「成長する旅」 ななほ

11月25日

 今日も本番、いつも本番をテーマに過ごしていると、ウィンターコンサートに向かう過程だけではなく、自分の人生をちゃんと生きるには、練習ということがないんだなと感じます。
  昨夜、お父さんがサッカー選手のインタビューの話しから、「自分はできる、自分しかいない」という気持ちで向かっていたら、本当にそうなってしまうし、何か締め切りがあるようなことでも、そんな風に精一杯で向かっていたら、時間が長くなり、それを乗り越えられるようになっている、と話してくださり、嬉しかったです。 
 私はつい、忙しくなったり、緊張や不安があると、自分を追い込むように作業やダンス、任されていることに向かってしまい、自分はできるという自身とか、信じる気持ちを忘れてしまうことがあるけれど、いつもお母さんが言うように、前向きなところにしか答えはないのだと改めて思いました。 
 人生において、保証のあることは1つもないけれど、怖がらずに挑戦する気持ちで日々を過ごしていたいです。

  また、話は変わってしまうのですが、先日のハウスミーティングや夜の集合でのお話も印象に残りました。 
 ウィンターコンサートの脚本で移民が出てくるシーンがあるのですが、今の時代の移民は、豊かさを求めて、もっとお金持ちになりたい、もっと楽な暮らしをしたい、アメリカに行けば得をすると思って国境を越えて、アメリカに行くけれど、そこには本当の幸せはないとお父さんが話してくれて嬉しかったです。 
 環境が変わったら幸せになれる、お金があったら幸せになれる、権利や地位、学歴、容姿など、自分にはない何かを手に入れたら幸せになれるというのはいつまでも、青い鳥探しで、幸せは今、この瞬間にしかないし、感じられないのだと思いました。
  私も小さい頃から、勉強ができたら、よい高校に入ったらと思って今を犠牲に、我慢してきたり、ずっと心の中で(私は今、幸せじゃなくてもいい。私は我慢が上手なんだと思ってきたけれど、それだから苦しかったんだなと感じます。
  今、幸せを感じながら生きること。今、誰かといることを楽しんで、好きなことを好きと思い、嬉しいことを真っ正面から感じることが本当に幸せなんだなと思うし、なのはなでの生活はその喜びをいつも感じられるなと思いました。 
 今日は日中に畑作業もあったのですが、限られた時間で終わらせるぞと強い気持ちで畑に向かい、昼食時間ぴったりに、古吉野の坂を上がり、帰ってこられた時の達成感や、周りのみんなの笑顔が目に焼き付いています。 

 また、夕方、グラウンドを見ると永禮さんや永禮さんの娘さんであるあやかさんの姿があって、夕食の時にあやかさんも「チームなのはな あやか」と刺繍されたポロシャツを着ていたと聞いて、それだけで温かい気持ちになりました。
  練習ももちろん、厳しい部分や自分のできていなさに情けなくなったり、自分の思う理想に届かないとき、あるいはもっと真剣に向かわないといけないなと感じる時もあるのですが、その全部が、コンサートの過程で、治る過程でもあると思うと、自分にとってプラスのことも、マイナスなこともいつか絶対、いいようになるんだ、いいようにしてやるぞ、という気持ちになれます。 
 最近は特に、演劇練習が楽しくて、そのシーンで1番伝えたいことは何かを考えながら、主要役者のみんなと動きを考えたり、自分たちはどう思っているのかを考えたりするのはとても楽しく、濃い時間です。 
 本当に、みんなと答えを見つけ、答えを自分の中に刻み、成長する旅をしているようです。

  朝や夜の時間もお仕事に行く前のなおちゃんと練習をしたり、昨夜も「明日は、博士に組み体操を見てもらうんだ!」と思うと、楽しい気持ちでぐっすりと眠れたり、演劇練習をしていても、時々笑い転げてしまうくらい、さきちゃんものんちゃんも、ただ一緒にいるだけでとても愉快です。
  また、練習が足りていないなと感じていた太鼓とアコーステックギターも、毎朝、習慣練習をして積み上げていけることが嬉しいです。 
 それに、今日も新しい脚本が届いていて、こんな風に何度も何度も、お父さんとお母さんがよりお客さんにも、そして私たちにも分かりやすく、伝わりやすく、面白い脚本をと台詞やシーンを足したり、引いたりしてくださっていて、本当になのはなのコンサートは、みんなで作るコンサートなんだなということを感じます。
  演劇も、ダンスも、演奏もアンサンブルも、係りも、それぞれの力が合わさって初めて、コンサートができるのを感じます。  私は何の能力もできることも限られていて、ものすごく不器用なのですが、今日もまえちゃんたちがピンマイクの設定などをしてくれていたり、舞台背景の方も進んでいたり、須原さんとさくらちゃんがもみすり小屋にビニールを貼って作業場を作っていたり、あゆちゃんの着るスカイフォールのドレスを作っていたりしています。
  かにちゃんも照明台本を作っていたり、なっちゃんはカメラ台本を作っていたり、ちさとちゃんたちがチラシの折り込みに行っていたり、そんな風に各分野のプロフェッショナルがいることや、全部自分たちの手で1から作るコンサートは、なのはなの子である私にとって、その過程も成功体験とか、相手を好きな気持ち、尊敬する気持ち、みんなと協力する喜びを教えてくれるなと感じます。 本当はまだまだ、書きたいことはあるのですが、明日の通し練習に向けて、今からさきちゃん、のんちゃん、やよいちゃんたちと演劇練習に行ってきます。