【7月号⑫】「高いレベルの楽しさを! ジャガイモ掘り」やよい

   
 春のジャガイモ掘りを行いました。
 山小屋のおじいちゃんの畑三枚に、梅林、山小屋前の畑と、古吉野は新いいとこ畑、梅見畑。今季のジャガイモの総面積は三反七畝ほどありましたが、人数はコンパクトに、二日ですべてのジャガイモ堀りを終わらせることができました。

 なのはなのジャガイモ堀りでは、三人トリオか四人クアトロチームになるというのが、恒例のとても効率的な掘り方で、今年もこの方法を使います。その掘り方がいつも新鮮です。

 スコップを持って掘る人は、スコップを手離さず、掘るだけ。補助の一人か二人は、土の中から上がってくるジャガイモを瞬時にコンテナに入れていくという役割があります。

 スコップ係が体力を使いそうですが、一番忙しく重要なのは補助の人です。補助の人が見落としなく、すべての芋を素早く回収していくことで、堀りの人は自分の力が倍増したかのような気持ちになり、安心してスピード感を持って、潔く進んでいけます。
  
  
■強い気持ちで挑む
  
 一番最後に行った、梅見畑で行ったジャガイモ堀りが一番印象に残っています。
 梅見畑のジャガイモ堀りは午前、午後を通して、一日をかけて行いましたが、午前は四人チームが三組、午後も三組とコンパクトな人数で行いました。

 梅見畑は長辺が五十六メートル、短い辺が二十メートルで、古吉野の坂を歩いて下るときに見える光景も、畑に中に入っても、なんだか奥行きがすごく長くて広い、という印象が強くある畑です。そんな畑に立つ自分たちは、はたから見ると、ジャガイモ畑に少し埋もれるようにも見えるんじゃないかと思いましたが、一人ひとりが力を出せば、確実に終わっていくと信じられたし、今日でジャガイモ堀りは絶対に終わらせるんだ、という強い気持ちで挑みました。

 私はあきなちゃんとペアで掘り、掘り上がっていく芋が埋もれる前に、ほしちゃんが土の上にポンポン上げていってくれます。
  
   
 小さい芋が多い箇所は、芋の数も多くて、回収は大変でしたが、ほしちゃんが根気強く見逃しがないように続けていました。

 一ペアで一畝、二畝と畝をまるごと終わらせていくのは、少人数ならではの達成感がありました。一畝終わってふと振り返ると、幅五十センチくらいの道路のような土の上に、掘り上げたジャガイモが並んでいて、そのまっすぐな道はジャガイモロードとみんなで呼びました。その道を見ると、この長さを掘ってきたのだ! という嬉しさがこみ上げました。
  
  
 ハードな作業でしたが、途中で、ななほちゃんとなつみちゃんペアの、「ヨ!」「ホ!」という太鼓の練習で培ったと思われる力強い掛け声が聞こえてくると、楽しい気持ちをもらいました。
 傷芋が出たら、スクワット十回! そうまえちゃんが罰ゲームを考えてくれたけれど、一番はじめに罰ゲームをしたのはまえちゃんでした。

■疲れも忘れて、楽しい

 終盤に、あきなちゃん、ほしちゃんは芋回収に入り、私は、まえちゃんとどれみちゃんが掘るチームの補助の回収係をさせてもらいました。

 回収の役割にずっと入るのは、初めてでした。
 土の中に刺されたスコップが起き上がってくると同時に、見逃しなく、視界に映る黄色のジャガイモを瞬時に回収していく、それは本当に息を吸う暇がないくらい、集中力と瞬発力と速さとが必要でした。 

 特に、一部小さい芋が多い箇所は、個数も多いから、回収するのが本当にてんてこまいになってしまって、笑いがこみ上げてきたけれど、でも、そうやって上手い下手は関係なく、全力で、とにかく必死に芋にしがみつくように、ものすごい速さで手で握って土の上にあげていくのが、何かの獲物をしとめる動物になったような、私の中の野性的な本能が、その数十分だけ目覚めたような気持ちになりました。疲れも忘れ、楽しいなと思いました。

 まえちゃんも、「これぞジャガイモ掘りだね」と笑っていました。

 お父さんが見つけてくださった方法は、そのメンバーがはまると本当に凄みが出ます。この楽しさを私も、もっと実感できるように力をつけて、そして次回のジャガイモ掘りでは、新しい人や少しでも多くの人とこの高いレベルの楽しさを味わえるようにしたいなと思いました。

 ジャガイモは夕方五時にすべて掘り終わり、回収には桃の作業だった人、水やりだった人、他の作業の人も駆けつけてくれて、無事にコンテナに回収をして、体育館に広げ終えることもできました。

 芽かきなどの手入れが遅れたことで芋のサイズ、収量が控えめだったことが、とても悔しかったですが、この悔しさをばねに秋に作るジャガイモでリベンジします。

山小屋の畑で収穫したジャガイモの回収
には、永禮さんも来てくださいました

体育館で干したジャガイモは、み んなで種芋や大きさごとに選別 し、貯蔵しました

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ウズラの雛が仲間入りしました!

  
  
 孵卵器であたためていたウズラの卵が孵り、5羽の雛が生まれました!成鳥も含め、なのはなのウズラは全部で10羽になりました。

 6月25日に生まれた5羽のウズラたちは、今日も、エサをついばんだり、うたた寝をしたり、と元気な姿を見せてくれています。これからもたくましく育っていきますように。