お父さんが、音楽は、演奏する側と聴く人の間に生まれると、よく話してくれます。

 楽器で演奏ができること、一緒に音楽を奏でたり作る仲間がいること、それをまだ見ぬお客さんに聴いてもらえること、そのことが、幸せだと感じます。
  
  
 また、アンサンブルの何が楽しいのかと思ったとき、違う楽器の違う旋律が合わさって絶妙なハーモニーが生まれることや、メンバーと気持ちを合わせたり、お互いに沿わせたりして音を合わせていく瞬間、何とも言えない嬉しい感覚になります。

 音が重なるとき、普段、話をしたりするのとは別の、心の交流をしているように感じて嬉しくなります。
 まずは個人で自分のパートの譜読みをそれぞれが進めて、夜の時間や、取れるときには日中の時間も使い、合わせの練習に入っていきました。

 劇の通し練習に向けて、曲を形にするために、さとみちゃんを中心に、部活動の時間に練習計画を立てて、進めていきました。

 集まって練習するときには、さとみちゃんが強弱や吹き方などの表情をつけることや、どうつけたらいいかを、みんなに伝えてくれました。いつも、さとみちゃんの中には美しいあるべき形のイメージがあって、発見が多くて、ありがたかったです。

 あるときは、それぞれの人のピッチがずれてしまっているということや、各楽器の音の大きさを揃えるということや、強弱の振れ幅をはっきりつけることなど、気づかせてもらって、みんなで精度を上げて、表情をつけていくと、曲にぐっと深みが出ていくことを感じました。曲を作っていく時間が、密度が濃くて、とても楽しいと感じます。

 十一月十二日、初めての劇の通し練習がありました。アンサンブル演奏は、正直、完成度が低いように感じました。

 練習時間が足りていないことが原因で、さとみちゃんがそれを改善するための、素敵なアイデアを考えてくれました。それは、夜の集合で、管楽器アンサンブルメンバーは、一人一曲、好きな曲を選んで、はじめから最後まで自分のパートをソロで披露する、というものです。

この話をさとみちゃんが笑顔でしてくれたとき、素晴らしい試みだなと思ったのと同時に、楽しい気持ちと、緊張の入り混じった、とにかくわくわくした気持ちになりました。

■ソロステージ

 目的は、そのソロステージに向けて、それぞれが練習に励むことです。
 このソロステージは一日に二人ずつ五日間にわたって行われることになりました。

 それからみんな必死で練習しているのを感じました。
 自分のことを言うと、トランペットパートはメロディラインを担当することが多いのですが、十二日の通しのときには、いざ人前に立つと、私はそのうちの半分くらいしか吹けなかったし、人前で堂々と上手に高らかに吹くことになぜだか気が引けてしまいました。だから一人でみんなの前で演奏するのは、とても良い機会だと思い、ありがたかったです。

 初日はさとみちゃん、ゆりかちゃんが、リビングで曲を披露してくれました。
 ゆりかちゃんが『遊び歌』、さとみちゃんは『サンバ・テンペラード』。二人とも、演奏している姿がかっこよくて、音色に迫力があって、勇気をもらいました。演奏が終わると、大きな拍手が生まれました。

 その日、音楽室で夜にアンサンブルのメンバーで曲を合わせる練習をして、終わったあと、さとみちゃんが
「あんなちゃん、何演奏するの?」
 と訊いてくれました。私は翌日がいよいよソロステージの日なのでした。

「『剣の舞』か、『サンバ・テンペラード』のどちらかで迷っているんだ」
 と話したところ、
「あんなちゃん、サンバテンペラードは休み(演奏しない箇所)が多いよね」
 という言葉に後押ししてもらい、『剣の舞』に決定しました。

 そして当日。
 この日はお父さんお母さんが脚本の調整をされていたので、集合なしで、体育館でダンスの合わせをして、そのまま解散だったため、体育館のダンススペースの真ん中で演奏することになりました。みんながズラッと並んで座ってくれて、立派なステージがありがたいやら嬉しいやら緊張するやらで、ともかく、トランペットを持って笑顔でみんなの前に立ちました。
  
  
 私は初っ端から音を外して止まってしまい、「もう一度やります」と言ったのですが、みんなが笑って受け入れてくれて、あゆちゃんが、「カウント言おうか?」と声をかけてくれて、お願いしました。あゆちゃんの、「カチ、カチ、カチ、カチ」で、すっと演奏に入ることができて、そのあとも曲が終わるまでずっと、みんなが手拍子で拍を取ってくれました。みんなの気持ちとか、笑顔が暖かくて、安心して、できる精一杯を出して演奏することができました。

 曲が終わったとき、みんなが笑顔で大きな拍手をしてくれました。とても嬉しくて、ありがたかったです。この日、みんなの前で演奏したことで、度胸ができた感じがします。

 その後も、体育館、もしくはリビングで、一人ずつのソロステージが行われました。この企画は奏者にとっても、みんなにとっても、嬉しい気持ちになるものでした。

 アンサンブルの演奏は、その後も、練習を重ねています。
 劇中で効果的になるように動きをつける曲もあるので、その練習や確認をしたり、完成度も上げられるように各個人での練習も引き続きしています。コンサートが近くなってくると、集まってアンサンブルの練習をする時間が取りにくくなるので、一回一回の合わせる時間が貴重で、嬉しく大切な時間になっています。

 一方で、曲の前後の劇との繋がりで、どういうふうな気持ちで演奏するか、次のシーンにバトンタッチするか、ということも、話したり、確認する時間も、曲を演奏する奥行きになっていくことを感じます。

 曲が、自分たちのものになっていくことを感じます。
 コンサートまで高めていきたいです。

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『オーバーパス・グラフィティ』と『エンジェルス』のダンスの振り入れをしました!
  

 卒業生ののんちゃんから新曲2曲の振り入れをしてもらいました。
 『オーバーパス・グラフィティ』は大人数で踊ります。「人体と宇宙」がテーマの今回の劇のシーンにぴったりな、ダンサーが体内の細胞になったようにクルクルと回転するコミカルな動きやフォーメーション移動が見所です。
  
  
 『エンジェルス』はボーカルのまなかちゃんを中心に、4人のダンサーが天使のように舞い踊ります。
 ウィンターコンサートで披露する全曲のダンスの振り入れが完了し、細部を揃えることを意識して、本番まで取り組んでいきます!