「身体で感じながら」 ななほ

5月20日 金曜日

 昨夜の集合で『恐れの気持ち』について、お父さんが話してくれました。
 もうダメだと思うのも簡単。前向きに頑張ろうと思うのも簡単。でも、その両方を同時に持つのが難しい。
 それと同じように、摂食障害の人は恐れの気持ちと前向きな気持ちを同時に持つことができないから、症状が出てしまうと教えてもらいました。
 
 それを聞いた時、スプリングコンサートで『ディープ・ウォーター』のコーラス練習をした時を思い出しました。
 「人は信念と共に若く、疑惑と共に老ゆる 人は自信と共に若く、恐怖(不安)と共に老ゆる 希望ある限り若く、失望と共に老い、朽ちる」。
 私たちは、サミュエル・ウルマンの『青春』の生き方を、死ぬまで続けないといけない。青春の詩に書かれてある、老いは、私たちにとっての依存であり、症状であること。
 
 私は摂食障害になった時、一言で言うと、絶望しかありませんでした。
 
 まだ小学生なのに、これから先、学校に通える見込みも、自信もない。摂食障害も治った人を見たことがない。
 入院しても頭の中は食べ物のことや不安でしかないし、いつも自分に嘘をついて、治ったふりをして、我慢して、自分の気持ちを押さえつけて、『青春』とは程遠い、日々でした。
  お父さんが「恐れの気持ち、小さい頃の恐怖が未解決のままだと、症状は無くならない」と話して下さり、本当にその通りだと思いました。

 じゃあ、どうして私は今、眼に見える症状が止まっているのか? 未来に希望を持つことができるのか?
「摂食障害を回復する時に一番大切な事は、利他心。信じる気持ち。きっと誰かが助けてくれる、きっと何者かが助けてくれるという気持ちが、安心に繋がる」
 お父さんの言葉に、改めて、なのはなファミリーの環境が、お父さんとお母さんの言葉が、私に希望をくれて、治る勇気をくれたと思いました。

 私はずっと、治りたかったです。でも、治りたい、よく生きたいという気持ちが強すぎて、今の自分を信じられなくなったり、いつかまた症状がぶり返すんじゃないか、自分はまた、嘘をついたように治った振りをしているだけなんじゃないかという気持ちがどこかであったと思いました。
 でも、今は未来に絶対いいようになる、私は大丈夫って、信じることができます。それは、お父さんのいうダークマターの存在、ダークマターの力を信じるということだと思いました。

 そして、お父さんとお母さんがいて、なのはなファミリーの存在があって、仲間がいて、私はもう1人じゃないし、何があっても大丈夫と思えます。私は助けてもらえるという信頼が、なのはなファミリーにあります。
 私は、よく生きたい、ちゃんとしたいという気持ちが強くある半面、そうしなければ症状が出ると思い、いつの間にか、ゴールを求めていたのかもしれません。でも、ゴール何てどこにもないと思いました。いつも、何歳になってもゴールはなくて、毎日が修行で、毎日が楽しくて、毎日今の自分がどんなに未熟でも、よく生きたいと願い行動し、たとえ失敗しても、挫けずに希望を持ち続ける。
 
 私はどこかで、ゴール、上がりを求めていたのかもしれません。ちゃんと自分と向き合えていなかったと思います。
 昨日の集合でのお話を、夜、もう一度考えた時、今までのMTや自尊心MT、コンサートに向かう過程で感じてきたことなどが全て繋がって、自分の中で何かが変わったような気がしました。
 
 なのはなに来てから今まで、自分がずっと停滞していたかと自分に問えば、少しは成長しているはずだとは思うのですが、いくつもの過去の壁を乗り越えてきた中に、1つだけ見て見ぬふりをしていた壁があったと思いました。それが、恐れかもしれません。
 まだ自分でも上手く頭に整理がついていないけれど、目の前にある幸せを全身で感じて、未熟なら未熟なりに、自分の全てをさらけ出すつもりで、ちゃんと生きていきます。

  
・桃の防除
 1日を通して、桃の防除をしました。私は桃の防除チームで畑を回らせて頂くのが初めてだったのですが、あんなちゃんが薬剤の作り方から、動噴の使い方、噴霧の仕方について1から教えてくれてとても嬉しかったです。
 
 桃の防除は1日で108本の桃の樹を回るため、2台の動噴で進めていきます。私はあんなちゃんチームで、石生、池上、古畑、夕の子、奥桃の畑を回りました。
 畑に着いてからは初めにあんなちゃんがお手本で噴霧をしてくれました。あんなちゃんの姿を目に焼き付けるように、集中してあんなちゃんの噴霧する様子を見て、どんな風に、何に気を付けて噴霧しているかを考えながら見ていました。

