11月15日(火)「『剣の舞』に物語を込めて & 『ザ・プロフェッツ・ソング』全体を美しく見せるために」

11月15日のなのはな

 管楽器8人と打楽器3人のアンサンブル『剣の舞』の練習は、初めてフルメンバーが揃った貴重な時間でした。
 アクセントの音の前後を小さい音にすると、アクセントがくっきりと浮き立ち、曲の良さが引き立ってきたことを、みんなで感じられました。

 ピッチを揃え、音量の意識を揃え、音を出すタイミングを揃え、まとまりのある演奏に近付けることができました。初めは、半音でぶつかる音を吹くフレーズに違和感があったけれど、他の部分の演奏が整ってくると、その不協和音がとても良い味を出すものになっていて、その変化が嬉しかったです。

 

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『剣の舞』は、戦争中の国からの圧力や無理難題に苦しむ中、作曲者ハチャトゥリアンが一晩で完成させた曲で、サックス奏者の友人が徴兵させられないよう、サックスのソロを作る、という優しさがあったり、祖国アルメニア民族の音楽が盛り込まれていたりと、閉塞的な中でも、音楽で意志を語る、というこの曲に込められた思いを、ゆりかちゃんから教えてもらいました。

 曲の心がわかると、みんなの演奏も一段と意味のある、意志の揃ったものに近付いてきました。密度の濃い、ドラマの詰まった曲をみんなで形にして、コンサートで演奏できることが嬉しいです。

 

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 また、夜の集合の時間に、アンサンブルメンバーは1人ずつ自分の演奏を1曲披露する、という企画が今週から始まりました。私は初日の発表で『サンバ・テンペラード』の演奏をさせてもらいました。
 みんなの前で演奏させてもらい、もっと練習しなければいけない部分が見えたり、緊張感の中で演奏する感覚をコンサート前に経験させてもらえたので、とても良い練習になったと思います。

 

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〈今夜は体育館で、トランペットのあんなちゃんが『剣の舞』を、トロンボーンのえつこちゃんが『遊び歌』を披露してくれました〉

 

 何より、普段は、他のメンバーが伴奏でリズムキープしていてくれたり、他のパートのフレーズを合図に、自分の演奏するタイミングを計っていたりするので、1人で演奏するのはとても難しくて、やっぱり、みんながいてこそのアンサンブル演奏なんだな、と感じました。
 このドキドキの企画で、今週、アンサンブルメンバーは浮き浮きと緊張を楽しんでいます。

(さとみ)

 

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 テーマは『崇高な秩序』。
 今日は午後の1時間半の時間を使って、『ザ・プロフェッツ・ソング』のダンス練習を、あゆちゃんとダンスメンバーで行いました。

 テーマをそのままに、フラダンスメンバーは、全員でこの曲にふさわしい、モラルの高い、完全な秩序を表現します。
 全員が、まるでそれが当たり前のように、一つと違わず同じ動きをし、まるで1本の糸で繋がっているように、一列が同じ角度で、同じ足運びで移動をします。
 一歩に、全神経を張り巡らせ、わたしたちは全員で一つの生き物となります。

 

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 あゆちゃんとみんなと秩序を作る時間は、あっという間でした。
 どうすれば、美しい列のまま移動できるか、その秩序をあゆちゃんとみんなで考え、作り出されると、全員が、それに忠実であろうと、周囲にセンサーを張って、一つの動きに緊張感を持ちます。

 一つひとつの動きは難しくはないけれど、20人ほどいるメンバー、全員が全員、全く同じ動きをしている、そう見せることが、何よりも難しく、しかし、何よりも見ている人を感動させると思います。

 2メートルの距離を、ヘラというフラダンスのステップをしながら5歩で進む練習をしたときの、隣のひろこちゃんと繋がっている感覚や、後ろのみんなが、自分と全く同じ動きをしていることを感じると、その整理された、無駄のない、雑味のない空気感に埋もれることが、とても心地よかったです。

 

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 ジグザグに移動をするにしても、常に縦一列は一糸乱れず、横の列とは平行移動をします。まるでマスのない、感覚だけのマスゲームですが、あゆちゃんが、「自分たちだから、そろえることが出来るんだよ」と話してくれました。

 自分が一人飛び出ることよりも、みんなの中に埋もれながら、全体を綺麗に魅せる一人である誇りや、喜び、そういうことを全員が大事に思えるのは、わたしたちが同じ傷を持って、本能に適った、優しい生き方をしたいと願っているからだと思います。
 わたしたちに血縁関係は無いけれど、それ以上の理解や愛情をお互いに持っている家族であり、仲間です。

 

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〈間奏で千手観音のダンスを踊るチームは、映像を撮り客観的に動きを見ながら、踊りを整えていきました〉

 

 『プロフェッツ・ソング』は、全員が同じ衣装で、誰が誰だかわかりません。
 でも、それが良いのだと思います。
 誰が誰でもよくて、ただ、わたしたちが属する一つの生き物が美しく見えることだけが尊い、と感じます。
 わたしたちの表現する『秩序』を通して、コンサートに来てくださったお客さんの心に、何か一つ、大切な気持ちを伝えられるように、明日も練習に向かっていきたいです。

(なつみ)

 

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〈引き続き、小豆の莢出し中。今日は『オーバーパス・グラフィティ』などのコーラスを練習しながら莢を踏んでいきました〉
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〈野畑では、白カブが成長しています〉
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〈玄関では、ヒイラギの白い花が、ジャスミン茶のような良い香りをはなっています〉

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