【6月号⑤】「山に囲まれたステージで一夜限りのスペシャルライブ」よしえ

  
 盛男おじいちゃんの山に響く、お父さんとお母さんの歌声。

 山小屋キャンプ初日の夜は、ずっと楽しみにしていた、お父さんとお母さんのスペシャルライブ。今回は、バーベキューをしながらの、野外ライブです。

 なのはなでのバーベキューは、もちろん火起こしから始まります。テントを立てた時やウォークラリーの時に、みんなで集めた小枝と木炭を使って、火を起こします。

 みんなが起こしてくれた火は、強過ぎず弱過ぎず、丁度良い加減で、野菜やお肉が上手に焼けました。バーベキューの度に、みんなの火起こしの腕が上がっているような気がします。
 
 私は今回、火起こし担当ではなかったのですが、私も、いつ、どんなときも逞しく生きられるように、上手に火を起こせるようになりたい!! と、次回は是非、火起こし担当になってみたいと思いました。

 豚肉、牛肉、ソーセージ、アスパラ、ジャガイモ、サツマイモ、タマネギ、キャベツ、そして、ウォークラリーで採ったタケノコ、おまけに薄く切ったお餅がついて、なんとも豪華なバーベキューメニュー。

「おー、このお肉、良い具合に焼けた!」
「豚肉は、かりかりが美味しいんだよね」
「このタマネギ甘ーい!!」
「アスパラには、たれは付けない派」
「今日の焼きおにぎり、今までで一番上手に焼けた!!」

 など、チームのみんなの、バーベキューに対する熱い想いが伝わってきたし、お肉と野菜を焼くことが、こんなにも楽しいことなのかと思いました。

 親しい人、大切な人と、食べること、飲むこと、会話を楽しむ。目の前の一つひとつのことに、心を動かし、それを仲間と共有する時間。
 
 ドラム缶を囲んで頂く夕食に、お腹はもちろんのこと心も満たされ、またみんなとの幸せが積み重なった時間でした。
  
  
 いつの間にか辺りが暗くなり、バーベキューの火と温もりが心地よくなってきた頃、お父さんのギターの音と共に、山小屋スペシャルライブが始まります。 

 一曲目は、リクエスト曲が一番多く、私も大大大好きな曲。
『大空と大地の中で』もちろん私も、リクエストしました。

「果てしない大空と広い大地のその中で、いつの日か幸せを自分の腕で掴むよう」
「生きることが辛いとか苦しいだとか言う前に、野に育つ花ならば、力の限り生きてやれ」

 なのはなに来てすぐ、お父さんとお母さんが歌っているこの曲を聞いた時、「野に咲く花のように、精一杯生きたらいいんだよ」そう優しく、背中を押してもらったような気がして、涙が止まりませんでした。

 この曲を聞くと、今でもその気持ちが蘇り、力をもらえるのです。そして今、こうしてみんなの中でいられること、仲間と喜びを共有して、笑顔でいられること。

 不確実な幸せを先送りにするのではなく、目の前にある日々の幸せを感じて積み重ねることが本当の幸せなのだと、改めて感じました。
  
  
 歌の合間に、「キャンプ」や「サバイバル」「料理」についての質問にも、お父さんとお母さんが答えてくれました。

 ――今までキャンプをした中で、一番印象的だたことは?
 ――キャンプに持って行った方が良いと思うものは?
 ――キャンプの中で、一番の楽しみは?
 ――今まで食べてきた世界料理の中で、絶品だった料理は?
 ――料理をする時のポイントは?

 中でも印象的だったのは、キャンプに持って行ったほうがいい物でした。
「ロープ」洗濯物だけではなく、釣った魚も干せるから
「ナイフ」拾った木の枝をお箸にだってすることが出来るから
「リュック」両手が空いて、移動しやすい……など。

 物に溢れ返っている今、キャンプだけではなく、そういう「生きる知恵」を普段から持っていることは大事なことだと思ったし、これから先、必ず知っていて良かったと思える時が来るような気がして、教えてもらえて嬉しかったです。

 お母さんが、「テントでゆっくりと本を読むのが楽しみだった」とお話ししてくれたのも印象的でした。

 これまで山小屋キャンプでは、山の中で思い存分遊んできたけれど、考えてみると、テントの中でゆっくりしたことってあまりなかったかも知れないと思いました。

 山に囲まれた静かで穏やかな空間。そして、時々聞こえる鳥や虫の声。 そんな中で、心を落ち着かせて本を読み、そして、読書の合間に、ハンモックに揺られながら、少しだけ眠る。想像しただけで、とても贅沢な時間で、私もいつかやってみたいと思いました。

 まだまだライブは続きます。お父さんとお母さんが歌ってくれる曲は、聞く度に好きになっていきます。
 
 お父さんの全力で歌う姿。力強い歌声。そして、お父さんの隣で、リズムを取るお母さんは、時々お父さんを、優しい笑顔で見つめます。

 その光景を見るだけで、私の心は安心して穏やかで優しい気持ちになれるのです。 盛男おじいちゃんの山に囲まれたこのステージ。家族みんなで、お父さんとお母さんの弾き語りを聞いて過ごす時間。

 きっと盛男おじいちゃんも、このスペシャルなライブを、私たちの側で聞いているだろうなと思って、おじいちゃんの笑顔が浮かびました。

 山小屋だけが別世界で、時間が止まっているような気がしました。そして永遠にこの時間が続けばいいのに。そんなことを想っていました。しかし、現実はそうはいかず、とうとうラストの曲となりました。
  
  

『HERO』
 私の大好きな曲の一つ。

 みんなで歌うこの曲。歌っていると、本当に自分がヒーローになった気分になり、元気が湧いてきます。 

「山小屋ライブ、終わって欲しくない!!」そんなみんなの想いが伝わり、アンコール曲も、お父さんとお母さんが歌ってくれました。

 たっぷりと、お父さんとお母さんの弾き語りを聞けた時間に、心満たされました。今まで、お父さんとお母さんのライブで、私はいつも力をもらっていました。けれど最近は、お父さんとお母さんが歌ってくれる声や姿に、心が浄化されていく感覚を覚えます。

 お父さんとお母さんに大きく包み込んでもらって、雑念や小さなことを洗い流してくれているような、そんな気持ちになります。プラスのものだけが、心の中に残っているような、そんな感覚になります。

 今回の、お父さんお母さんの山小屋スペシャルライブでも、私の心は浄化され、プラスのもので満たされました。

 こんな風に、美しいものや優しいものだけを残していけたら、どんなに素敵なことだろうと思います。

 山小屋での特別な時間。また、私の中で、幸せが積み重なりました。
  

【コラム】~ テントの中での出来事 ~
  
  
 森男おじいちゃんの山にテントを張って過ごした夜。
 テントの中では、トランプゲームやお話し会で盛り上がりました。
  
  

 テントの中で眠りについてからは、地面の傾斜のために、寝袋ごと転がってしまった人もいたり、朝起きたら、チームメンバーのみんなが自分の使っていた寝袋を全て自分にかけてくれていた、というエピソードもあったり。

 それぞれが、テントならではの面白さ、喜びを感じた一夜でした。