「心の筋力」 ほし

5月16日

 今日の朝食前は、私にとって今季初めての絹さやの収穫を、のえちゃんとしました。
 絹さやの畑に行くと、莢が付いている株がいくつもあって、収穫基準の8センチに達しているものを見つけて収穫していくのが、楽しかったし、朝から青々とした新鮮な絹さやを見ると、フレッシュな気持ちになりました。
 絹さやの莢も花も茎も、なんだかお洒落な形だな、と思って、いつか、絵のモチーフにしたいな、と思いました。

 午前は、まえちゃんや何人かのみんなと、田んぼの畔づくりに行きました。
 玄関下に集まったとき、まえちゃんがはつらつとした笑顔で来てくれて、私も元気が出ました。
 初めに、那岐山3反田んぼの畔を作りました。
 畔の下の土、クワ1個分を上げて畔を形成していきました。
 まえちゃんの指示で、土が全部上げ終わったら、上げ終わった土をクワでペタペタと押して、平らにしていったり、畔の段差を、足でペタペタと押して、硬く、美しい形にしていきました。
 まるで、畔職人になった気分で、綺麗な形の畔を作っていくのが楽しかったです。
 全員で一列になって、畔づくりをしているのも、畔職人が集結しているようで、嬉しかったです。

 田んぼにお父さんも来てくださって、草刈りをしてくれていたことも、嬉しかったです。
 そのあとは、桃横田んぼに移動して、同じ要領で、全員で一列になって畔を作っていきました。
 作業を終えて、道路に上がって畔を見下ろすと、絵に描いたような美しい山脈が、そびえているように見えました。
 田んぼの作業は今季初で、これから田んぼも始まってくんだな、と思うと、豊かな気持ちになりました。

 昼食までに時間があったので、次は、梅林にカボチャの畝立てに行きました。
 事前に、米ぬかのラインを引き、篠竹をさしてくれてあって、それに向かって、饅頭型の畝を作っていきました。
 中に肥料を入れるため、3分の1くらいの高さまで、まずは上げました。
 途中でまえちゃんが、「外側のラインだけ作って、その中に少しの土を上げていくと早いよ」と教えてくれて、その方法をみんなで試すと、1畝2分くらいで、とてもスピーディーになって、気持ちよかったな、と思いました。

 それから、やよいちゃんが、休憩の時に、「腰叩き列車をしよう」と言ってくれて、みんなで一列になって、腰を叩き合いました。
私は、叩く相手がるりこちゃんで、「このへんが効いてますか」と声を掛けたり、私の腰を叩いてくれていたさやちゃんに、「もうちょっと上かな」と言いながら、身体もリフレッシュできたことも、気持ちが明るくなって、嬉しかったです。
 それから、お昼までに全部の畝を立て終えて、少し休憩しました。
 梅林奥の畑で、みんなで寝そべって、見晴らしのいい景色を見た時、凄く気持ちが良かったです。
 梅見畑が見えて、まちちゃんとまりのちゃんが管理機をかけてくれている姿がありました。
 気が付いたまちちゃんが、手を振ってくれたことも、嬉しかったです。

 午後からは、カボチャの定植でした。
 14人くらいのみんながいてくれて、全ての工程が、テンポよく進んでいる空気を感じました。
 午前立てた畝に牛肥と草木灰を入れて、それから、畝を形成していきました。
 今日は、クワで1日、整形しているなと思いながら、職人になった気分で楽しかったです。
 それから、畝に穴をあけて定植まで、気が付けば、「もう、終わったの」と少し驚くくらい、みんなのスピーディーな空気を感じました。

 この作業で、一番、印象的だったのが、バケツリレーでした。
 梅林の畑は、軽トラが入ることは出来ないけれど、みんなでバケツリレーをつないでいくことが、楽しかったです。
 定植が終わってからの水やりも、じょうろを渡していきました。
 これも、気が付けば、みんなが次々に水をやってくれていて、全部の畝に水が足りていました。
 最後のネット掛けまで、5時までに終わらせることができて、とても達成感を感じて、嬉しかったです。
 私は、カボチャの担当なので、しっかり見ていきたいなと思います。暖かかいシチューに入ったかぼちゃを囲んだ温もりのある食卓を想像しました。

