「出し尽くした力で」 るりこ

5月28日

○泥んこ運動会
 今日は本当に本当に本当に、楽しい泥んこ運動会でした。
 何か1つ、「これ!」という面白さではなくて、どの競技も甲乙がつけられないくらいに、5種目すべてが楽しかったです。

 わたしは緑チームで、お仕事組さんが大勢いるメンバーでした。チーム発表があって、顔合わせをしたときには、まことちゃんやひろちゃんが、「珍しいメンバーだねぇ」と言っていましたが、結果として大逆転の1位になることができて、チームワークも最高でした。

 第1種目は、新ゲームの『タオル相撲』で戦いました。昼食のときに、お父さんがいくつか技を教えてくださり、そのなかでも、「力がないと思う人には、これがいいですね」と教えてくださった、巻き込み作戦。
 第1試合目で、ななほちゃんがりんねちゃんとの対決で、見事巻き込みから浴びせ倒しをして勝利を決めている姿をみて、わたしもこれでいこうと思ったものの、いざあやかちゃんとの勝負が始まって、タオルにグルグルまきついてみたけど、あまり効果がなくて、結果として、負けてしまいました。
 その後にお父さんが、「体重を全て相手にかけないといけない」と教えてくださって、グルグルするだけではダメだったのだなと、まだまだだと感じました。

 第2種目のチャンバラは、個人的には冷静に戦えたなと思いました。
 毎回、打ち合いになると、目をつぶってしまって、相手が見えないままに闇雲に棒を振り回して切られるパターンが多かったけれど、今日は一度打ち合いになったあとに、冷静になれた瞬間があって、振り回すのをやめて、ゆかこちゃんをしっかり見定めたら、頭に隙が見えて、その瞬間を狙いました。バシッと気持ちよく決まったときは快感でした。
 初めてチャンバラで勝つことができました。

 第3種目のポートボールは、初めてやる競技でしたが、最高に盛り上がりました。
 緑チームは2試合目だったので、1試合目は応援をしていたのですが、戦っているみんながものすごい勢いだけど、何をしているのかわからないようなところもあって、とにかくがむしゃらな姿が大笑いでした。だんだんとボールも潰れてしてしまうし、もう大変でした。
 でもいざ自分が試合に出る番になってみると、足が取られて思うように全然動けないし、ボールを持つと、みんなが一斉に群がってきて、自分も焦って変な方向にボールを投げてしまうし、グラウンドと田んぼの中でやるのって、こんなにも違うのかと驚きでした。

 そのなかで、青チームはフォーメーションや連携が素晴らしかったです。
 りゅうさんからふみちゃん、ふみちゃんからどれみちゃん、どれみちゃんからゴールのゆりちゃんへのパス回しが、敵チームだけど見ていて惚れ惚れするほどで、本当に格好良かったです。ふみちゃんのパスをどれみちゃんが絶対にキャッチしている姿や、りゅうさんから飛んできたボールをふみちゃんが軽く触っただけで、ゆりちゃんの元へポーンときれいに入っていく瞬間が、写真を撮ったように頭の中に残っています。本当に格好良かったです。

 わたしたちのチームは1試合目は、青チームに惨敗で、その要因はフォーメーションを守れなかったことでした。あまりにも青チームが強くて、何だか傍観者になっていては負けてしまう! と焦ってくると、とにかくボールに食らいつかなければと思えてきて、訳もわからずに走ってしまいました。だから必要以上に無駄な体力を使い果たしてしまって、試合が終わったときはゼーゼーハーハーで、もう全部の力を使い果たしてしまったと思うくらいの疲れだったけれど、休憩時間にりゅうさんから作戦を教えていただき、2試合目からはフォーメー-ションを守り、必要以上にボールに飛びついていかないことをチーム内で共通認識をしたら、4点を入れて、勝利することができました。

 ポートボールは見ていてもやっていても本当に面白くて、お母さんが言ってくださったように、これは恒例競技にしたいです。心の中では、(もう1試合したいな)と思っていました。

 第4種目は定番のリレー対決。わたしたちのチームはあまり深く考えないで、ジャンケンで走順を決めました。
 1ゲーム目は、4位から始まったのですが、途中で追い越しをして、アンカーのまちちゃんはトップでバトンを受けました。結構ダントツだったので、これは1位は確定だと思ったその瞬間、走り出したまちちゃんが一歩目で顔面から泥の中に突っ込んでいって、見る見る追い越されて、まさかの最下位になってしまいました。でも残念というよりも、まちちゃんの思いがけない展開にチーム内は大爆笑で、そうやってみんなと、勝利よりも仲間のもとへ駆け寄って笑いとばせる空気がすごく温かかったです。

