
永遠は一瞬、一瞬は永遠、物語の世界へ!
ウィンターコンサートまで36日となり、ダンス・バンド・コーラス・係り活動に加え、演劇の方も本格的に練習が始まりました。
今年の4月に『宇宙』をテーマに行ったスプリングコンサートからの続編でもある、ウィンターコンサート。
ウィンターコンサートの舞台は、『人体』。
市ヶ谷博士、おさらば3人組、ナナポンたちは、人間の心とはどこにあるのか。そして、どうしたら道を間違えないか、愛の世界を作っていけるかを見つける旅に出ます。
今日から2日間に渡って行われる音楽合宿第4弾では、初めての通し練習が予定されています。この日は、通し練習に向けて、劇と曲、ダンスの出はけの確認や、お父さんに指導してもらいながらの演劇練習をしました。
私は『ナナポン』という役として、人体の世界を巡ります。
人体の世界では、様々な仕事をしている細胞、臓器などが登場し、主要役者以外でもユニークな登場人物がたくさん出てきます。
通し練習があるということで、ここ数日は夜の8時半から10時まで各シーンの演劇練習をシーンごとに進めていたのですが、今日の出はけの確認では、それぞれで形にしてきた演劇のシーンや、ダンス・アンサンブル曲がつながり、自分の中で流れがつかめていくのを感じました。
出はけの練習では、コンサート本番をイメージして、表情と気持ちを作って向かいます。
ステージの、1幕、2幕、3幕とどの幕からダンサーが出て、役者が出はけするのかを頭に入れて、ステージ上で上手に気持ちのバトンタッチができるように、私もとても緊張したのですが、この日でしっかり、流れを自分の中に入れようと気持ちが引き締まりました。
あゆちゃんが、「その曲の前後のシーンや、台詞を頭にイメージしたうえで、そのシーンの気持ちを乗せた表情を作り、舞台を回していくんだよ」と話してくれて、私もその気持ちを常に持ち続けたいと思いました。
いつでも見せる意識、見られている意識を持って、舞台袖にいる間もステージに立っている人に気持ちを向け続けること。
前回のコンサートの時に感じた、(伝わる人には伝わるんだ)という愛に包まれた温かい気持ちを胸に、練習の時からホールいっぱいに入ったお客さんや、なのはなの空気、なのはなで伝えている考え方、価値感を求めている人。そして、出会うべくして出会うまだ見ぬ誰かという仲間をイメージして、私も表現者としてなのはなのコンサートを作る1人でいたいです。
出はけは本当に小さな間の取り方、タイミングでそのシーンの空気を明るくしたり、重くしたり、印象的なものにします。
役者も、そのシーンによって余韻を残しながらはけたり、正面を見てはけたり、私たちの間では「すっとはけ」「クルクルはけ」、時に「ムーンウォークはけ!?」と呼んでいるはけ方などもあるのですが、役者のみんなと「このシーンは、正面を見たまま、2歩下がってからはけたらいいかな」と話しながら、はけ方もシーンに合うように考える時間はとても楽しいです。
ステージ上での出はけとか、間の取り方、立ち位置を考えたとき、日常生活の中でもその時その時で、誰を立たせる場面なのか、自分はどこまで出て、どこを引くべきなのかなどにも繋がっているような感じがして、博士たちと旅をしながらも、ナナポンという役を通して、あるべき社会性や人間関係、心の距離感を教えてもらっているような気持ちになりました。
そして、午後からはお父さんに見てもらいながら、21シーンある内の9シーンの演劇を見てもらいました。
最初は、家族が出てくるシーンの練習を見てもらったのですが、その時にお父さんが「この子供は、こんな気持ちだからあっちを向いたまま……」とか、「あまり好きではない、関わりたくないと思っているときは、自然と顔が相手と反対に向くんだよ」などとそのシーンに出てくる役者のみんなに話してくれて、お父さんの言葉で、そのシーンがより、奥行きが深く、その人物たちの心情が見えてくるように感じました。
また、目線の向きや身体の角度などもお父さんから細かく教えてもらい、自分が今まで曖昧にしていた部分や、どこに気持ちを向けたらいいのか分からなかった部分も明確になっていくのを感じました。
お父さんが書いてくださった脚本にある答えを、どうしたら第3者のお客さんに分かりやすく、そして時にコミカルに、共感しやすく伝えられるのかを、目線や表情からも表現できることが嬉しくて、やっぱり、『演じる』ことで、私自身が生きやすくなるのを感じました。

夜の時間も通し練習に向けて、ギターアンサンブルや太鼓の演奏が入るところの出はけを確認したり、それぞれの担当でダンス練習や、アンサンブルの練習、衣装考案などを進めています。
これからの時期は、個人個人でも練習スケジュールが異なってくるのですが、自動運転で自分の抜けがないか、何が足りていなくて、どんな練習が必要なのかを考えたいです。
気づいたら直す。教えてもらったところ、変わったところは次の合わせまでには修正する。その気持ちで、練習のための練習にせず、常に本番、常に最後の表現でもいいという気持ちでいます。
明日は初めての通し練習でとても緊張するところもあります。
でも、この物語で伝えたいたった1つの答え、私たちが生きるために必要で、私たちがずっと求めていた答えを今度は、私たちが劇や演奏、練習の時の空気感からも、コンサート当日に来てくださるお客さんに伝わるように、今できる精一杯で向かいます。
(ななほ)

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