【8月号⑩】「夏と言ったらやっぱり、これ! 採れたて、茹でたてスイートコーン物語」みつき

 

遅霜の被害も乗り越えて、スイートコーン0段も無事に収穫を迎えました!

  
 スイートコーン。なのはなの夏には欠かせない、黄色い、あま−い、スイートコーン。

 みんなの夢と期待を胸に、わたしはスイートコーンの担当をさせてもらうことになりました。それでは、ここまでのスイートコーンの物語を、お伝えします。

 今年は、石の下畑にて、約千五百株のスイートコーンを育てています。この石の下畑ですが、古吉野の台所まで、徒歩一分。採れたてほやほやのスイートコーンを、台所に運んで処理することができるのです。
    
 しかし、グッドニュースだけではありませんでした。みんなの話によると、石の下畑のすぐ隣に、キツネの住処もあるとか。わたしたちの家からも近ければ、キツネの家からも近いなんて。

■スイートコーン〇弾

 害獣だけではなく、遅霜の被害にも注意が必要でした。三月、スイートコーンの第一弾になるはずだった株のほとんどが、畑に定植されて間もなく、遅霜に当たって枯れてしまいました。それでも、残されたわずかな株を、「〇弾」として、見守ることにしました。

 このこともあり、少し心配なスタートダッシュになってしまったスイートコーン。もう同じことは繰り返さないよう、霜対策や育苗管理に気を付けることで、本命の一〜三弾のスイートコーンは、順調に生育させることができました。
  
  
 一弾は、二メートルほどの高さまで伸びて、わたしの身長をはるかに超えてしまうほどになりました。一方で〇弾も、「気にしなくていいよ」と言ってくれているようでした。〇弾は、わたしの心配など知らず、(知っていて?)実をつけてくれたのです。暑さにも負けず、見るたびにぐんぐん成長し続けるたくましいスイートコーンに、わたしが勇気をもらっていました。

 そのタイミングで、やよいちゃんが、「早めのほうが良いと思うんだ」と声をかけてくれて、害獣ネット張りを行いました。

 ピンと張られた害獣ネット。もちろん下からも潜り込ませないようにするため、ペグを刺してしっかり塞ぎました。そして、忘れてはいけないのが、カラス対策です。上空からの侵入もさせまいと、防鳥テープを、畑の上に十字に張りました。

 早めに徹底的な害獣対策をしたことで、害獣も警戒して近寄りにくいのではないかと感じ、心からほっとしました。

 この害獣対策が、大成功でした! おかげで、害獣被害に一度も遭うことなく、収穫の日を迎えることができました。

 それは、〇弾のスイートコーン。収穫予定日から一週間ほど遅れていて、実の様子を見て「まだだろうか」「あともう一週間かなあ」「あと数日?」 ……と、待ちに待ち続け、ようやくこの時を迎えました。
  
 時刻は、午後十二時。じりじりと照り付ける太陽の下、石の下畑にやってきた、まなかちゃんとわたし。

 昨日から目をつけていた、スイートコーンの実に近づきます。実の大きさは言うことなし。さあ、触れてみると……?

 う〜ん、実が詰まっている硬さがする。そして、ひげも茶色くカサカサに枯れている。ちょっとだけ覗かせてね……と、最後に、少しだけ皮をそっとめくってみます。

 あ、黄色い粒が見えた! まなかちゃんと、「これ、採れるよ!」と目を合わせて、いざ、収穫です。
  
  
 「パキッ」と、葉がこすれて、はじけるようなみずみずしい音がして、手元にはスイートコーンの実が。そのずっしりとした重さに、笑みがこぼれました。

 どきどきしながら、全ての皮を剥いでみました。わたしたちの期待にしっかり応えてくれて、粒がぎっしり詰まっている、綺麗なスイートコーン。

 台所に駆けていくと、まりこちゃんが大鍋いっぱいのお湯を用意してくれていました。もくもくと蒸気が上がる大鍋の中に、スイートコーンを投入すると、みるみるうちに鮮やかな黄色に変わっていきます。

 茹で上がったら、あつあつのうちに、塩を擦り込みます。そして、ザルいっぱいに入ったスイートコーンを持って、食堂にダッシュ!

 残り一分で昼食の時間、というところで、食卓のプレートに乗った、ゆでたてのスイートコーン。パッと目に飛び込んでくる、その明るい黄色に、みんなが「わあ〜!!」と声を上げてくれました。

 スイートコーンも黄色ければ、みんなの歓声も黄色い。みんなのうれしそうな反応が、とてもうれしかったです。
  
 
 かじりついたら、ぷちぷちとはじける粒、口の中いっぱいに広がる甘さに、本当にしあわせでいっぱいになりました。

 ……しかし、まだ終わりではありません。一人まるまる一本、みんなにスイートコーンを食べてもらいたい……

 一弾の収穫が始まり、ずっと描き続けていたこの夢が、ついに、叶いました!食卓に入ると、一人一本用意された、中皿からはみ出ている、立派なスイートコーン。 

 かじりついたら、やっぱり甘い、やっぱり美味しい。そして、一本というのが、なんとも贅沢。心も身体も満腹になります。

 お父さんも、

「やっぱり、スイートコーンは美味しいね、生きててよかったと思えるね」

 と言ってくださって、みんなも口々に、「あま〜い!」と言ってくれました。

 ああ夢が叶った、やったね、スイートコーン! と、ふたりでハイタッチをしているような気持ちになりました。

 スイートコーンの物語は、まだ途中。現在、収穫は二弾まで進んでいて、三弾もひげが枯れ始めています。八月までには、三弾の収穫も終わりそうです。

 なのはなの夏を彩ってくれるスイートコーンとともに、過ごす時間、みんなの笑顔を見られる時間が、宝物になっています。ありがとう、スイートコーン!