【11月号⑨】「崖崩れ下ハウス三棟の修繕完了!」さくら

  
 長いあいだ野菜たちを守ってくれているビニールハウスの修繕を進めています。  九月二十一日から、須原さん中心に、崖崩れ道路側ハウスの修繕が始まりました。

 風や雪の影響で、半分から手前のアーチパイプが大きく歪んでしまっていました。アーチパイプの外側に棟や母屋の梁のパイプがついていて、水が溜まりやすくなっていました。

 アーチパイプは頂点のところで二本のパイプの先端をジョイントにはめ、ビスを打って繋げていますが、ビスがビニールに当たる場所に打ってあるため、ビニールが破れる原因になっていました。

 台風で大屋根のビニールが破れてしまったので、ビニールを張り替える機会に、骨組みの修正を行いました。  大きく歪んでいる北側のアーチパイプ十五本をグラウンドに運んで、「パイプベンダー台」を作り、修正しました。

 パイプベンダー台は、まず、作業台の馬に道板を渡して、その上にベニヤ板を張り、台を作りました。歪んでいないアーチパイプを台の上に置いて、油性マジックで型取りました。

 アーチパイプの歪んでいるところが修正できるように、型に合わせて、小さめの木材を台に取り付けました。これでパイプベンダー台が完成です。曲げる必要のあるところを取り付けた木材に当てて、人力で押して修正していきました。

 てこの原理を使ったら、人力でも形を変えることができるので、補強をしっかりしないと風や雪で歪んでしまうんだな、と納得しました。
  
  
 修正したアーチパイプをハウスに運び、土に差し込んでいきました。パイプを抜くときに、穴が埋まらないように竹や棒をさしておきました。その穴に別なパイプを入れて必要な深さを開け直し、アーチパイプの両端を、さやちゃんと片側ずつ持って差し込みました。水糸を張って高さが揃うように立てていきました。

 棟、母屋、側梁パイプを、ビニールが傷まないようアーチパイプの内側に入れ直しました。高さの印と横幅の五十センチピッチの印をして、まっすぐに取り付けられるようにしました。

 取り付けにはクロスワンという金具を使います。縦横十字に重なったところに金具をはめて、楔の金具をハンマーで打って固定します。

 金具は歪んで変形してしまっていても、ハンマーで叩くと修正することができて、頑丈だけれど形を変えることができることが、面白いなと思いました。

 アーチパイプと梁のパイプの間が隣のパイプとの関係で、広くなってしまうところが十数本あり、三人で押したり引いたりしても金具を取り付けられなかったのですが、須原さんがクランプを使うことを教えてくださり、取り付けることができて嬉しかったです。

 クランプは、固定するだけではなくて、今回のようにググっとものとものを締めていくことにも使うと知ることができて嬉しかったです。
  
  
 崖崩れハウス三棟の中で、北ハウスは、クロスバーで補強をしてあるため、アーチパイプが歪んでいませんでした。真ん中ハウス、道路側ハウスはクロスバーでの補強がありませんでした。

 クロスバーは、三本のパイプを繋げて八メートルほどにしたものを二本、中央でクロスさせて、ハウスの内壁となるアーチパイプに取り付けました。まっすぐなパイプを力で押してアーチパイプに添った形にすることで、外側に反発する力が働き、補強になります。

 大屋根のPOフィルムを張った後、妻面に被ってくる余分なフィルムをビニペットで止めました。ビニペットとビニペットの間隔が広くてフィルムが固定しきれずにヒラヒラしてしまうところは、短く切ったビニペットを足してスプリングで留めると、綺麗に固定することができて嬉しかったです。

 崖崩れハウスが三棟とも梨地のビニールハウスになり、古吉野なのはなからハウスに行く時に、土手の上から見る三棟が綺麗で、とても嬉しいです。