【6月号③】「新アトラクションは、夢のような遊び!? ―― 山小屋キャンプ初日は、ウォークラリーへ出発 ――」みつき

 
 山小屋キャンプといえば、山小屋ウォークラリー!盛男おじいちゃんの山を、思いきり遊んで堪能することができる、毎年恒例のイベントです。
 
 今年は、ゆりかちゃんチームとやよいちゃんチームが実行委員を担当することになり、わたしも、初めてのウォークラリーの実行委員をさせてもらいました。

 初回の集まりで決めたことは、まず、山の中にどういったチェックポイントを作るか。残してくれてあった、過去二年間のウォークラリーのまとめの資料を見ながら、みんなで話し合いました。
  

山小屋ウォークラリーへ出発!

  
「このゲームは人気だったから続けたいね」「このゲームはあそこの場所でやりたいね」
 と、参加する側と実行委員側の、両方の目線で考えることができました。

 そして、いちばん大切な、どういったテーマでゲームを進めていくのかについて、みんなでアイデアを出していきました。

「ものが限られていても、自分たちの力で生活できるようになってほしいよ」

 お母さんが、みんなにそう話してくださったことをきっかけに、今回は「サバイバル・ウォークラリー」がテーマに決まりました。

 それぞれのチェックポイントでゲームをすることで、知恵や能力を得ることができる、そんなウォークラリーです。ウォークラリーを楽しんでもらうために、カード集めの要素も盛り込むことになりました。

「わたしは小さいころ、カード集めがすごく好きだったんだ」

 やよいちゃんが、ちょっぴり照れくさそうに、そう教えてくれました。

 それを聞いて、わたし含めみんなも、「わかるよ~!」と、即座に共感してしまいました。
 自分だけではなかったんだなあと感じたし、とてもなつかしくて、幼い頃の自分のときめきが、よみがえってきました。
  
  
 また、お父さんに相談に行かせていただくと、わたしたちの心を読んでいるかのような、とびっきり楽しいアイデアを教えてくださいました。

「ターザンになって、木と木のあいだを移動するんだよ」

 それを聞いた瞬間、ビビビッと来て、またもや幼い頃の自分がここにいるように感じました。そんなときめきや、あこがれを胸にしながら、制作や準備を進めました。

 まず、「夢のカード集め」の実現化です。
 各アトラクションを体験することで獲得できる、スペシャルカードを手作りしました。おとぎ話に出てくる妖精の女の子をイメージして描いたイラストに、一枚一枚色塗りをして、完成させました。
  
  
 わたしはイラストを描かせてもらい、それをまなかちゃんとあきなちゃんが、「楽しい!」と言いながら、黙々と色鉛筆で塗っていってくれました。

 作っているうちに、「あれもしたい、これも加えたい……」と思いが膨らみすぎて、かなり時間がかかってしまいました。みんなに手伝ってもらって、ウォークラリー当日の前夜まで、作り続けていました。

「カードを大量生産するのは無理があったのかな」と、何度も申し訳ない気持ちが芽生えてきたけれど、実行委員のみんなの言葉を聞いていたら、そんな気持ちもスッと消えていきました。

「本当にかわいい! 絶対に宝物になるし、集めたくなっちゃうよ!」
 と笑ってくれて、ちょっぴり大変だったけれど、それ以上のうれしさに変わりました。
  
  
 そして、「ターザン」の実現化です。
 わたしは、まなかちゃんとあきなちゃんと、このゲームの係を担当させてもらうことになりました。

 頭の中にあるぼんやりとしたイメージは、木の枝に垂らしたロープにしがみついて、「あ~ああ~!」と叫びながら、滑り降りていくジャングルの子ども。

 しかし、道具や仕組みなど、考えることは山積みでした。ロープで木と木を移動するとなると、どんなロープ? どう木に縛るのか? 木の強度は大丈夫? うーん、詳しい人に聞いてみるしかない…!

 さっそく、須原さんの元へ伺って事情を説明すると、快く協力してくださいました。須原さんとお父さんの手によって、もう翌日には、おじいちゃんの山の中には、あるものが登場していました。

 それは、「ジップライン」!
 木と木の間にラインが張ってあり、上に滑車が付いたロープにまたがって、滑り降りていける仕組みです。桃の枝釣りで使われていたワイヤーロープとワイヤークリップが、ここでも使われています。本格的で、本当にアスレチック公園にある遊具そのもの!

 

「アーアアー!」

  
 下準備に行ったとき、一足先に、体験させてもらいました。ロープに取り付けた丸太にまたがって、思い切って頂上の台から飛び降りると、「シャーー」という音とともに、風になったように滑り降りていくことができました。凄く気持ちいい! 思わず「あ~ああ~!」と叫んでしまいます。

 滑るだけでも楽しいのに、実行委員のみんなから、こんなアイデアが飛び出しました。

「文字を解読しながら、降りていくというのはどうだろう」

 木の幹に小さく文字を書いた紙を貼って、もう一度滑り降りてみます。すごいスピードのなかで、木のほうに意識を集中させると……読めるような気がする!

