「自分の身体は、誰かのために」 みつき

10月16日

 あっという間なもので、お父さんのお誕生日会が、終わってしまいました。
 でも、ここからが出発で、次は、ウィンターコンサートへと進んでいきます。
 そのことが、とてもうれしくて、うきうきが止まらずに、いま、日記を書いています。

「人体」をテーマに、それぞれのチームで演出を考えたのですが、どのチームも、すぐにホールで演奏できるのではないかというくらい完成されていて、魅力的でした。たくさんお腹を抱えて笑ったし、たくさん目が潤みました。

 印象的だったのを挙げると、かにちゃんチームの『エンジェルズ』では、利他心を教えてくれる、オキシトシンの天使がたまらなく可愛くて、癒されました。
 演奏では、まなかちゃんが心の底からしあわせそうに歌っている姿に、お誕生日会が始まって早々、涙が出てくるくらい感動しました。

 ゆいちゃんチームの『シヴァーズ』も、「体を活性化させる!」べく、登場してくる1人ひとりのキャラクターが面白くて、自分の身体にこんな細胞や組織が居てくれているのか! と考えたら、すごくワクワクするなあ、と思えました。
 そして「ん~、シヴァーズ!」の掛け声も、みんなで言いたくなるくらい楽しかったし、わたしも、笑って笑って、シヴァーズ! させてもらえました。

 そのほかまだまだ書きたいのですが、書ききれないです。わたしは、全部のチームの、1人ひとりのファンになってしまいました。
 みんなが表現する姿が、本当にきらきらして、まぶしかったです。

 わたしは、のんちゃんチームの『オーバーパス・グラフィティ』で発表させてもらったのですが、出番まで、正直、ものすごく緊張していました。
 今日まで、チームのみんなと、色んな壁にぶち当たりました。衣装で悩んだり、ダンスの構成に悩んだり、演出に悩んだり……。
 そして、やよいちゃんとわたしは、新たな道具「ローラースケート」を使わせてもらって、ダンスをさせていただくことになりました。

(ああ、どうしよう、他のチームより、全然できていないかも)
(本番に、自分が転んで失敗して、台無しになったら……)

 みんなの前では出さないようにしていたけれど、(出てしまっていたかもしれません)気持ちが焦ってしまって、ずうん、となりそうになることが、何度もありました。
 でも、やよいちゃんが、何度も何度も「練習しよう!」と声をかけてくれて、細かい部分までいっしょに揃えようと、誘ってくれました。

 のんちゃんが、わたしの気持ちを察してくれていたのか、毎回のチームの集まりのあとにいつも、背中をぽんぽんぽん、とやさしく叩いてくれました。のんちゃんもきっと、いや、わたしの何倍も焦ったり、大変なはずなのに。言葉はなくても、その「大丈夫だよ」という励ましが、とてもうれしかったです。
 チームのみんなの空気に、引っ張ってもらいました。わたしも諦めない。自分ができるできないではなく、みんなが楽しめるように、チームがどう表現できるか。そのことを考えよう、そう感じました。

 本番ギリギリまで演出を書き換えたり、ダンスの練習をし続けていて、ついに、わたしたちの出番が来ました。
 ステージ袖で、やよいちゃんが、「もし転んだとしても、笑顔でやろうね!」と、耳元で話してくれました。のんちゃんが、にっこりと笑った口を指して、「笑顔でね!」と伝えてくれました。

 ステージに居るとき、身体中が熱くて、何かが溢れてくるような感覚がしました。
 みんなの笑い声や手拍子も聞こえてきて、ものすごく気持ちが良くて、自分の心も身体も、細胞も、喜んでいるような……。
 わたしは生きている、と思いました。
 終わったあと、チームのみんなと抱き合ったことも、とてもうれしかったです。

 今まで、自分の身体を散々に傷つけたり、酷使したり、もうどうにでもなれ、事故に遭っても、どうされても構わない。そうやって、執着したり、投げ出したり……。
 わたしはわたしに対して、ひどいことをしました。
 なのはなで、お父さんから、「自分の本体は身体ではなく、魂なんだよ」「自分の身体は、誰かのために使う借り物に過ぎないんだよ」と教えていただいて、今日、また、改めて分かることができたように思います。

 今日の時間が、本当にしあわせでした。
 なのはなに来て、いつ死んでもおかしくない、ガリガリぼろぼろだったわたしが、いま、生きていて、使いやすい身体になれたこと。
 誰かの喜びを喜びとして、そのために自分の身体を使えること。
 なのはなのみんな、お父さんお母さんのおかげです。

 ここからまた、ウィンターコンサートに向かって、この身体を使っていきます。