11月2日(水)「いざ、全力で緑の海へ & 着実に前進、『ドラムライン』マーチング」

11月3日のなのはな

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 秋の七草である『葛』が、外国で『ジャパニーズグリーンモンスター』と呼ばれるのなら、サツマイモの蔓は何モンスターでしょう?

 普通に考えたら『スイートポテトモンスター』なのかもしれませんが、そんなに可愛らしい名前が似合わないくらい、とても強力で、植え付けたときはたったの3枚ほどしかなかった葉は、数えられないほどに増え、伸びられるだけ、どこまでも伸びていくのが、サツマイモの蔓。

 そんなサツマイモの蔓との戦いが始まりました。それは、近々に予定されている、サツマイモ掘りのためです。

 武器は1つ。
 やよいちゃんが、「まえちゃんから、新しいカマを借りてきたよ!」と人数分のカマを渡してくれて、太陽の光でピカピカとシルバーに輝くカマを片手に、蔓の海へ入ります。

 私は一昨日も、何人かの子と蔓回収を進めていて、畑の半分強の面積がまだ残っている状況だったのですが、この日は前回の倍の人数がいてくれて、行きの車の中から、「絶対に終わらせるぞ!」と気合いが入りました。

 

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 サツマイモの蔓のと戦い、その1。
 1人ずつそれぞれの畝に入って、サツマイモの株が生えている根元と手当たり次第の蔓を、刈る。

 やよいちゃんがタイムコールをしてくれる中、「よーいスタート!」で一斉に、蔓切りが始まり、畑の至る所から「ザクッザク」「バサッ」「ザッ」と歯切れのよい音が響きます。

 私も、その中で作業をしていると、自分がどこまでも動けるような、身体が自由な感覚があり、ただ目の前のことだけに集中して、黙々と蔓と戦うのは、気持ちのよいものでした。

 

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 一通り、蔓が切れたら、今度は蔓の回収です。
 最初は個人個人で蔓を引っ張っていたのですが、1つの塊を掴んでも、引っ張ろうと思うと蔓同士が絡まり合って、びくともしません。
 サツマイモが植わっている下町川の畑は土がさらさらで、とても野菜を育てやすいのですが、畑の中と、畑の上とでは話が違い、昨日の雨で蔓は重く、延々と強力な蔓と、綱引きをしているような感覚でした。

 すると、畦の上からタイムコールをしてくれていたやよいちゃんから、作戦変更の声がかかります。
 やよいちゃんの提案で、全員で短い距離の横1列になり、サツマイモの蔓を引っ張ることに。

 すると、1人ではサツマイモに負けてしまっていた私も、みんなの力が集まって、強力に。
「せーの!」の合図と共に、1畝ずつ、サツマイモの蔓を引きはがしていくと、ビリビリビリという効果音をつけたいくらい、バサッとサツマイモの蔓が取れました。

 それをみんなで引きずり、反対側の斜面に山にしていくと、どんどん、視界が開けていきます。
 途中からは4人1組のチームに分かれて、蔓を引っ張り、1人の人が絡まった蔓をカマで刈ってくれながら、引っ張ると、スピードが上がりました。

 

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 下町川の畑は広いため、畑を5等分くらいにしないと、とても手に負えなかったのですが、何度も力を入れて、みんなと綱引きをし、運びを繰り返していく間に、確実に私たちがサツマイモの蔓よりも優位になっていくのを感じました。

 この作業はとても力を使う作業でしたが、途中でやよいちゃんが肩たたき列車の時間も入れてくれて、そのたびに気合いが入りました。

 みんなと「終わらせるぞ」「負けないぞ」と強い気持ちで動く時間、みんなと全力で力を出すのは気持ち良くて、見事、サツマイモの蔓は私たちの手によって、山にされました。
 そのあとも、マルチシートとマルチ止めのピンを回収するところまでスピード感を持って終わらせることができました。

 

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 終わった頃には、もうサツマイモ掘りまでもが全部終わったような達成感と、心地のよい疲労感で、みんなと笑えてしまうくらい力を出し切ったねと話しました。

