10月29日
(朝)
なのはなにいると目に焼き付けておきたいと思う景色や場面、誰かの表情がたくさんあって、それらに心が癒やされます。
今、窓の外は太陽の光でオレンジ色で満たされていて、窓の向こうでツバメさんたちが旅立ちの準備なのか、列をなして踊っているように飛んでいて、とても綺麗で幻想的です。
なのはなに来るまでそんなに、朝日とか夕日を見る機会がなかったのですが、今、忙しい毎日の中でも、朝日や夕日に出会うと、一旦、心を落ち着けてその美しさを感じられることが嬉しいです。
・自分に足りないものを
話は変わってしまうのですが、昨日の午後にあゆちゃんが『スカイフォール』のダンスを見てくれました。
その時にあゆちゃんが教えてくれたことが、とても印象に残っています。
「なのはなで見せるものは、個々の能力や技術を競い合うのではなく、全体で1つのことを伝える、訴えるものであること」
「誰かが特別上手に踊れても意味がなくて、全体で気持ちを揃え、私たちがこんな風に見せたい、こんな世界を表現したいと思い描いた理想を、お客さんに伝わって、賛同してもらえるような空気感やダンスを踊ること」
動きを揃えることは練習でできるけれど、お父さんとお母さんが書いてくれた脚本の中にある答えを、たった1つの答えを伝えるために全体で気持ちを揃えて、踊るのは、なのはなファミリーにしかできません。
あゆちゃんが、「私もあなたも同じ。全員が自分で、自分は誰かになったつもりで踊るんだよ」と話してくれて、そう思って踊っていると、本当に個々の能力も関係ないし、個性なんていらなくて、みんなで1つの生き物、宇宙になったように踊っている一体感を感じました。
私の隣にいる人も、私の後ろにいる人も、視界からは見えない人もみんな私であり、私は誰か。
スカイフォールでは縦1列になってから、1カウントで半分の人が横に飛び出す動きがあるのですが、私は先頭で後ろは見えないけれど、確かに私の身体の一部、あるいは誰かの身体の一部が細胞分裂したような、仲間が増えていくような強さや鋭さを感じて、踊っていても鳥肌が立ちました。
この感覚はウィンターコンサートの練習の中で、私が一番好きで、求めている感覚です。なのはなファミリーではいつも、気持ちを最優先で揃えていったり、作ったり、気持ちで踊ります。
みんなで美しい形をイメージして、理想の形をイメージして、1人ひとりが確信を持って、今自分の思う、自分のできる美しい形を作り続け、踊り続ける。
本当に全員がそうできたとき、とても訴える力や、伝わる世界があると思いました。
また、あゆちゃんが、
「自分たちがこの3か月間で進化する過程をお客さんに見せるんだよ。だから、お客さんは私でも変われるかもしれないと思う感動や希望をもらえるんだよ」
と話してくれました。
それを思ったとき、私はまだまだ気持ちができていなかったな、分かっていなかったなと、少しカルチャーショックのようにズドーンと自分の中で(何かが違う、変わらなければ)と一時的に気持ちが落ちそうなくらい、私に待っている課題は大きく、たくさんあるなと感じたのですが、それと同時に、あとウィンターコンサート当日まで50日しかないと思うと、あと50日で変われるだけ変わり、楽しさも苦しさも味わい尽くそうと思いました。
なのはなでの活動は全てにおいて、気持ちを表現するためのものであり、気持ちを作るためのものであり、自分をより高いレベルに磨き、よく生きられるようにするための物であって、それを思うと、変わるまで諦めない、と強い気持ちになりました。
のんちゃんが振り付けてくれたダンスから、のんちゃんの思い描く理想やあるべき世界、その曲の空気や厳しさをダンスを通して感じ、自分のものにできるようにしたいです。
あゆちゃんも話していたように、自分にはないものを持っている誰かから、新しい世界や私の知らなかった世界、強く、勇ましく、希望に溢れる世界を見せてもらうことで、私も幅を広げてもらっていることを感じます。
それはウィンターコンサートの練習に限らず、私が今、楽しいと感じられるのも、もっと深い世界を見て、深い生き方、心の使い方をしたいと思えるのも、なのはなのみんなやお父さん、お母さんからあるべき世界や、理想のイメージを教えてもらっているからで、こんな風に、(私もこんな風になりたい)(こんな生き方をしたい)と思い、理想のお手本となる仲間がいてくれることがありがたいなと感じます。
ウィンターコンサートに向かう過程で、より新しい自分、進化した自分、幅のある自分になれるよう、できない過程も楽しんで、自分に足りないものを素直に受け止めて、変わっていきます。