「今日、クマになりそこねてしまったのは」 みつき

10月19日

 今朝は、ここ最近で1番寒い朝でした。
 向こうの山も畑もなくなってしまったような、濃い霧に覆われていました。収穫のときも、ナスを握る手が、冷たくなって、かじかんできてしまいそうでした。
 朝露が凍ってしまって霜が降りはじめるのも、もうすぐなのだろうなと思います。寒さにはちょっぴり身構えてしまうけれど、少し厚着をしてもこもこに なったみんなと過ごすのは、なんだかほっとしてうれしいな、と思いました。

 午後に、お母さんやたけちゃんも来てくれて、みんなで小豆の収穫をしました。
 ダンス練習もあったので、「交番先の畑を1時間で終わらせる」という目標でした。
「ぱっぱっぱっと取っていくんだよ。時間内に終わらせよう!」
 お母さんが、ずっとみんなを見て、声をかけてくださいました。けれど、わたしは、「取り残しがあってはいけない」と思ってしまって、なかなかスピードを上げることができませんでした。ヘルプのみんなが来てくれて、なんとか畑全面を終わらせることができて、ありがたくて、うれしかったです。

「小豆を漁りに来たクマになったように、収穫をしました」
 と、食事のときにのんちゃんが話していて、なるほど、それでみんなものすごく早かったんだな、と笑ってしまったし、納得しました。
 ウインターコンサートに向かうなかで、「演じる」ことが大切なのだと教えてもらうけれど、それは普段の生活でも、畑作業のなかでも同じでした。
 わたしは、自分がああしたい、こうしたい、と思うときほど、みんなに合わせたり、別の選択をしたり、何者かになって演じなくてはいけないな、と感じました。

 集合のときにも、お母さんが鳥の目の話をしてくださいました。
「空を飛ぶ鳥が地上の全体を見渡しているように、広い視野で見ることが大切」。
 わたしがクマになりそこねてしまったのも、鳥の目で見ることができなかったからです。
 広い視野を持って、今みんながどんな空気で、どんな質とスピードでやっているのか、残された時間と畑の広さはどのくらいか……。それをすぐに感じて、考えることができるようになりたいです。
 これも、畑作業だけでなく、ウインターコンサートに向かうなかでも同じです。
 みんなと気持ちと振りは揃っているか、客席から見たとき、自分がどういう立場で、どう見えているのか……。ここでも、鳥の目は必要不可欠です。

 普段の生活や作業に向かう姿勢が、そのまま自分の表現するものに繋がっているということが、身にしみてわかった1日でした。
 もっと、役に立てる動きができるように、いつも頭とこころを働かせていたいです。