【4月号⑭】「真っ白な雪の妖精 ―― カリフラワーの初収穫 ――」なつみ

 

  
 つい最近まで雪の中に埋もれていた小さな菜の花の芽も、気が付けばグンと伸びて花を咲かせ始めるほどに暖かくなり、畑の野菜も厳しい寒さを乗り越えて、成長をし始めました。  

 わたしは、セロリや春菊が育っているハウスの向かい側、崖崩れハウス前下畑というところで、ブロッコリーとカリフラワーを担当で育てていて、ある日から葉が鳥に食べられてしまっていることに気が付き、みんなと鳥対策を行いました。  

 その翌日、一緒に担当しているしなこちゃんと一緒に畑の様子を見に行くと、鳥は一羽も居らず、ついでに野菜の様子を見ていると、目の端に掌以上の大きさがありそうな白い何かが映りました。  

 それは、九月に植え付けてから、十二月になってもできないできないと、心配していたカリフラワーでした。

■嬉しいニュース  

 茶色と緑の畑の中で、雪の妖精のように真っ白でボリュームのあるカリフラワーは、キラキラと輝いていて、本当にカリフラワーができるのか心配していた分、立派で美しい姿を見たときは、驚きと喜びでいっぱいになりました。

 しなこちゃんに、「見て!」と言って、そのカリフラワーを見せると、「うわぁ、大きくなってる! 収穫できそうだね」と、とっても嬉しそうな顔で言ってくれて、しなこちゃんの笑顔を見るとより一層嬉しい気持ちが増しました。  

 その時は、まさかカリフラワーが収穫できるとは思っていなかったので、収穫に必要な包丁と収穫かごを取りに古吉野に戻ったのですが、心の中では、 (あの立派なカリフラワーが、やっぱり夢だったらどうしようと) と、ドキドキして、消えてしまわないうちにと思って走って畑に戻ると、ちゃんと真っ白な雪の花嫁さんがそこにいて、傷つけないように、そっと包丁で株から切り離すと、ずっしりと重かったです。
   

緑の包みの中からは……。

  
 さぁ、この嬉しいニュースを早くみんなに伝えたい!と、また走って古吉野に戻って、リビングでラッピングを始めました。 わたしの頭の中では、もうすでに、(これしかない!)というラッピングの完成形がイメージされていて、絶対にみんながびっくりするだろうなと、ワクワクしました。  

 緑の紙を葉の形に切って、その紙でカリフラワーを包んで隠すように覆って、最後に、不織布を風呂敷のように使ってラッピングをすると、本当に畑で育っていた状態のように、カリフラワーの葉が、株の中心にある大事な花蕾を包んで守っているかのように表現できて、風呂敷を解いたときのびっくりしたみんなの顔を思い浮かべると、早くみんなに見てほしいなと思いました。  

 昼食で、お父さんの席の前に置かれた謎の緑の包み。「わたしをあけて」というメモ。 お父さんがそれを認識し、金のモールをとって開くと、みんなへ向けて、お父さんのびっくりした顔と一緒に、カリフラワーを見せてくれました。すると、みんなも驚いたような嬉しいような顔をしてくれて、もうわたしは大満足でした。
  
  
 種まきから、定植、追肥に土寄せ、大人数のみんなと手入れしてきたカリフラワーが、こんなに綺麗に育って、収穫できました! と、報告出来て、嬉しかったし、みんなとだから作れたのだなと思い、畑でみんなで作ったカリフラワーが、とっても愛おしく思えました。大事にしたいなと思いました。

■ブロッコリ―も  

 そして、畑ではカリフラワーの隣でブロッコリー第2弾も、収穫を迎えています。ドーム型で、手のひらサイズの頂花蕾が一つ四百グラム。

 第一弾で育てていた品種は、同じくらいのサイズで一つ二百グラムだったので、同じ大きさでも重さが倍も違うことにびっくりだったし、育っている経過を見ても、葉の角度が常に七,八十度あった第2弾の品種は、なのはなの畑に合っているということが、発見で、また次育てるときに活かせたらいいなと思いました。

 ブロッコリーは寒さにあたると、花蕾もアントシアニンで紫色になってしまいますが、茹でると、鮮やかな緑色になって、食卓を彩ってくれています。

 みんなで食べるために穫ってきたブロコッリーを台所に持っていくと、河上さんが嬉しそうな顔をして受け取ってくださって、それがとっても嬉しいし、良い野菜が届けられるように、より良く出来るように考えていきたいです。   

 最後に一つ、育てていて面白い発見がありました。 植え付けてから、二か月ほどして、ブロッコリーもカリフラワーも、根のところから脇芽が出てきていました。

 これをどうしようとお父さんに相談したところ、 「脇芽なんだから、頂花蕾が二つとれるんじゃないの?置いておいてみたら」 と話してくださって、そのまま手を入れずにいると、気が付けば、ブロッコリーは今、拳より少し大きな頂花蕾が一株から二つできていたり、カリフラワーは、大きくなった頂花蕾を収穫したあと、小さな脇芽が成長して大きくなっていて、お父さんが話していた通り、一株から二つとることもできることが分かって、面白いなと思いました。  

 これから暖かくなってきて、ブロッコリーは側花蕾がどんどん出てきて、大きくなるスピードも速くなり、カリフラワーは第二弾も穫れ始めています。良い時期に穫れるように、収穫の全体を見てくれている、ちさとちゃんとも上手に連携をとって収穫していきたいです。