
9月11日のなのはな
ホールの空気を振動で満たす和太鼓の音、そして掛け声が響き、舞台いっぱいに輝くバチが突き上げられました。
『第24回 晴れの国 和太鼓まつり』が勝央文化ホールで、午後1時に開演しました。岡山県下の和太鼓団体9組と、愛知県からの特別ゲスト「和太鼓 志多ら」が出演をされていました。
今日は、勝央金時太鼓を学んでいるメンバーを中心に、この演奏会鑑賞へ行きました。
勝央町の伝統ある勝央金時太鼓保存会の皆さんによる『乱打』『金太郎ばやし』の演奏で、和太鼓の世界の幕が開きました。
団体や演目によってさまざまに表情を変える舞台では、曲の冒頭に珍しい法螺貝の音が鳴るものがあり、たった6人の方々による演奏でも、まるで何十人もが迫り来るような気迫を感じました。
別の楽曲では、赤と黒を基調とした衣装を纏った20名ほどの奏者が激しい振り付けをまじえながら舞台で躍動しました。
またあるときは、長さ80センチほどもあろうかと思われる大きな撥1本を両手で構え、くるくると回しては大太鼓を打ったり、チャッパという鐘や担ぎ太鼓などを持って軽やかに舞台を動きながら演奏される曲もありました。その曲では地元の和気町の名産物である鯉のぼりを振る踊り手が現れて、大縄跳びのように奏者がその鯉のぼりを跳び越えたりしました。
第1部の最後は、出演者による合同の編成で、『飛天』という曲が演奏されました。普段の撥から打って変わった細長い竹撥で、何十という和太鼓が一斉に打ち鳴らされました。その音に包まれながら雲を突き抜けて飛んでいく感覚を想像しました。
第2部の冒頭、愛媛県からのゲスト『和太鼓 志多ら』の方々による演奏では、和太鼓の演奏への感動もさることながら、篠笛の、柔らかで豊かで、ときに切なく一本の糸を渡っていくような音色が胸にしみました。
磨き上げられた技術の上に、余裕に満ち溢れた表情と身体つきで、パフォーマンスをされている演奏者の方々に惹き込まれました。
普段、金時太鼓の練習で、竹内さんが教えてくださること。正しい姿勢で叩き、素早く腕を振り上げ、撥の角度を緻密に揃えること。目線を揃えること。
なのはなで舞台を作るときにみんなで大切にする、細部にすべてが宿るということ。そして、気持ちがすべて舞台にあらわれるということ。空気感や表情を同じくすること。そういうことがどれほど大切かということを、学ばせていただける時間が有り難かったです。
10組による演奏、3時間を超える和太鼓と邦楽器の祭りの締めくくりは、総出演者の方々による『疾走』という曲でした。舞台奥には7つの大太鼓が据えられ、数え切れないほどの締太鼓、桶胴太鼓、長胴太鼓、締太鼓などで舞台がいっぱいになり、総勢60名以上の方々が明るい笑顔と掛け声とともに演奏されたフィナーレは圧巻でした。
その中で演奏されていた勝央金時太鼓の方々の姿に、改めて、もっと上達して素晴らしい演奏をできるようになりたいと思いました。
そして、12月18日のウィンターコンサートへ向けて、気持ちと身体を、きちんと磨いてゆきたいです。
(かに)
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良く晴れた秋の、昼下がり。お父さんお母さんと、古吉野なのはなに残ったみんなで、栗山へ栗拾いに行きました。
栗山は、地域の方から今年頂いた山で、みんなで行くのは初めてでした。
お父さんやあゆちゃんたちから、「ずっと丁寧に手入れをされていて、景色も良くて、とてもいい場所」というお話を聞かせてもらっていて、みんなで行ける日を楽しみにしていました。今日はプチサプライズで、ピクニックのように栗拾いに行けることになって、とても嬉しかったです。
小道をみんなで並んで歩いて、栗山へ向かいました。道中、放牧されている牛に出会ったり、山の花のいい香りがしたりと、初めて行く場所への新鮮さが感じられ、心が弾みました。
