「守りたい一心で」 りな

6月27日

 午前、午後と、桃の収穫や作業に入りました。昨日、はなよめがたくさん収穫できたので、今日は収量は少なかったけれど、あんなちゃんとペアで収穫をさせてもらって、近くであんなちゃんが収穫基準や、桃の採り方を教えてくれた時間が嬉しかったです。私はまだ、収穫の時に手跡を出してしまったり、枝あたりを出してしまう時があって、一つひとつの桃や、枝に対しても、優しく労わって丁寧に接するように、常に心掛けたいなあと思いました。

 スモモの収穫にも今季初めて入らせてもらいました。スモモも、桃と同じく毎日収穫に行って、一番よい熟れ時期にとっています。昨日、畑を通りがかって見た時よりも、たくさん熟れていて、1日でこんなにも熟すのだと改めて驚きました。今は、2本の品種の木を収穫しているのですが、真ん中の一番大きな木も、少しずつ熟れ始めてきていて、これから、スモモもたくさんの品種が採れ始めるのだろうなあと楽しみになりました。

 スモモの枝に、ブドウのように実が鈴なりに付いていて、グラデーションで赤く色づいてきていました。枝が垂れ下がって、人が通れるアーチのようなものが出来ている光景が、まるで童話の世界に出てきそうなほど神聖で、綺麗だなあと思いました。
 三分の二ほど色づき始めている実が、一番良い収穫基準だと、あんなちゃんが以前教えてくれました。一方向から見ると、熟れているように見えるけれど、反対側はまだ青かったりして、スモモの収穫基準も難しいなと思います。でも、熟れすぎず、若すぎず、一番おいしいスモモを今日もたくさん収穫することが出来たかなあと思って、嬉しかったです。

 奥桃畑の収穫に行ったときに、あんなちゃんと少し日川白鳳の木を見ました。あんなちゃんが、日川白鳳も熟れてきていて、明日ぐらいから収穫できるかもしれない、と話してくれました。人が美味しいものは、鳥も美味しくて、日川白鳳に少し鳥に食べられた被害があったので、今日の午前中に、急遽ネットを掛けることになりました。

 ネットを倉庫から取り出したり、道具を準備するところから始まりました。今季初めてのネット掛けが、少し緊張しました。
 桃メンバーの中には、ネット掛けの作業に入ったことのない新しいメンバーもいました。私はもう新しいメンバーではなくて、去年に何度もネット掛けの作業に入らせてもらいました。いつまでも、あんなちゃんに教えてもらって、動く人ではなくて、経験で分かることや、知っていることは、どんどんみんなに伝えたり、一緒に共有して、自分から発信していく1人でないといけないなあと思いました。今日は、それがあまりうまくいかなくて、少し手間取ってしまったところもありました。誰がいてもいなくても、いつでも自分に出来ることは何か、考えて動きたいと思いました。

 でも、今の桃メンバーのチームワークで、日川白鳳4本のネットを午前でかけ終えることが出来て、とても嬉しかったです。巨大なポールに、巨大なネットを掛ける作業は、とても壮大で、難しいけれど、達成感もおなじくらい大きかったです。桃の木を囲んで、白いベールのようなネットが掛かっている光景が、遠くから見ても目を引いて、とても綺麗でした。まるで天蓋つきのベッドみたいだなあと思いました。

 午後、選果ハウスで桃の嫁入り準備をしていると、「バリバリ」という雷の音と、稲妻が光っているのがみえました。
「ブルーシート敷きを出来たら嬉しいです」
 あんなちゃんの一言と同時に、誰もが何を言わずとも、すぐに出動態勢に入りました。

 奥桃畑に向かいました。軽トラに乗っている間も、空がどんどん黒い雲で覆われて、稲妻が何度も光っていました。畑について、ダッシュでブルーシートを掴みます。今日から、はなよめだけではなく、日川白鳳にもかけました。

 日川白鳳は、今日ネットを掛け、支柱も立てていたので、ブルーシート敷きは少し複雑でした。でも、誰が何を言わなくても、誰かがネットを上げて、誰かがブルーシートを敷いて、誰かが重石を置いて、と一人ひとり自分にできる役割を全うしていました。本当に一つの畑を敷くのがあっという間でした。誰もが、雨から桃の木を守りたい一心で、作業しているのが、緊張感のある空気から伝わってきて、そのなかで同じ気持ちで動いている時間が、嬉しかったです。

 奥桃畑から、開墾17アールに向かっているとき、ついに大粒の雨が、軽トラの窓に当たってきました。全速力で、畑に向かって、一目散に、日川白鳳の木まで走りました。
 雨が強くなる前に、ブルーシートを敷くことが出来て、とても嬉しかったです。甘い桃を収穫できるように、桃を守る1人になるんだと思うと、とても嬉しいし、一緒にブルーシートを敷いたメンバーのみんなとなら、きっと甘い桃ができる、と思いました。

 夕食後、OMTで、この3日間で成長したことを話しました。思っていた以上に、たくさん話すことが出来ていることにびっくりしました。たった3日間、されど3日間、進み続けることを止めなければ、毎日ほんの少しのことでも、成長することが出来るんだと思うと、希望が持てるような気がしました。
 一緒に話した2人も、たくさん話してくれました。その中には、自分と通じると思うところもありました。
 自分から、明るく外向きにいることは、みんなにとっても力になって、優しいことなんだと思います。このところ、集合で話をしてくれた、りゅうさんやなおちゃんのように、私もいつでも何者かの人を演じながら、明るく、前向きであり続けたいです。