 3本目からは私も噴霧させて頂いたのですが、それが思っていた以上に難しくて、驚きました。防除はプランがないとできないです。

 ざっくりと、自分の中にこんな風にしようという流れはあっても、1本1本、樹が全く同じ形とは限らないし、葉の裏表に、全ての枝にしっかりと噴霧しなければいけないので、とても緊張しました。でも、あんなちゃんが「ここは先端までしっかりかける」「もう少し、下がってからストレートでかける」などとアドバイスをくれて、どうにか、1本、噴霧ができました。

 でも、さっき見ていたあんなちゃんの姿と比べると、自分はものすごく無駄な動きとか、重複して欠けている枝が多く、時間も薬剤の量も無駄が多いなと思いました。本当にあんなちゃんが噴霧すると、スピード感があるけれどしっっかりと、1枚1枚、全ての葉っぱに薬剤がかかっていて、それでいて、かけすぎたり、焦りすぎたりしていなくて、綺麗だなと思います。

 それからも、1本交代でみんなで噴霧を回しながら桃の防除を進めていったのですが、あんなちゃんの後ろで補助をしながら、あんなちゃんの噴霧の仕方、動き方、手の動かし方、いつ、どの位置からどこの枝に、噴霧をするのかを吸収しながら、石生の桃畑の噴霧をしていきました。

 桃の防除をしていると時間が飛ぶように過ぎていきます。でも、とても充実して、濃い時間だったなと思います。
 あんなちゃんにアドバイスをもらいながら畑を回っていくうちに、段々とコツがつかめてきたり、まだまだあんなちゃんのスピード感や無駄のなさには程遠いけれど、自分でも分かるくらいに、防除自体もやりやすくなり、スピードも質も上がっていくのを感じました。

 今まであんなちゃんやみんなが防除を回る畑の順番とか、車を止める位置、ホースを伸ばす場所、1本の樹のどこから初めてどこで終わり、次どこに行くかなども全部、確立されていて、それをメモに取る訳でも、言葉で聞くわけでもなく、眼で見て、身体で感じながら覚えて行く時間が嬉しかったです。
 
 桃の防除をしていると自分が噴霧していても、していなくてもずっと集中して、緊張感が続いていたのですが、薬を作り足す為に玄関に戻ってきた時にあんなちゃん達と小休憩をしながら、あんなちゃんが防除や薬剤についての話をしてくれたり、あんなちゃんの軽トラックに乗りながらも、防除が楽しい気持ち、集中するのが気持ちいい感覚が続いて、とても嬉しかったです。

 最後の奥桃畑では、1本、私が噴霧した後、残りはあんなちゃんが噴霧してくれたのですが、残り少なくなった薬剤の液で、あんなちゃんが無駄なく、かつ丁寧に噴霧していき、タンクが綺麗に空になった頃、ピッタリ、噴霧が終わった時は、ものすごく達成感を感じました。

 あんなちゃんと「終わったね。丁度だね!」と笑いながらものすごく、気持ち良くて満たされた気持ちになったし、そのまま池上のスモモ畑へと向かうと、丁度、もう1チームも噴霧が終わったところでした。
 防除が終わってからも、動噴や撹拌機、給水排水ホースを綺麗に洗い、片付けて、こんな風に桃作業に向えたり、桃を育てていけるのは幸せだなと思いました。
 
 今まで、この防除をあんなちゃん達が2人とかの少人数でしていたのかと思うと、本当にすごいなと思ったのですが、私もしっかりと防除の流れから、ホースの軌道、立ち位置、片付けまでを覚えて、少しでも役に立てたらいいなと思います。

 なのはなでみんなの力があったら、少人数の人に負担がかかる訳ではなく、大変なことも楽しいことも、みんなで一緒に味わって、乗り越えていけるのが嬉しくて、今年も、桃部会のみんなと美味しい桃が届けられるよう、今からの季節、収穫が終わるまで緊張感を持って向かいます。

 防除の後も桃の摘果に行き、今日で池上が終わりました。残すところ、開墾26アールと夕の子畑です。25日頃からは硬核期に入ると聞いているので、それまでに本摘果も終わらせたいなと思うし、硬核期には袋掛けも始まるかなと思い、とても楽しみです。
 
 最後に、今日、コモンマロウの花が咲きました。濃い紫色の綺麗な花で、夜明けのシトラスティーとも呼ばれる、色の変わる紅茶を作りたいです。
 また、家族が増えました。その名も、ガメラちゃんです。須原さんとなつみちゃんが見つけた、とってもとっても小さな、ガメラちゃん。その正体は、見てのお楽しみです。