【5月号⑭】「作業が終わったら桃畑に集合! ―― 優しい気持ちで溢れている桃畑 ――」まなか


 コンサートのホールいりが始まったころ。

 ぽつぽつと咲き始めた古畑の桃の花を車の窓越しから見るたびに、みんなの口から出てくるのは、

「コンサートが終わったらみんなでお花見したいねえ!」

 という言葉だった。

 桃はピンクが濃くて、桜よりずっと好きだと言う子も何人もいるので、みんなでゆっくり見られる日を心待ちにしていた。

 なのはなに来る前もお花見をするのが好きで、毎年桜や梅を見に行っていたけれど、桃の花を見に行ったことは無かった。考えてみたら身近な桃の花は、ひな祭りの時に飾る造花だけだったかもしれない。

 コンサートが無事に終わった二日後。その日の昼食は、みんなが桃畑に集合して念願のお花見!暑いくらいに輝く日差しの中、台所さんがお花見プレートを桃畑に用意してくれていた。

 その日の作業で摘花したばかりの桃の花が一人ずつついていて、プレートでもお花見が出来る仕様でとっても可愛い。

 午前中ばらばらに分かれて作業していたみんなが、それぞれ集まってくるのもなんだか嬉しかった。食事中に聞こえてくる声も、気持ちのいい陽気のことや、先日のコンサートのこと、お父さんの桃の話しや、たけちゃんの笑い声、みんなの明るい雰囲気に包まれているとダークマターがふわふわ集まってくるような気がした。
  
  
 みんな食べ終わってからも花冠を作ったり、四つ葉のクローバーを探したり、のんびりと桃畑を満喫できたのも幸せ。

 ごちそうさまの前には、お父さん、お母さん、須原さんが選んだ好きな数字に当たった人が一芸を披露してくれました。

 『桃の唄』をみんなで歌う中で踊って見せてくれたり、『赤いスイートピー』を歌ってくれたり、コンサートで出てきたたかおさんのモノマネでみんなもにこにこ!

 美味しいご飯にたっぷり笑ったのとで心も身体も元気がもりもり湧いて、幸せなお花見を過ごせた。

 桃畑は、人を癒すような優しい気持ちに溢れているような気がする。こんなふうに、みんなの笑顔や笑い声が響いている桃畑だから、うんと優しくて、うんと美味しい桃ができるんだろうなあと感じた。