「毎日の生活は」 りな

9月2日

 

★今日のニュース

 今日のお昼の集合は、珍しく食堂でした。まさか!とウキウキした気持ちで食堂に向かいました。食堂に行くと、あゆちゃんが「2019年のウィンターコンサートのDVDを見ます」と言ってくれて、とても嬉しかったです。ちょうど、午前の時間にももかちゃんと一緒にこれまでの山小屋だよりを見ていて、2019年のコンサートでみんなが書いた感想文を読んだばかりでした。そのことも踏まえて、見ることが出来ました。

 幕が上がって最初の曲は、『バッド・ロマンス』でした。照明がパッと明るくなると同時に、みんなが一斉に動き出す場面から、本当に圧巻でした。40人以上もステージに上がっている中で、誰一人として浮いたり、目立ったりすることなく、全員で一つの生き物を作っているかのように団結している光景に、鳥肌が立ちました。手の角度、足の角度、カウント、表情、どこを見ても、誰を見ても、同じ人に見えました、そのぐらい細かくて緻密なところまで揃っている『バッド・ロマンス』に、ただただ息をするのを忘れるぐらい、魅了されて、改めてこれがなのはなのコンサートなんだなあと思いました。

 演劇や、ストーリーも、何回も見ているはずなのに、回を重ねるごとに、登場人物たちの色鮮やかな性格や人間味が感じられるような気がしました。ストーリーは、知っているはずなのに、理解が深まったり、これまで流して聞いてしまっていた場面も、実は伝えたいことがぎゅっと詰まっていたのだと、分かることができました。

 ラストシーンの、アカリの言葉がとても心に残っています。

「精霊に遊びはないけど、人間には遊び心というものがあって、それを楽しんでいる人たちってなんて素晴らしいんだろうと思ったんです。

それと同じように、どんな大きな困難を前にしても、希望をもつことができる人たちがいる。明石先生、ジャンさんと力を合わせて、私も自分のすべてを掛けて挑戦したなら、

どんな素晴らしい人生になるだろうって、思ったんです。」

 その言葉を聞いて、涙が溢れてきました。今もきっと、どこかで自分の苦しさと戦っている人がいます。そんなまだ見ぬ誰かのために、アカリや、キョウコや、ツバサと一緒に、誰もが生きやすい優しい世界を求め続けたいと思いました。私達1人1人が精霊で、生きにくさを抱えた者としての使命を、人生を掛けて果たす生き方がしたいと思いました。

 誰の表情を見ても、伝えたい思いが溢れていて、胸を打たれました。1人1人が歯車で、誰一人として欠けてはならない存在でした。そして、誰を見ても涙が出てきました。

 私は、このコンサートで「埋もれることが美しい」ことを知りました。全員が気持ちを一つに、一体となって揃ったならば、本当に大きな力になるのだと思いました。それは、伝えたい気持ちも同じで、一人で表現するのではなくて、60人の仲間と一緒に表現するから、より迫力を増して、たくさんのお客さんの心を動かすことが出来るのだと思いました。

 本番だけ、ベストパフォーマンスが出来るのではなくて、これまでの厳しいコンサート練習、体力づくり、そして日々仲間とこなす畑作業があるからだと思いました。あゆちゃんが以前、「本番に、日々の心持ち、舞台袖での態度が全部表れるよ」、そう話してくれたことがありました。毎日の生活は、小さいようだけれど、積み重なるととても大きくなるのだと思いました。毎日心を研ぎ澄ませて、真面目に本気で向かう。そのことが、まだ見ぬ誰かにとって希望になるのだ、そう思うと、背筋が正されるような思いがしました。

 

 12月のコンサートまであと3か月。心を新たに、目の前のことに向かっていきたいです。
 明日は川へ行けるということで、とても楽しみです。おやすみなさい。