 1人では大変なことも、みんなと協力したら楽しいことに変わり、「もう、動けないよ~」「へとへとだよ~」というくらいまで、力を出し切る気持ちよさ、みんなとならどんなことでもできるという力強い気持ちを感じました。

 マルチシートが回収された畑には、所々に紅紫色のサツマイモが顔を覗かせていて、とても大きなサツマイモに嬉しい気持ちになりました。

 

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 この畑は春に卒業生のさきこちゃんの息子さんである、そう君も一緒に植え付けをしたのですが、その時、そう君が帰り際、「次に帰ってくるときは、サツマイモができているかな?」と話したことも思い出し、また、そう君が遊びに来てくれたら、一緒に植え付けをしたサツマイモを食べたいなと思います。

 さて、サツマイモの蔓との戦いは無事に、私たちの勝利。
 私の中で、サツマイモの蔓は『強力モンスター』でもあり、『協力モンスター』でもありました。

(ななほ)

 

***

 

 前回の音楽合宿で、あゆちゃんに教えてもらった『ドラムライン』のマーチングの振りの復習をしました。
 楽器を持ってマーチングをするのは初めてで、あゆちゃんが教えてくれた一つひとつの動きが新鮮に感じました。今日は、マーチングの振りをしながら楽器を演奏できるように、個人練習をしました。

 マーチングの振りをすると、次は楽器の音を鳴らすのが難しくなって、楽器を吹くと、動きが分からなくなります。同時に足も、手もバラバラに動かすことが、とても難しいなあと思いました。でも、あゆちゃんが、どの動きの時に、何の音を出すのか一致させながらゆっくり練習していると、自然と動くようになるよ、と話してくれて、ひらすらそれを信じて練習をしていきました。

 

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 もうひとつ難しいなあと思ったのは、マーチングの歩き方で、かかとからつま先の順に地面につけ、腰の高さをずっと一定にしながら歩きます。ダンスで出てくる歩き方は、つま先からかかとなので、反対であることを、とても難しく感じました。

 あゆちゃんが見本を見せてくれると、本当に足を見なければ歩いているか分からないぐらい、上半身が動いていなくて、とても綺麗だなと思いました。あゆちゃんの歩いている姿をイメージして、歩き方も練習しました。

 体育館にいると、サックス、トランペット、トロンボーン……色んな楽器を持った人が練習していました。個人練習とはいえ、偶然パートが重なりあった時、ニコッとみんなが笑いかけてくれるのがとても嬉しかったです。明日の『ドラムライン』の合わせで、動きをしながら吹けるようにと、一つの目標に向かって、練習している一体感があって、そんな空気が活気があって、いつでも勇気づけてくれました。

 

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 今は音は汚くてもいいから、動きながら吹けるようにしたい……一心にクラリネットを持って練習をし続けました。すると、ある時点でカウントと、振りと、音がかみ合って出来る瞬間があって、とても嬉しかったです。一致した感覚を忘れずに、何度も何度も繰り返していると、それが自然と身体で覚えて動くようになって、これが、あゆちゃんが言ってくれたことなんだ、と思いました。

 普段、普通に立った体勢で吹いている時より、動きを付けていると、クラリネットに振り回される感覚があって、重いと感じることがありました。でも、クラリネットのどこを支点として考えたらよいのか変えるだけでも、その感覚はまるで違ったものになることも知りました。軽々と、吹きながらマーチングを出来るようになりたいと思いました。

 

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 最後に、練習の締めくくりで、体育館で練習していたみんなとの合わせをあゆちゃんに見てもらいました。ずっと自分の音だけ聞いて練習していたけれど、合わせをすると、全体の和音の中に自分の音が溶け込んでいることを感じて、嬉しかったし、メロディーラインとの一致も出来ました。

「本当に凄い! 短時間でここまで出来るなんて!」
 あゆちゃんが満面の笑顔で褒めてくれました。あゆちゃんの笑顔を見ると、達成感がこみ上げてきました。そして、明日、全員揃ったらもっともっと迫力あるものになるのだろうなと思い、ワクワクした気持ちになりました。これからあゆちゃんに振り入れしてもらうところもあり、今完成しているところも、もっと精度高くできます。みんなと気持ちを一つに、『ドラムライン』のマーチングを揃えていきたいです。

(りな)