 お母さんや永禮さんたちからアンコールの声があり、もう1周、走ることになりました。
 2ゲーム目はお父さんからの発表で、「反則なし」ということで、相手への妨害もあり。これは吉と出るか凶と出るかわからなくて、個人的には下手な真似はしないで、走ることだけに集中しようと決めて臨みました。

 以前の泥んこ運動会で、田んぼの中を走るコツとして(今日も教えていただきましたが)、水をかくように、足を上げて水面を走ると、足が泥の中に埋もれなくて速く走れるというお父さんのアドバイスを思い出して、今日はそれを徹底しました。そうすると、これまでは田んぼのリレーは苦手だと思っていたけれど、今日は予想外に速く走ることができて、チームにも貢献できました。

 アンカーのまちちゃんが走っているときは、後ろからものすごい険相で駆けてくるやよいちゃんが恐ろしくて、「まちちゃん、逃げてーーー!!!」と叫んでいたのですが、どうにか逃げ切り、飛び込みでゴールラインを切って、どうにか2位になることができました。

 最後の第5種目目は『タイヤ取り』。昨年の秋の運動会の竹取物語では実行委員で、ずっとやりたいと思っていたので、田んぼの中で念願のタイヤ取りがかなり燃えました。
 応援しているときは、5分って長いなと思っていたけれど、やっているともう無我夢中で5分が意外とあっという間に感じたことが予想外でした。

 得点3倍の大きなタイヤの取り合いは、一度、本当にゆいちゃんが泥の中に埋もれかけて、耳も埋もれて、顔しか浮かび上がっていなくて、本当にゆいちゃんがやばいと思いました。でもゆいちゃんは、「大丈夫!」と意外と元気な声を上げていて、それからはまたものすごい取り合いになりました。れいこちゃんが上からのしかかってきたときは、一瞬、(まずい!)と思ったけれど、意地でもタイヤに食らいつきました。

 そんなとき、天使が下りてきたように、さやちゃんが助けにきてくれて、さやちゃんの大きな「せーの!」という掛け声と共に、さやちゃんのものすごいパワーで一気にタイヤが緑チームの陣地へと動きました。さやちゃんが力持ちだということは知っていたけれど、こんなにパワーがあるとは思っていなくて、本当にさやちゃんの威力がすごかったです。

 さやちゃんのおかげで2本の大型タイヤが見事、緑チームの陣地近くに引っ張り上げることができて、小さなタイヤも含めて9点も獲得することができました。
 起き上がってから、誰と戦っていたのかわからないくらい、みんなが泥の中に埋もれて見分けがつかなかったです。でも食事のコメントで、ゆいちゃんがせいこちゃんにこちょこちょをしていたというのは面白すぎました。

 本当に楽しかったなと思う気持ちと、もう一つ、自分のなかで嬉しい変化がありました。
 これまでずっと、戦うことが嫌いでした。それが例え遊びの中のゲームだったとしても、敵に勝つということが、自分にはできないと思っていました。相手を傷つけることが怖くて(実際にそうではないとわかっていても)、自分が勝って、相手が負けるということを、自分なんかがしてはいけないことだと感じていました。
 だから力を出すのも怖くて、いつも心の中で(自分は負けるのだろうな)と、戦う前から負けた自分を思い浮かべて、負けを決めつけている部分もありました。
 そして実際に負けると、(やっぱりな)と自分に対する諦めと、でもどこか相手に対して傷つけなくてよかったと安心した気持ちもあって、でも本当の本当は、勝ち進んでいく強気な子の姿をみて、自分もそうなれたらと思う気持ちもありました。どうして自分は弱腰なんだと、どうして自分は強気で戦いにいけないのだろうと、自分自身に対する腹立たしさもありました。

 でも今日の自分を思い返すと、どの種目に対しても、(絶対に勝ちたい)と思っていました。相撲は負けたけれど、チャンバラは勝てると初めから信じていました。
 ポートボールやタイヤ取りでも、奪い合い、取っ組み合いになったとき、絶対に離すもんかと思いました。引きずられても、押しつぶされても構わないから、絶対に勝ちたいと思っていました。
 それだからかわからないけれど、今日は身体がものすごく使いやすくて、自分の身体だけど、自分の身体じゃないような感覚があって、どこまででも体力が続きそうな気持ちでした。

 全試合が終わって結果発表があり、緑チームが1位だと聞いたとき、ものすっごく嬉しかったです。チームみんなで掴んだ勝利。誰かが特別秀でていたわけでもなく、一人ひとりが出し尽くした力で勝ち取った勝利で、今日の自分は例外じゃなく、その力の一部になれていたと、今日の自分はウォッチャーではなく、プレイヤーとしてその場にいられたと思いました。
 その変化を感じられたことが今日は嬉しくて、泥に全身まみれて、雑念も一部流されたような気がします。
 また明日もやりたいくらい、本当に楽しかったです!