「毎日、木曜日だったら」 ななほ

9月1日

 今、版画教室が終わったところです。
 昨日は、「毎日水曜日だったら良いのに」と思ったのに、今夜は、「毎日木曜日だったら良いのに」と思うくらい、版画教室も楽しいです。

 私は今、版画の刷りの行程をしているのですが、ほんの力のいれ具合や、ほんの色の落とし具合、ほんのわずかな刷り方の違いで、全く違う作品ができたり、思わぬ情緒が生まれたり、同じ板なのにこんなにも刷り上がりが違うのかと感じることが多く、それがまた魅力的で面白いです。

 刷りをしていたらお母さんが来てくださって、
「うん、これ、ななほが作ったの? すごくいいね。お母さん、これ好き」
 と言ってくださり、その言葉にほっとしました。

 私はなのはなでも下から数えて3番目以内に入るくらい、絵を描くのが苦手で、あゆちゃんに、
「ななほちゃん、写真撮るのが上手だから」
 と言ってくれて、版画教室に入ってからすぐ、(私、絵が下手なこと、忘れてた!)とドキドキしました。

 今も絵を描くのは苦手で、上手な絵は描けないけれど、お母さんが好きと言ってくださり、安心したし、それと同時にもっとよい作品を、もっとよくできるようにという気持ちになりました。

 版画をしていると何度も産みの苦しみ、彫りの苦しみ、刷りの苦しみと壁を乗り越えなければならない機会がやってくるのですが、それを乗り越えていけるのが嬉しいし、藤井先生の作ってくださる温かい雰囲気の中にいると、版画の楽しさが何倍にも膨らみます。

 まだ作品作りも途中なのですが、刷りの行程まで来たので、思いっきり心を自由に遊ばせて、楽しく版画を作りたいです。

 話は桃になりますが、今季の桃の収穫も一段落し、次は桃の秋季剪定に向けて畑の草刈りや、ポールの補強などを進めています。

「さくらピーチの糖度が、すごいみたいだね」
 午前中、桃の作業をしていたら、お父さんがそう言いながら選果ハウスへ来てくれました。

「本当に糖度が高いのか、実際に食べて見ようか」
 お父さんの提案で、糖度20度の桃をお父さんと桃メンバーのみんなと一切れずつ食べて見ると、甘さに驚きました。

 さくらピーチはもともと、追熟させる品種なので、樹熟しの状態でもまだ採れて日が浅いため、食感は固めでした。
 でも、晩生品種の糖度20度というだけあって、甘さ、酸味、渋みがどれも強く、濃い味わいでした。

 一言で表すと、桃のおいしさが詰まった力強い味でしょうか。
 今年のさくらピーチは、糖度16度以上のものがほとんどで、平均で糖度20度、高いものでは、糖度23,24度の桃もあります。

「少し、追熟しているのも、食べて見ましょうか?」
 あんなちゃんがそう言って選んでくれたもう1つの桃。

 切った側から桃らしい甘くて、気品の高い香りが広がり、手のひらの中で桃が踊っているように、香りが何度も湧いてきました。
 口の中に入れると、たちまちとろけて、なくなってしまいます。
 さくらピーチは極めて甘く、幻のような甘さなのですが、確かに、桃特有の渋みと酸味があり、それらを甘さで隠しながらも、やっぱり、遠くの方にある渋みと酸味が深い味わいを出していて、高級な桃だなと思いました。

 こんなにおいしい桃をなのはなで作れることも、いただけることも本当にありがたいなと思います。
 あんなちゃんが、「みんなで食べる桃も全部、糖度を測ってみようか」と話してくれて、のんちゃんが糖度測定もしてくれたのですが、基本的に糖度16~23度で極甘です。

 さくらピーチが食卓に並ぶのが楽しみだなと思うし、今年もなのはなで育てているすべての品種をいただいて、ピーク時には毎日、桃が食卓に出ていて、とても贅沢だなと思いました。