
12月10日のなのはな
ホール入りまであと2日、今日は、古吉野なのはなで通し練習が出来る最後の2回のうちの、1回でした。もう、今日と明日が過ぎたらホールの中での場見りや、調整があるのだと思うと、とても気持ちが引き締まる思いがしました。体育館ではあるけれど、満員の660人のお客さんがいる、ホールのステージ、舞台袖をイメージして、これが本番でもいい、そう思えるような通しにしたいと思いました。
何度も通し練習をしてきて、全体の中での自分の動きは、一つひとつ確認せずとも自然と動くことが出来るようになっていました。しかし、それでも時間の差し迫った衣装の早着替えがあったり、間違えやすい箇所があって、いつでもベストパフォーマンスで出来る保証はありません。それでも、保証を求めて怯えるのではなく、出来ても、出来なくても、その途中経過も全てさらけ出して表現しよう、そう思うと心配が吹き飛びました。全体で伝えたいことがたった一つあって、それをお客さんに伝えて、広げていく一つの材料になるんだ、自分一人ではなく、みんなと一緒に一つのアートを作るんだ、と思うと仲間の存在がとても心強くて、勇気が湧きました。
ホール入りしてから必要なのは、スピード感だよ、とお父さんが以前話してくださりました。時間を守って時間になったら誰もがすぐに集まってくる、自分の立ち位置に迷いなくすぐに立つことが出来る、手際よく舞台背景や照明のセットをする…。当たり前のことを当たり前のようにきちんとすることが、何よりも大切なのだと知りました。古吉野での通しでも、ホールにいる時と同じスピード感、緊張感を持っていたいと思いました。余裕のある時でも、衣装はなるべく早く着替えて出番をスタンバイする、衣装はすぐに元の場所に戻す…。当たり前だからこそ忘れそうな身の回りのことから整えて、雑味を消していきました。
舞台袖で待機している時でも、ステージに気持ちを切らすことなく、すっと物語の世界に入り込める感覚がありました。演劇が前回の通しよりもよりパワーアップしていたり、同じ舞台袖で待機しているみんなの空気感が、ステージと一体になっていたからでした。
また、大竹さんが作ってくださった大道具が、劇の中で登場することで、視覚的にも分かりやすくて、より役者のみんなの言葉が理解しやすかったり、とても印象に残る場面になりました。
通しをしている時間が、これまでよりもとても短く感じました。今出来るベストは出し尽くした、そう思える通しでした。通しが終わったあと、「感動できるものになってきたよ」、そうお父さんが話してくださった時、とても嬉しく思いました。今からスタートだと思いました。今から、積み上げていきたいと思いました。
舞台背景では、布の仕込みをしました。ホールの吊りバトンに、三色の布と、大きな丸い飾りを吊ります。デザイン図では、三色の布が、天井からバンドメンバーのステージまで、天の川のように斜めに掛かっていて、その真ん中に丸い飾りが付くものでした。どうしたら布のドレープを綺麗に作ることが出来るか、縮尺図を見て実際の長さを求めながら、作業メンバーのみんなと一緒に、試行錯誤しました。
体育館の床に、水色、青色、紫色の三色の布が並べられているだけでもとても綺麗だったし、波が出来るとさらに綺麗に見えました。綺麗に束ねて、すぐにホールで取り付ける準備が出来ました。吊って、重力が掛かっても、体育館で再現した通り、上手く出来たらいいなあと思いました。
(りな)
