【7月号⑮】「なのはな産の小麦粉、百パーセント! ―― 手打ちうどん作り ――」さくら

食堂が手打ちうどん会場となりました!

  

 須原さんが教えてくださって、食堂でうどん作りをしました。

 六月十六日、朝食のとき、食堂に入ると、黒板にうどんの作り方と絵が描かれてあって、楽しみな気持ちになりました。

 盛男おじいちゃんが教えてくださって、以前、河原上の畑で育てた小麦を、須原さんたちが前々日に製粉をしてくださってできた、なのはな産の小麦粉、百パーセントで作りました。

 盛男おじいちゃんが、この小麦でうどんを作ったら、おいしいのができる、と言われていたことを、やよいちゃんが話してくれました。小麦を収穫したとき、盛男おじいちゃんと落ち穂拾いをしたことも思い出して、なのはな産の小麦で作れるうどんがとても嬉しかったし、おじいちゃんにも食べてもらいたいなと思いました。

 材料は、一人前が強力粉七十五グラム、水三十八グラム、塩一・五グラムです。塩を入れる効果を須原さんが教えてくださって、面白かったです。一つ目は、グルテンの形成を促進するため、二つ目はうどんのつるんとした照りを出すため、三つ目は塩味をつけて美味しくするためで、夏場は塩を多くして塩分を摂れるようにしたり、冬場は逆に塩を少なくしたりするそうです。塩が何役もできることが、すごいなと思いました。

  
  
 食堂の机にビニールが張られていて、三列の机で六チームに分かれて、一チームにつき十人前を作りました。

■だんだんときめ細かく

 作り方は、まず塩と水を混ぜて、塩を溶かして塩水を作ります。強力粉をボウルの中にいれて、そこに塩水を回し入れます。

 粉っぽいところがなくなるように混ぜていきました。はじめはポロポロした塊や粉っぽいところがあって、まとまるのかな、という感じでしたが、交代でこねていくうちにまとまっていきました。小麦のいい香りがしました。粉っぽいところがなくなったら、五等分にして、一人が二人前分をさらにこねていきました。

 パンの生地をこねるように、体重をのせて、しっかり、こねていきました。こねて伸びたときの生地の肌がだんだんときめ細かくなっていって、つるんとしてきました。十分くらいよくこねたら、生地に皺がないようにまとめて、水分が蒸発しないようにラップをして、十分から十五分ほど寝かせました。皺がなくなるように生地をまとめるとき、台の上で生地を回すようにすると良かったです。

 生地を寝かせている間に、うどんの切り方を須原さんが見せてくれました。

  
  
 二・五ミリ厚のベニヤ板を切ったものを用意してくださっていて、生地の横にベニヤ板をおいて、生地とベニヤ板の上で麺棒を転がすようにして伸ばすと、簡単に二・五ミリくらいの厚さに生地を伸ばすことができました。

 伸ばすときには、生地がまな板や麺棒にくっつかないように、片栗粉の打ち粉をしました。打ち粉の濃さは、少なすぎるとムラができて、均一にファンデーションを塗るようにと教えてもらいました。

■手前から奥に一回で

 伸ばした生地に打ち粉をして半分に折って、また打ち粉をしてもう半分に折りました。

 うどんを切るとき、包丁で手前から奥に一回で切っていきました。ノコギリのようにすると、うどんが縮れ麺になってしまうそうです。伸ばした厚みと同じ、二・五ミリの幅で切りました。

 十回くらい切ったら、打ち粉をして、麺をほぐすように断面にも打ち粉をつけていきました。しっかりと打ち粉をしていないと、時間が経ったとき、麺同士がくっついてしまうそうです。 

■難しいことを簡単に

 須原さんから切り方を教わったあと、十分ほど経った生地のラップをとってみると、生地がしっとりとしていました。寝かせることによって、グルテンの成分の配列が均一になるそうです。
  
  
 また少しこねた後、皺をなくしてから生地を伸ばして、うどんを切りました。二・五ミリ幅で同じように切っていくのは難しかったけれど、切った後のうどんが、右手に持った包丁の横に、同じ幅に綺麗に並んでいくと嬉しかったです。

 二・五ミリ幅に切ったうどんは細いけれど、茹でたら二倍に大きくなると教えてもらいました。

 台所で、須原さんや、どれみちゃん、ひろこちゃん、なつみちゃんたちが、うどんを茹でてくださいました。茹で時間は十五分と教えてもらいました。

 フライヤーでは、河上さんとまちこちゃんが、エビが入ったかき揚げを揚げてくださっていました。

  
  
  
 昼食はかき揚げが乗ったぶっかけうどんでした。もちもちしていて、こしがあって美味しかったです。麺の短かったり太かったり細かったりもなくて、本格的でした。

 うどん作りは難しいイメージがあったけれど、初めてでも簡単に作ることができました。

 須原さんが建築の作業のときも、「難しいことを簡単に、簡単なことを楽しく」と考えてくださいます。今回のうどん打ちも、とても楽しかったです。