 夜は、るりこちゃんと納豆水を作りました。
 さくらちゃんが、以前作ったことがあるということで、作り方を教えてくれました。
 納豆1パック(45グラム)につき、砂糖を大匙1杯と、水適量を、フードプロセッサーにかけて、原液を作って、それをぬるま湯で割って、1リットルの容器×2を作りました。
 砂糖を入れると発酵が進むんだということも伝えてくれて、それも発見だったな、と思いました。
 かぼちゃに、うどんこ病の予防で、やりたいね、と言っていたので、今日、2人で作れたことも嬉しかったし、納豆水の作り方も覚えられて、嬉しかったです。

 また、最近、夜の集合が嬉しいな、と思います。
 テーマは同じだけど、毎日、違うみんながいて、それそれの話を聞かせてもらえるのが、面白いなと思います。
 そのときの、前で話してくれたみんなのお話が印象に残りました。
 筋肉には、遅筋と速筋があって、遅筋は忍耐力や粘りで、速筋は瞬発力に作用していて、筋肉の強さは、心の強さと比例する。
 心にも、遅筋と速筋があって、傷ついた人はそのバランスが不安定で客観的に見ても危うい感じだけど、2つの心の筋力のバランスがとれると、心も安定する、というお話でした。

 そのことが、面白いなと思ったし、思い当たることがあるな、と思いました。
 普通のことを考えたりすること(人と何気ない会話をしたり、作業の記録や段取りを考えたり、日常的な事)すら、やり遂げる粘りや気力がなかったりして、本当に、安定するのが、遅くて申し訳なく思います。
 また、昨日、「仕事は見て覚える」ということを強く意識しようと思うことが出来て、自分が、直接作業をしていてもしていなくても、ウォッチャーじゃなくて、プレイヤーなんだな、と、やっと、認識できた気がします。
 少しでも気が緩むと、「自分はみんなと違う」「普通に生きられないおかしい人なんだ」という幻想に取りつかれてしまいます。
 少しでも、(楽しみだな)と思った事さえ、どこか、(私には楽しむ価値もない、いる場はないから)と、悪魔のささやきがずっと聞こえて、悲しい気持ちや安心出来ない感覚が拭えずにいました。
 その考えが走ると、疑心暗鬼になって、みんなのことも信じらなくなって、自分を一番信じて、ギスギスして、周りも見えなくなって、どんでもない態度を取って、みんなに迷惑をかけてしまったり、不快な気持ちにさせてしまうことがあります。
 その幻想は、何よりも厄介で、悲しいことだと思いました。

 けれど、この間、少し時間を貰って、お父さんと話させてもらったとき、私は、「評価に対する話に敏感になりすぎてしまう」と話すと。「普通の人は、もっと大らかだよ」と言ってくれて、最後に、「頑張ろう」と言ってくださって、私に対する答えをくださいました。
 すると、すっと心が軽くなって、ギスギスした心じゃなくて、本当の自分に帰れた気がしました。
 本当に、私に向き合ってくれているのを感じました。
 お父さんと話すと、私は、ちっともおかしくなんかないんだな、と思いました。
 自分を苦しくさせる気持ちを信じなくても、お父さん、お母さんを信じたらいいんだ、と安心した気持ちになりました。
 些細な会話に過ぎなかったけれど、凄く嬉しかったです。
 また、気持ちが悲しくなったりしたときも、誰かが話しかけてくれた何気ない一言で、元気になれる瞬間が、最近、増えたな、と思います。

 明日も、ジャガイモ土寄せがあると聞いたりしていて、朝起きるのも楽しみだな、と思うし、この先、夏にはまたキャンプ? があるのかな、と思うと、エネルギーが湧いてきます。
 この気持ちを大事に、明日も向かいます。