毎年、六月といえば、この古吉野周辺でも蛍が見られる時期がやってきます。
田植え最終日、家族みんなで池上田んぼの手植えをした日の夜に、近くの滝川沿いまで、みんなと蛍狩りツアーに出掛けました。食事の席などで、あゆちゃんから、今年も蛍が出てきているという話、夜には息と一緒に吸い込んでしまいそうなくらい、たくさんいたんだという話を聞かせてもらっていて、みんなと見に行けるのが、朝からとてもわくわくしていました。
お母さんのアイデアで、年齢の若い子たちや、くじ引きに当たった何人かの子は、今年初めて浴衣も着させてもらって、近場ではあるけれど、ちょっぴり特別な夜をみんなと楽しむことができて嬉しかったです。
私も年の順で浴衣を着させてもらった一人だったのですが、浴衣姿の子が何人かいるだけで、その場の雰囲気が明るくなったり、いよいよ夏が始まるんだなと、季節を感じたなと思います。
夜八時過ぎ、日も完全に落ちて外が真っ暗になった頃、みんなで揃って古吉野の坂を下り、滝川沿いまでやってきました。坂を下りて田んぼの脇に差し掛かったところから、「あ、いる!」と叫ぶ誰かの声が聞こえてきたと思ったら、すでにぽつりぽつりと、川の向こう岸に飛んでいる蛍らしき光が目に入ってきました。
■手に届きそうな
最初は一匹二匹だったのが、川下の方に歩いていくにつれて、だんだんと数も増えてきて、蛍同士でタイミングを揃えているのか、茂み全体に明るい光が集まっているところもありました。蛍たちがまるでイルミネーションみたいについたり消えたりしている光景がとても綺麗で、そんな光景をみんなと見ていると、不思議と心が安らぐのを感じました。こんなに間近に蛍が見られる環境や自然があることが、ありがたくて幸せなことだなと思いました。
うなぎ取り畑の近くまで来て、堤防沿いの滝川を見渡せる開けた場所で足を止めて、みんなとしばらくゆっくりと蛍の飛び交う様子を眺めました。自分たちのすぐ近くの草むらの、もう少しで手に届きそうなところにも、何匹も蛍の様子が見えました。
途中、みつきちゃんやななほちゃんがススキで捕まえたという蛍をホタルブクロに入れて、みんなに見せてくれました。私はホタルブクロに入った蛍を実際に見たことはなかったのですが、たった一匹なのに結構な明るさでびっくりしたのと、その淡い光が幻想的で綺麗だったなと思いました。赤い頭をしているだけで普通の虫と見た目はあまり変わらないのに、光を出しているのが不思議だなと感じるくらいでした。
お父さんが蛍について色んな知識を教えてくれたりもして、それを聞きながら見ていると、一層、蛍たちが可愛らしい存在に見えてきたなと思います。
たっぷり一時間ほど蛍を堪能して、また古吉野まで歩いて戻りました。
日中はかなり暑さを感じていたけれど、夜の空気はひんやりとしていて風が気持ち良くて、身体も心もリフレッシュされて、夜の蛍ツアーが嬉しかったです。