【11月号④】「卒業生の のんちゃんと理想へ向かう二日間」のん

  
 コンサートまで二か月を切って、緊張感も高揚感も増してきた週末、ウィンターコンサートへ向けた、第一弾の音楽合宿がありました。

 十月二十二日から二十三日にかけた合宿の、ダンスの目標は、『ビューティフル・ピープル』と『リカバリー』の完成。そして、この日に合わせて帰ってきてくれた、卒業生ののんちゃんに大人数ダンス三曲のブラッシュアップをしてもらうこと。

■高揚感と達成感

 二日ある音楽合宿の一日目には、『ビューティフル・ピープル』と『リカバリー』のブラッシュアップを、二日目には、のんちゃんに見てもらっての大人数ダンス三曲のブラッシュアップをしました。

 『ビューティフル・ピープル』は、ゆりかちゃんがフラダンスの振り付けをしてくれました。なのはなの誰もが覚える『フラガール』のフラダンスのように、みんなが踊れる曲にしよう、というお母さんの案で、大人数の編成で踊ります。

 歌の二番で、やよいちゃんと私を囲むようにみんなが輪になって踊ることになっています。合宿が始まる時点で、基本の振り付けは教えてもらっていたのですが、二番で輪になり踊るみんなの動きが、まだ未定でした。

 どうするのが一番良いか、ゆりかちゃんがいろいろ案を考えてくれていて、腕の角度やちょっとした配置を見ながら決めてくれました。
  

音楽合宿は準備体操や、2日間の目標をシートに記入するところから始まります。

  
 これで行こう、という振り付けが決まると、何度も踊りこんでいきます。この曲はコーラスも教えてもらっていて、歌いながら踊る練習も同時にしていきました。

 最初はコーラスもダンスも覚え立てで、歌いながら踊るなんてできるかなとドキドキしていましたが、いざやってみると、踊っていても、曲がかかると、コーラスは意外にも鼻歌を口ずさむように確かに出てきて、驚きました。

 逆に、ダンスも覚え立てでポーズとポーズとが繋がりにくいところは、このコーラスを歌っているときはこの動きだ、と思うことで、踊りやすくなる部分もありました。

 何度も何度も繰り返し通して、一日目の十二時十五分からはバンドの演奏と合わせて踊りました。すると、どんどん身体に歌も踊りも染みこんでいって、自分たちのものになっていくことを感じました。

 合わせを見たお母さんが、『ビューティフル・ピープル』のダンスを、「可愛いねぇ」と笑顔で言ってくれたことも嬉しかったし、そんな風に可愛くて、ゆったりとしたフラダンスを踊っているだけで、満たされた気持ちになりました。

 夜に、あゆちゃんに見てもらっての『リカバリー』のダンス練習をしました。今まで曲の頭から順番に見てもらっていて、見てもらったところをさらにバディ練習でブラッシュアップしてきて、ようやく最後のフレーズまで辿り着きました。
  
  
 この曲は、いくつかのパートに分かれて踊っているところが多いですが、最後は全員で同じ振りを踊ります。その踊りを、この音楽合宿であゆちゃんに見てもらいました。

 振りを一カウントずつに分解して、そのカウントのポーズをどの形に揃えるかを決めていきます。一カウントずつ、この形になるんだ、と自分に刻み込んでいきます。
  
 自分の癖を直すのは難しいけれど、この形に揃えたらみんなと揃うんだ、と思うと、自信を持って踊れるようになっていきます。あゆちゃんとの練習は厳しいけれど、確実に揃っていっている、と踊っていて分かるので、とても楽しいです。

 腕の軌道、ジャンプの微妙なタイミング、みんなで揃えていきます。夜の九時前に一通り揃え終えたときには、身体は疲れを感じているはずだけれど、みんなの、「やったぞ」という高揚感と達成感で体育館が満たされていて、自然と疲れは感じませんでした。

■理想の形を目で見て

 次の日には卒業生ののんちゃんが帰って来てくれて、のんちゃんに見てもらいながらのダンス練習を行いました。

 のんちゃんが振り付けをしてくれた、『スカイフォール』『ザ・シード』『リカバリー』の三曲を、一日かけて見てもらいました。

 午前に『スカイフォール』と『ザ・シード』、午後にシードの続きから『リカバリー』を、最初に曲を通して踊って、そこから直したいところをのんちゃんが伝えてくれました。
  
  
 細かく身体の使い方やニュアンスの付け方を教えてくれたり、もっとよく見えるように顔の向きなどを変えていきました。

 のんちゃんが変えたいところや良くしたいところを伝えてくれるたび、ダンスにも言語のように収まりが良いフレーズや、理にかなった身体の使い方があって、それをのんちゃんが私たちにも分かる形で説明してくれているんだ、と感じました。

 あゆちゃんと練習をしたとき、より大きく見せるために調整していた振り付けの一部を、ダンス語として収まりが良いように、より身体を使いやすいように、と変えてくれたり、後ろを向くタイミングも、足が踏み出しやすいカウントに揃えてくれたりして、のんちゃんに見てもらうと、身体が踊りやすくなる、と思いました。

 のんちゃんに見てもらって身体が踊りやすくなって、あゆちゃんに見てもらって気持ちの面で踊りやすくなっていくんだ、と。

 のんちゃんは変えたいところ、こうしたい、というイメージを、実際に踊って見せてくれます。そののんちゃんが踊ってくれたイメージがある、ということが、大事なことなんだ、ということを今回の練習で感じました。
  
  
 言葉でこうしたい、と言うのももちろん大事だけれど、具体的に理想の形が目で見える形であると、本当にイメージがしやすいんだなと思いました。

 その理想の形がはっきりすると、その理想と自分がどう違うのか、練習を見るときには、その理想と目の前の人がどう違うのか、はっきり分かる、と思いました。のんちゃんが見せてくれる一つひとつの形を目に焼き付けて、その形をみんなと目指して練習していこう、と思いました。

 午後の最後にはバンドと『リカバリー』を合わせることができて、『リカバリー』がなのはなの曲になっていくことを感じました。また一曲、自分たちのものになったんだ、と思いました。
  
  
 この音楽合宿の目標の『ビューティフル・ピープル』と『リカバリー』の完成、のんちゃんに見てもらっての三曲ブラッシュアップは達成することができました。でもまだ一回目、まだまだこれからです。

 また十一月にのんちゃんが帰って来てくれるということなので、それまでに、まだ詰めて練習できてない『スカイフォール』と『ザ・シード』も細かく揃えておきたいし、『リカバリー』も、もっと磨いておきたいです。

 やりたいことは山積みです。これからの音楽合宿も、日々の練習も、濃い時間にして、コンサートまでの期間を全力で思いっきり楽しんでいきたいと思います。