光沢のあるワインレッドに色づいた、特大イチジク。桝井ドーフィンという品種から、イチジクの夏果の収穫が始まりました。
イチジクには、七月から八月にかけて収穫される夏果と、九月から霜が降りる十一月頃まで収穫できる秋果があります。
なのはなファミリーで育てている、桝井ドーフィンと、バナーネは、夏秋兼用種で、夏果と秋果、どちらも収穫することができる品種です。
夏果とは、前年についた実が、今年に大きくなったものです。イチジクの実は、ある程度大きくなってから霜に当たると、枯れてしまうのですが、まだ赤ちゃんの実であれば、冬眠状態になって、冬を越すことができるのです。
そして、前年に伸びた枝の先端に夏果がつきます。
夏果の特徴は、とにかく大きいことです。秋果に比べると甘みは少し劣ると言われていますが、しっかりと熟させて収穫すれば、十分に甘く頂くこともできます。
実の数としては少ないので、鳥から守るために、熟す前の実に玉ねぎネットを被せて、しっかりと熟して甘みがのってから、収穫をしています。
桝井ドーフィンは、お尻の部分が裂けるか、実がしっとりとした柔らかさになるかで、収穫を判断します。大振りな実を、一番いい頃合いできれいに収穫することができると、とても嬉しくなります。
バナーネの夏果は、今年が初めての収穫でした。梅林手前畑の三年生の木と、プール下畑の二年生の木から、少しずつ、収穫が始まっています。
バナーネの苗は、アコースティックギター教室の藤井先生から頂いた剪定枝を、挿し木して育てました。
■バナナのようなバナーネ
プール下畑の二十六本は、定植から二年目で、今年から収穫が始まります。
まだ若い木だけれど、畑の土が合っているようで、二メートルを超えるような、勢いのいい木もたくさんあります。今年はバナーネの果実がたくさん採れるのではないかな、と思い、本当に嬉しくて、甘さ抜群のバナーネを、みんなで一緒に頂ける日が楽しみです。
その名前の通り、バナーネの夏果は、バナナのように細長い見た目をしています。色も黄色味を帯びていて、ちょっと風変わりなイチジクです。
バナーネの収穫基準は、桝井ドーフィンとは違い、側面に裂け目が入ることが目安になります。
まだ、木が小さいこともあり、細長くて手ごろなサイズ感ですが、バナーネはかなり大きな夏果を採ることもできるようです。また、特大なバナーネを収穫出来たら、みんなにも見てもらいたいなと思います。
食卓にイチジクが出ると、みんなから「本当に甘いね」「美味しいね」と、たくさん声をかけてもらいました。
毎日の収穫でも、美味しいイチジクを食べたみんなの笑顔が思い浮かぶと、やりがいがあるな、と感じられました。甘さがのって美味しいイチジクを、よりたくさん収穫できたらいいなと思います。
また、さきちゃんと一緒に、夏の剪定作業も進めていきました。
幼木、成木、ともに行い、主には、地際から直接生えてきた小枝を剪定しました。これは、「なるべくなら、イチジクの足元はすっきりさせた方がいい」、と盛男おじいちゃんから教えていただいた剪定でした。
イチジクを長年育てられている藤井先生からも、「茂ったらその都度、剪定しても大丈夫」と教えていただいたので、思い切って剪定を進めました。
成木は、混みあっているところの間引き、斜面からはみ出ている枝などの剪定も行いました。
剪定をして得られる効果は、不要な小枝に養分を取られないようになること、日当たりを良くして果実の着色を良くなること、作業性が良くなることでした。
夏の剪定は、冬の、樹形を形作る剪定というよりも、茂ったところを散髪してすっきりさせるような感覚でした。
特に桝井ドーフィンは、枝が密になりやすい品種だったため、細かい枝を剪定すると、すっきりと見晴らしがよくなりました。剪定をすることで、日当たりも、作業性も、見違えるように良くなったことが、すごく嬉しかったです。
木の生育に応じて、八月にも剪定を行うかもしれません。いい実を、いい風にたくさん収穫できるように、また、植わっている土地にも応じて、適した木の形にしていけたらいいなと思います。
イチジクの収穫は、九月からの秋果が本番ですが、少しずつきれいな夏果を収穫できていることが、いい兆しに感じられます。
新しくプール下畑での収穫も始まり、若い木が着々と成長をしているため、これまでよりさらに、イチジクをたくさん収穫することができたらいいな、と思います。いい収穫に繋げられるように、準備もしっかりと行っていきたいです。