【6月号⑦】「知恵と工夫で、美味しい料理を ―― 新企画 なのはな料理の鉄人 ――」りんね

  
 今年の山小屋キャンプで、新たに加わったイベント、“なのはな 料理の鉄人”。限られた食材と調理道具を用い、火起こしから、自分たちだけで行って、料理を作る。

「炊飯器が無くても、火と鍋さえあれば、ご飯が炊けるんだよ。これからの時代、自給自足ができたら、一番強いと思うんだよ」

 お母さんが、教えてくれました。

 “料理の鉄人”は、盛男おじいちゃんの山小屋、という素晴らしい環境で、そんな自給自足の力をつけるために、企画されました。

 私は今回、あゆちゃんを中心に、料理の鉄人の実行委員チームになりました。みんなより一足先に、料理の鉄人のテーマやルールを、あゆちゃんから聞かせてもらったとき、おじいちゃんの山の中で、みんなで作る料理が、キラキラ光って頭に浮かび、嬉しいな、きっと楽しくなるだろうな、と感じました。
  
  
 実行委員では、主に調理道具や材料の準備をしました。限られた道具でも、八チーム分の鍋、フライパンなどを揃えていくと、かなりの量がありました。まりのちゃんと一緒に、チームごとに段ボールに道具を分けて、チェックリストにチェックをしていきました。
  
 まりのちゃんが台所チームのまりこちゃんたちと、連携を取ってくれて、責任を持って道具の準備、管理をしてくれたことが、とても心強く、ありがたかったです。

■三つの食材

 材料は、あゆちゃんと一緒に、人参や玉ねぎ、ジャガイモなどを準備しました。材料の分量は、台所さんが普段作ってくださる、なのはなカレーに入っている、野菜と同じ分量です。

 あゆちゃんと、キャンプらしい根菜の具材を、各チームに向けて袋詰めするだけでも、とてもワクワクした気持ちになって、楽しかったです。
  
  
 当日に、各チームのみんなが、しっかりといい料理を作れるように、あらかじめ、どんな料理を作るか考えておく時間がありました。

 料理には、なのはなカレーで使う具材のほかに、三つだけ、各チームで好きな食材を選んで使うことができます。

 実行委員のチームも、自分たちの夕食を作らなければならないので、どんな料理を作るか、夜に会議を行いました。

 決まったのは、ジャガイモを薄く切って、生地に見立てて作るラザニア。三つの材料には、チーズとホワイトソース、トマト缶を選びました。

 鍋に具材を重ねて作るラザニアは、少し大胆で、キャンプらしくて、どんなふうになるのかな、とワクワクした気持ちになりました。
  

■料理の鉄人、本番!

 山小屋キャンプ二日目、吹き矢大会の次に、いよいよ料理の鉄人が行われました。

 オープニングでは、実行委員は、お揃いのバンダナを首に巻き、片手に玉ねぎか人参を持って、壮大なBGMと共に登場しました。

 不敵な笑みを浮かべた実行委員が並ぶと、なのはなの料理の鉄人である、お父さんが登場し、みんなへ向けて一言、「健闘を祈る!」と大きく声をかけてくれました。

 調理時間が始まると、みんなの気合と、火起こしの熱が相まって、山小屋前の会場が、熱気でいっぱいになりました。

 あゆちゃんチームでは、まず火起こし、お米炊きをする人と、野菜を切る人、ひき肉を炒める人に分かれました。
  
  
 私は、ジャガイモ、人参、玉ねぎ、水菜などの野菜を洗って、切っていきました。ジャガイモは、ラザニアの生地の層にあたります。なるべく薄く切って水に浸し、フライパンで茹でました。

 人参、玉ねぎは、ひき肉とトマト缶と一緒に、ラザニアの具になるように、みじん切りにしました。調理道具が限られているので、普段は捨ててしまうような、袋や食品トレイも貴重でした。

 野菜が一通り切れて、少し手が空くと、あゆちゃんが、「桃ジャムドレッシングを作ろう!」と言ってくれました。桃ジャムは、なのはなカレーの隠し味に使われているので、今回も材料に入っていたのでした。

 ドレッシングの材料として、私は、さやちゃんと一緒に、山小屋の畑に植えられている、柚子を取りに行きました。おじいちゃんの山から、直接材料を採集させてもらえることが、すごく嬉しかったです。

 あゆちゃんが、桃ジャム、サラダ油、みじん切りになった玉ねぎ、柚子の皮、塩、に、手で柚子の果汁を絞り入れて、ドレッシングを配合してくれました。このドレッシングは、水菜と和えてサラダになりました。

 そうこうしている内に、お米を炊いてくれていた鍋から、甘い香りが漂い、鍋を火からおろしました。しばらく蒸らしてから、鍋の蓋を開くと、つやつやした、すごく美味しそうなご飯が……! 無事に、ご飯を美味しく炊けたことが、すごく嬉しかったです。

 大詰めには、フライパンに、ジャガイモ、ミートソース、ホワイトソース、チーズ、という層を敷いていき、ラザニアを作りました。すごく豪快でした。
  
  
 最後のチーズの層は、どうしてもチーズを溶かしたいのだけれど、上から炙る方法に窮しました。そこで、私はあゆちゃんと一緒に、意を決して、燃えている炭をトングで掴んで、直接、ラザニアの上に近づけることで、チーズを炙りました。

 我ながら、あまりにも大胆な光景がおかしかったです。思わず笑いが込み上げて、手が震えてしまったのですが、みんなから、「りんねちゃん、鉄人だよ」と言ってもらって、無事にチーズが溶けたので、嬉しかったです。

 最後は、みんなのプレートにラザニア、ご飯、サラダを盛り付けました。
  

■結果発表

 調理時間、終了。
 みんなの前のステージに、各チームのプレートと、料理の題名が書かれたプラカードが、並びました。
  
  
 パエリア、ナポリタン、キーマカレー、トマト煮込み、ラザニア、オムレツパスタなど。各チームの集大成である、彩り豊かで、とても美味しそうな料理が、集結していました。

 それを、お父さん、お母さんが一口ずつ味見をして、審査をしてくれました。審査結果を待ちながら、待ちに待った、みんなで作ったばかりの夕食を頂きました。
  
  
 メインのラザニアは、はっきりとした味わいで、とびきりの美味しさでした。手作りドレッシングは、水菜と相性抜群で、はちみつ梅のように、酸っぱくて甘くて、美味しかったです。鍋で炊いたご飯も、本当に美味しくて、とても満たされた気持ちになりました。

 結果発表では、盛り付けの美しさで、ゆいちゃんチームのキーマカレープレートが受賞し、最優秀賞には、なんと、あゆちゃんチームのラザニアが発表されました。
  
  
 予想外の受賞に驚いてしまいましたが、最後まで焦らず、堂々たるラザニアを作りながら、みんなを包んでくれたあゆちゃんの力だなあ、と感じました。

 料理の鉄人は、初めての試みだったこともあり、審査の流れや、材料の量、料理のテーマなど、改善すべきことは、たくさんありました。けれど、更によくしたルールで、次回の山小屋キャンプでもやろう! ということに、なりました。

 何より、それぞれのチームで、みんなが全力を尽くして、楽しめたから、次へつなげることができたのかな、と思いました。そういう意味では、料理の鉄人、大成功。
  

 みんなで、おじいちゃんの山小屋で行う、新たなイベントを成功させることができて、すごく嬉しかったです。