 須原さんが、ぽつりと、「ひっかけ問題みたいにしても良いと思うよ」と言ってくださって、ただ滑るだけじゃない、けれど簡単すぎず難しすぎない、面白いミッションを作ることができました。

 滑り降りた先の木のふもとを見てみると、あれ? 足の高さほどに張られている、この太いロープは何だろう。
  

休憩スペースには『スラックライン』

  
 須原さんによると、これは、「スラックライン」。

 これもアトラクションのひとつでした! 綱渡りのように、このロープの上を歩いて遊びます。ロープは伸縮性があり、幅は少し足がはみ出るほどなのですが、隣で指一本でも支えてくれる人がいたら、意外にも渡ることができました。

 なんて楽しいんだろう! 新アトラクション、これは、みんなが絶対に喜んでくれるはず!
 当日を迎える前に、一足先におじいちゃんの山を歩き回って、ウォークラリーの下見をさせてもらいました。

 坂道で湧き出て流れる雨水、ふかふかとした踏み心地のウッドチップ、みずみずしい森の空気。ダークマターがたくさんいるのではないか、とても解放されるような気持ちになりました。みんなが訪れるときのことを想像しながら、道の草刈りや整地をするのがうれしかったです。
  
  
 いよいよ当日、山小屋キャンプ一日目がやってきました。ウォークラリーが始まる直前には、実行委員のみんなでオープニング寸劇を披露しました。

 アトラクションのラインナップは、タケノコ掘り、射的、ターザン、くくりわな、吹き矢。それぞれのチェックポイントで待っている係の実行委員が、その道のプロとして、その能力をひとりひとりアピールしていきます。
  
  
 例えば、タケノコれいこさんや、ターザンのま~なか~!さん、トラップガールあんなさんと、相棒の、ケイトラップけいたろうさん。

 濃いキャラクターたちに、チェックポイントに行って会えるのが待ち遠しくなるような、サバイバル精神が燃えてくるような、ウォークラリーのはじまりです!

 実行委員のわたしたちは、同じカラーのバンダナをして、「がんばろうね」と、チェックポイントに散らばっていきました。
   
  
 みんながやって来るのを待っていると、早く来てほしい!と思うけれど、来ちゃったらどうしよう! なんて思ったり、ドキドキワクワクしました。

 ついに、その時がやってきて、みんなの足音や話し声が聞こえてきて、姿が見えました。こちらの姿が見えるなり、わたしたちよりも先に、みんなが、「あ~ああ~!」と声をかけてくれたのでした。

 その瞬間、とてもほっとしました。自分もみんなも楽しもう、楽しませよう。その気持ちだけが浮き上がってきました。
  
  
 わたしは、みんながターザンロープにまたがる際の補助や、合図を出す係をさせてもらいました。

「三、二、一、あ~ああ~!」この掛け声で、みんなが足を踏み出して、滑り降りていきます。ちょっと悲鳴を上げている子、思いきり身を預けて滑っていく子……。最後には、全員が笑顔で、口をそろえて「すごく楽しかった!」と言ってくれました。
  
  
 残念ながら、木の幹に貼った紙の文字を解読するミッションは、少し難易度が高くなりすぎてしまったのですが、みんなが、「そうだったのか~、面白い!」と笑ってくれました。

 スラックラインも好評で、来てくれたチームの全員が、順番に渡って遊んでくれている姿がありました。

 そして、「あ~ああ~! ありがとう!」と言いながら、帰っていってくれました。
 夢のアトラクションを実現できたことが、その瞬間に居られたことが、本当にしあわせでした。

 ウォークラリーが終わって、山小屋の元へ帰ってきました。
 
 各チームの得点票を見てみると、制限時間もあったはずなのに、どのチームも全く時差がなくて、びっくりしてしまいました。

 予定時間通りに進められるかどうか、みんながのびのび楽しめるかどうか。この二つは、最後まで実行委員の悩みどころだったのですが、帰ってきたみんなの姿から、達成できたのではないか、と感じることができました。
    

優勝した青チームは、手をつないでバンザイ!

  
「ずっとやってみたかったんだ!」「ずっとこれが欲しかったんだ!」

 みんなの夢と希望を叶えること、それは自分の夢と希望でもあって、みんなの願いが叶えられたこと、喜ぶ姿を見られたことが、本当にうれしかったです。

 今年もウォークラリーは大成功で、おじいちゃんの山を遊びつくすことができました。また訪れることのできる日が、今から待ち遠しいです! おじいちゃんの山、ありがとう、ま~たね~!