【7月号⑥】「ポポーの種まき」りな

 池上桃畑の奥に、ひっそりと植わっている一本の果樹。去年からたくさん実を付けだしたポポーの木です。ポポーの実は、ひょうたんのような形をしていて黄色く、中はとろーりカスタードクリームのような見た目をしています。マンゴーとバナナを掛け合わせたようなトロピカルな味で、去年の十月ごろにみんなで美味しく頂きました。

 その時に取っていた種を、いよいよ種まきする時期になりました。種まき適期は、五月〜七月、二十五度から三十度程の気温になった時で、ちょうど良いタイミングで種を蒔くことができました。
  
  
 種は、十月からずっと、冷蔵庫で保管していました。種に冬が来たことを感じさせるためです。その間は、種まき出来る日を心待ちにしていて、ついにその日がやってきたことが嬉しいなあと思いました。
  
■一粒ずつ、丁寧に

 冷蔵庫から種を取り出すとき、まるでタイムカプセルを掘り起こした時のように、ワクワクした気持ちになりました。ポポーの種まきは、初めての試みで、緊張したのですが、せいこちゃんが一緒に作業してくれて、とても心強かったです。

 今回は、二つのパターンで試して、どちらが発芽しやすいのかを実験することになりました。一つ目のパターンは、種まきする前に、一時間半ほど水に浸ける方法です。もう一つは、種の殻を、カッターで少し削ってから、種まきする方法です。

 ポポーの種は、柿の種とそっくりで、平べったいだ円型をしている、茶色い種です。種の表面は、硬い殻で覆われていて、光沢を帯びてツルツルしています。でも、一か所だけ、ざらついているところがあり、そこから根が生えてくるのだと知りました。
  
  
 根が生えてくる場所は傷つけずに、そっと一粒ずつ、丁寧にカッターで削っていきました。種の中には、胚芽が入っているように見えました。水を含んで、芽が起きてくれたらいいなと願いながら作業をしました。

 ポットに入れる土も、少し工夫をしました。せいこちゃんと早速、ブレンド土を作るために材料集めをしました。

 ポポーの種まきの土に、落ち葉堆肥と畑の土をふるいに掛けたものを使いました。畑から吉畑手前ハウスに材料を運んで、いよいよブレンド土づくりを始めました。

 落ち葉堆肥と、畑の土を一対一の割合で混ぜました。畑の土だけだと締まるけれど、落ち葉堆肥を入れることで、空気が入って少しふかふかした土になりました。

 ポットに土を詰めて、ポポーの種を蒔きました。一粒一粒、せいこちゃんと「芽が出ますように!」と思いながら種まきしました。種まきした後は、吉畑手前ハウスの中で、毎日水やりをしています。

 種の上の覆土を、フカフカした種まき培土をしたりと、種まきをした後も、試行錯誤しながら良い種まき方法を見つけているところです。ポポーの芽が出るのは、種まきしてから約一か月後のようです。それまで、気持ちを切らさずに、ポポーの芽が出やすい環境を保っていきたいです。

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―― スモモの収穫が始まりました! ――
  

池上スモモ畑にある、12本のすももの樹。
 地域の方から受け継がせていただいた9品種のスモモを育てています。
その中の、大石早生、プラム井上、メスレーという品種のスモモが採れ始めました!
  
  
毎朝、桃メンバーでスモモの収穫もしています。