栗の木がたくさん並ぶ中で、「ここからが家の栗山です」とお父さんが教えてくれました。一目では見渡せないくらい、奥深くて広い栗山には、幼木も含めて約80本の栗の木が植わっていて、他にも、柿や梅、ビワといった果樹も植わっていることを教えてもらいました。
かごを手に坂を下っていくと、栗の木の下に、すでにたくさんの栗のイガが落ちていました。
私は栗拾いをしたのは初めてで、「これ、全部拾っていいの?」と、素晴らしいお宝を目の前にしたような気持ちになりました。
手袋をしていても、イガはやっぱりチクチクしたけれど、栗を拾える嬉しさが勝って、無心で拾っていきました。口元に笑みを浮かべながら、みんなで黙々と栗を拾う時間が、穏やかで温かかったです。みんなが持っていた買い物かごが山盛りになって、それでもまだまだ採れるくらい、たくさんの栗がありました。
今回落ちていたイガはまだ若い緑色をしていて、割れていないものがほとんどでした。これからちゃんと熟して落ちるいい実と、悪い実が混ざらないように、しっかりと今落ちているものを取ることができて、嬉しかったです。
なのはなのお父さんは、たくさんの栗を、どうやってイガを取ったり、皮を剥いたり、調理したりして、みんなで食べれるようにするのか、寝ても覚めても考えてくれていて、集合でお話をしてくれます。
これから、なのはなの生活に栗拾いや、栗の作業が加わって、また活動の幅が広がることが嬉しいです。
ふかし栗に、マロングラッセ、栗ご飯。ほっこりと甘い栗が頭に浮かびます。たくさんの栗を、みんなで美味しくいただける日が、とても楽しみです。
(りんね)
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ウインターコンサートまで、あと98日。
12月18日の舞台に向けて、ダンス練習が始まりました。
コンサートの幕開けの曲、『スカイ・フォール』です。
卒業生ののんちゃんが帰ってきてくれて、振り付けをしてくれています。
1日のはじめに、バンドメンバーのみんなも一緒に体育館で曲を聴きました。
目を閉じると、勝央文化ホールの照明に照らされたステージが心に浮かびました。この曲から始まる物語。主人公たちが、その舞台をつくる中で、わたしたちが、どんなことを思い、何を考え、希望を、決意を、心に持つのか。
この曲をつくっていく時間が、わたしたちにとってかけがえのないものになり、これからを生きていく力になるのだろうと思いました。
まずはサビの振りから、卒業生ののんちゃんが教えてくれました。
足の運び、手の動き、身体の向き、目線。カウントを細かく区切って、1つひとつ丁寧に、繰り返し教えてくれました。
のんちゃんのカウントに合わせてみんなと繰り返していくうちに、段々と振りが身体に入っていくのを感じました。小さく区切って覚えた振りが、一つに繋がり、そして曲と合わせるとき、自分たちが曲の世界の一部になるような、どきどきとした喜びを感じました。
のんちゃんが、歌詞と振りが重なっているんだと教えてくれました。
「たとえ空が崩れ落ちたとしても、その中でわたしたちは希望を持って、立ち上がる」
のんちゃんが振りつけてくれる曲を踊ると、踊ることは気持ちを表現することなんだと、改めて強く感じます。のんちゃんの考えてくれる振りには、いつも心が鮮やかに宿っているように感じて、それをみんなと踊れることが嬉しいです。
夕食の後には、『リカバリー』という楽曲に登場するポーズの練習をしました。
今年のコンサートのテーマである、人体と宇宙。それらに関するものを身体で表現するポーズを、のんちゃんが考えてくれていました。
近くの人と繋がり、ひとつの形をつくっていく。そんなみんなの姿を見ていると、この曲ではどんな世界が広がっていくのか、わくわくしました。
これから、これらの曲をみんなと練習してつくっていくのだと思うと、とても嬉しいです。
みんなとコンサートをつくっていく時間を、色濃く味わい、自分たちの力にして、みんなと積み重ねていきたいです。
(ゆず)