「ゆりかちゃん」 るりこ

6月14日

○ゆりかちゃん

 今日は村田先生の誕生日。村田先生がなのはなに来てくださる日は雨が降ることが多かったけれど、今朝も1日中、雨が降り続きました。ずっと雨が降る、雨が降ると予報があって、結局降らずじまいのことが多かった最近では、雨は野菜には恵みでした。

 黒板に、まよちゃんが先生の似顔絵を描いてくれて、そっくりな村田先生の似顔絵に、久しぶりに先生にお会いできたような気がしました。
 夕食後には、みんなで黒板を背にして、みんなで集合写真を撮りました。
 東京でホームページを見てくださっている村田先生に、みんなからのお祝いの気持ちが届いたらなと思います。

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 午後から、父の日に行われる『ケニー・モナーク・フェスティバル』に向けて、8つのフラダンスチームが発表されて、早速、振り入れや練習が始まりました。

 わたしは、なのはなで初めて紅白歌合戦に参加したとき、初めて聴いた『ハワイアン・アイズ』に魅了されました。そのときから今でもずっと、『ハワイアン・アイズ』が1番くらいに好きな曲で、今回も候補曲を選ぶときに、迷わずこの曲を第1希望に選びました。前回の『ケニー・モナーク・フェスティバル』のときは、あゆちゃんや、しほちゃんたちが踊っていたと思います。
 今回、念願の第1希望が通って、ふみちゃん、まみちゃん、あんなちゃん、ひろこちゃんと5人で、『ハワイアン・アイズ』を踊らせてもらえることになりました。

 今日は主に、ゆりかちゃんが振り入れをしてくれました。
「この曲が1番くらいに難しいかもしれない」
 練習が始まってすぐに、ゆりかちゃんがそう話してくれました。曲先行で選んで、踊りの難易度は全く考えていなかったので、ゆりかちゃんの言葉はかなり驚きでした。
 わたしはダンスの覚えが悪いので、(難しいの選んじゃったかな?)と思ったのですが、ゆりかちゃんが手と足の振りを言葉にした、振りの解読表を作ってくれて、渡してくれました。
 1番、サビ1、2番、サビ2、間奏、サビ3……と続きますが、1つひとつ、ポイントとなる動きを、ゆりかちゃんの言葉でわかりやすく書いてくれてありました。
 
 最初に、過去の卒業生の先輩たちが踊っている動画を見せてくれました。ファーマーズで踊っている動画だったのですが、目の前に池があり、その中をカモの家族が優雅に泳いでいて、その後ろで3人の先輩たちがパレオの衣装を着て踊っていました。
 少し長身の3人の動きはぴたっと揃っていて、大人っぽさが感じられました。
 ゆったりしているようにも見えるけれど、時にびしっと決める、速い動きも含まれていて、飽きを感じさせない踊りに目が離せませんでした。
 これを踊れる、覚えられるのだと思うと、とても嬉しくなりました。

 それから、まずは1番をゆりかちゃんが前で踊りながら、伝えてくれました。
 『ハワイアン・アイズ』は繰り返しの振りというものがほとんどなくて、サビも1番、2番、3番で異なります。手や足の振りはこれまでやったことがあるものが多いけれど、右から出るのか、左から出るのか、次の動きがなかなか掴めないところが難しいところなのかもしれないと思いました。
 何度も大混乱したけれど、ゆりかちゃんが書いてくれた解読表を見ながら、そのあとはひたすら時間いっぱい、ひろこちゃんと繰り返し練習をしました。

 だんだんと身体に入ってきたころに、再び、ゆりかちゃんがやって来てくれて、一緒に練習に付き合ってくれました。
「すごい! 踊れてる! 踊れてる!」
 ゆりかちゃんがグーサインを作りながら、笑顔でそう言ってくれるたびに、ゆりかちゃんの肯定的な空気に安心して、より練習が楽しくなっていくのを感じました。
「2番もいってみる?」
「サビの2番までいっちゃおうか!」
 初めは1番とサビ1を今日覚える予定でいたけれど、ゆりかちゃんが練習に顔を出してくれるたび、踊れてきているから次もいこう、とどんどんと教えてくれました。

 ゆりかちゃんが前で踊ってくれる、手、足、腰の動きはとても柔らかくて、でも大きさや深さもあって、ゆりかちゃんが見ている景色が、わたしにも見えてくるようでした。
 そんなゆりかちゃんに、また新たな曲を教えてもらっていると、曲を超えて、新しい世界を見せてもらっているようにも感じ、とてもとても贅沢で嬉しい時間だと思いました。

 何度も何度も踊っていると、少しずつ身体に入っていき、自分がどこが忘れっぽくて苦手なのかも見えてきました。
 そうして自分の苦手なところや曖昧なところに気づいた上で、ゆりかちゃんに改めて教えてもらったり、もう一度前で踊ってもらうと、(あぁ、こうだったのか!)と解読が進んでいきました。1つひとつがはっきりしてくると、自然と意欲も湧いてくるし、踊ることの楽しさを思い出してきました。

 最後まで、ゆりかちゃんが気に掛けてくれて、声をかけてくれました。
「ハワイアン・アイズ、難しいけど、2人とも、とても良い調子だよ!」
 まだまだできていない部分が多いけれど、どんなときもゆりかちゃんが良いところだけを見て、前向きな言葉で笑顔を向けてくれました。ゆりかちゃんの笑顔を見ていると、そうやってこれまでも、ゆりかちゃんの優しさにたくさん救われてきたことを思いました。
 そして、ゆりかちゃんがフラダンスを踊る楽しさを教えてくれたのだと思いました。

 ゆりかちゃんといたり、ゆりかちゃんと話しているだけで、自然と元気が湧いてきました。フラダンスのことはもちろんだけれど、わたしも誰かと接するとき、誰かに何かを伝えるとき、ゆりかちゃんのように笑顔と肯定的な言葉、一緒にいると安心する温かさを持てる女性になっていきたいと思いました。
 明日は、ゆりかちゃんの誕生日だと知って、さらに嬉しくなりました。

 ゆりかちゃんのおかげで、初日にして希望が感じられました。
 ゆりかちゃんに、「ありがとうございます」と言いたい気持ちでいっぱいです。