【11月号②】「空いっぱいに気持ちが響いて ―― 気持ちを揃えて臨んだ初めてのイベント ――」まなか

  
 勝央金時祭の代替イベントで、私は、初めてバンドのアルトコーラスとして出演させてもらうことになって「大丈夫かなあ」という気持ちで一杯、ソプラノコーラスのよしえちゃんに教えてもらいながら練習をしました。

 特に一曲目の『ザ・インビジブルマン』はテンポが速く、楽譜には「狼」とか「虫の声」「リップトリル」と様々な声の出し方。

 面白いコーラスがたくさん入っていて、一緒に練習する時間がとても楽しくて、印象に残っています。

■プランを持つ

 九月の後半から始めた、金時祭りの練習。バンドの合わせの時間では、あゆちゃんから、遠くで自分の声を聞くことやプランを持って曲の中での自分の役割をイメージすることを教えてもらいました。

 何をするにもプランを持つことはとても大事だなと、気づかせてもらえたことが嬉しかったです。

 どう自分を魅せたいかを意識し続けることは、どんな場面でも内向きにならず外向きでいられるために必要なことだと思いました。

 ダンスもバンドもみんなで合わせて、見てくださる人にちゃんと私たちの気持ちが伝わりますようにと思いながら、練習できた時間がとても幸せだと思います。

 当日。みんなで車に乗り込んで、衣装を着たりお昼を食べたりする時間も、「ああ、本番だ!」という気持ちで、どきどき、そわそわと嬉しく、でも緊張感のある空気が流れます。

 古吉野から出発するとき、会場まで歩く姿、撤収作業まで凛として美しいステージにしよう! とみんなで気持ちを揃えて臨みました。

 午後一時。一曲目、『ザ・インビジブルマン』が始まります。

 それまで少し緊張していたのですが、いざ始まると、楽しさと嬉しさが身体中にいきわたっていくことを感じました。

 今できる百パーセントでやるぞう! と、アップテンポの中でめらめらと気分が高まりました。

 二曲目は『レインボー』です。この曲には、私はダンスで出演をしました。

 芝生の上、裸足で踊ると、いつも体育館で練習していた動き一つひとつが難しく感じます。大きな空の下でみんなと踊ることも初めてだったのですが、とても気持ちのいいものだなあと思いました。

 三曲目は『イン・マイ・ライフ』、 四曲目は『ア・レヴァ』と続きます。

 控室や舞台袖では、早着替えを出来るように、みんながスタンバイしていたり、背筋を伸ばして出番を待っていたりして、いつも、いま出演してくれているみんなに心を向けていました。
  
  
 私はそのことがとても嬉しくて、そして自分もそのなかの一人で居られることが出来て、とても誇らしく、ステージにより集中できた気がするなあと思いました。

 五曲目は『オテア・ルミア』です。
 テンポ二百のとても速い曲を七つの打楽器で演奏します。

 私もジャンベという楽器を演奏しました。 かわるがわるメロディーとなるフレーズが重なりあうこの曲がまた会場の雰囲気を変えました。

 ダンスも、タヒチアンダンスの惹きつけられるような動きと、竹やひょうたんの楽器である「イプ」や「プイリ」を使ったダンサーの動きが魅力的で、一気に異国に来たような気分になります。

 小気味いい打楽器の音で一気にリフレッシュされたところで最後の曲目に入りました。

 最後の曲は『サム・ナイツ』、私たちの応援歌です。私はまたコーラスとしてステージに上がりました。みんなは藁スカートをはいて勇ましく踊ります。台の上にはパーカッション隊。この曲をみんなで演奏すると勇気がむくむくと体中に湧いてくるような気持ちになります。

 ふと、客席を見ると、大勢のお客さんの中にはお母さん、たけちゃん、応援しに来てくれたなのはなのみんな、それに卒業生の家族もたくさんいるのが分かりました。なのはなの気持ちが空一杯に響いている感覚に泣きそうになりました。とても気持ちのいい演奏が出来たことが嬉しかったです。

 みんなと気持ちを揃えて望んだ金時祭り。この経験を生かしてコンサートに繋げていきたいと思います。