【2月号⑦】「スプリングコンサートに向けてのダンス練習、始動! ―― 卒業生ののんちゃんのダンスレッスン ――」のん

 

1月の半ばから、卒業生ののんちゃんが、スプリングコンサートに向けて4曲のダンスの振り入れをしてくれました。今回のコンサートでは、大人数ダンスを多く取り入れています。貴重なのんちゃんとの練習時間を使って、全員で振りを覚えていきました。

 

 スプリングコンサートに向けて、怒濤のダンスの振り入れが始まりました。『マディ・ウォーターズ』から始まって、『バード・セット・フリー』、続いて『ホーリー・ウォーター』、そして『ハッピー・フェイス』。

 このダンスの振り入れの記事を書くにあたり、この一連の振り入れラッシュは一体いつ始まったのだろうかと『マディ・ウォーターズ』の振り入れが始まった日を、「今日のなのはな」の記事を見て確かめると、四曲目の『ハッピー・フェイス』が完成した日から、たった八日前。

 怒濤、ラッシュ、という言葉がしっくりきます。八日で四曲覚えた自分たちもなかなかすごいけど、この短期間で振り入れをしながら次の曲の振りを考えてくれていた、卒業生ののんちゃんは、すごいなんて言葉じゃ足りないくらい本当にすごいです。
  
■生物の一部に

 そんな振り入れウィーク初日は『マディ・ウォーターズ』。分子や原子をイメージした振りなんだと振り入れの日の朝食の席で教えてもらいました。
  
  
 一体どんなダンスなんだろう、と思ったけれど、振り入れをしてもらって納得。みんなでひとつの物体のような生物のようなものを構成して、それが曲に合わせて不思議な動きをするダンスになっていました。

 のんちゃんも言っていましたが、『振り』というよりは『動き』に近くて、一曲を通してそのひとつの生物がうごめいたり分裂したり、またひとつに戻ったりという、活動をみんなで規則的な動きをして表現する、という感じでした。

 身体を揺すられるみたいに揺らしたり、その生物が一点から引っ張られたみたいに全員で身体ごと腕をその点に向けて伸ばしたり、波のように腕を揺らしたり。そんな動きがダンスになるんだ、と思うような動きがたくさん出てきます。
  
  
 なかでも、このダンスの振り入れ前に練習しておいてほしいと言われていた前転。生物から一部がポンと飛び出していくみたいになるのですが、これがなかなか曲者でした。

 綺麗に、かつ痛くないように回るのが最初はすごく難しくて、頭をつかないように回ろうとすると、足が上がっているあまり、綺麗じゃない姿勢の時間が長くなってかっこ悪いし、頭をぶつけたら痛いしでなかなか上手く出来ませんでした。でもやっていくうちに頭をぶつけずに速く回る方法がだんだん分かってきて、やりやすくなりました。

 床に寝た状態で踊る振りもあり、目に新しい動きが盛りだくさんです。

 踊っていると、本当に自分がこの生物の一部になったような感じがして、今までのどのダンスより、ある種の一体感を感じやすい振り付けだと思いました。もっともっと踊っている自分たちも、見ている人も、1つの意思を持った生物に感じられるように踊りこんでいきたいと思います。
  
■ジャンヌ・ダルク
  
  
 次に振り入れしてもらったのは、『バード・セット・フリー』です。のんちゃんが、最初はそのつもりはなかったけど、振りを考えていたらジャンヌ・ダルクのようなイメージの振りになった、と教えてくれました。

 そのイメージのように、サビの振りで、剣の柄に手をかけて、剣を抜きざまに切り上げて、そのまま左右に振り下ろすような振りが出てきます。

 のんちゃんが、切り上げるときの一歩はなんとなく出すんじゃなく、大きく前に出てね、と教えてくれました。その堂々とした格好いい振りを何度もやっていると、自分の気持ちも強くなっていくような感じがしました。

 

 この曲の練習で最初に混乱したのが、あるパートのカウントはゆっくりのテンポで考えて作られているけれど、サビやその前のメロディーの振りは、倍のテンポで作られていたことでした。

 私はほとんど速いほうのカウントなのですが、ときどき、ゆっくりの人と同じテンポでステップを踏んだりするところがあって、戸惑いました。
  

剣をひき抜く勇ましい振り

 
 ダンスの基礎練習でステップをしたときに、最後に曲に合わせてやるのですが、最初はゆっくりやって、「じゃあ次倍速で!」と言っておきながら自分が混乱してテンポを掴めないという有様だったので、この振り入れの時に、二つのテンポになっちゃった、とのんちゃんが言っていた時には、(あ、これは難しいやつだ)と思いました。

 通して練習しているときに、自分が速いテンポなのに、ゆっくりのテンポでカウントを口ずさんでいる人がいると正直、「やめてくれー!!」と言いたい気持ちになりました。

 でもやっていくうちにゆっくりなカウントでやっている振りを倍速のカウントに頭のなかで直して、倍速のカウントをキープして踊れるようになってきました。

 本当に戦うような勇ましくて綺麗な振りなので、もっともっと身体に入れ込んで、気持ちを作って踊れるようになっていきたいです。

 次は『ホーリー・ウォーター』。スプリングコンサートで最後の曲、の予定の曲です。コンサート当日休みが取れたら、のんちゃんも真ん中で踊ってくれる、と教えてもらって、ぜひ帰って来てほしいなと思います。
  
■シンプルな動きを揃える
  
 『マディ・ウォーターズ』『ホーリー・ウォーター』、どちらも水がテーマとなった曲で、それを考えて曲を決めたわけではないはずなのに、縁があるみたいで面白いなと思います。

 『ホーリー・ウォーター』は今回の振り入れで最短の半日で完成しました。のんちゃんやあけみちゃん、しほちゃんが真ん中で踊るのを囲むようにみんながいます。
  

手の軌道を意識して

  
 腕を上に柔らかく伸ばしたり、左右に柔らかく振ったり、それから何度も出てくる印象的な振りで、聖水を手で受けて捧げ持つような動きが出てきます。曲に合わせてそれらの動きをしていると、心が洗われていくような、神聖な気持ちになっていきます。

 そんな風に真ん中で踊っている人以外の動き自体はシンプルなのですが、シンプルなだけに揃えるのがすごく難しいと感じました。

 あけみちゃんが振り入れしている間、他のメンバーで練習していて、私はそれをちさとちゃんと一緒に進めさせてもらっていたのですが、上げていく手が通る軌道や速さ、上げきったときの手の形、顔の角度など、細かいところが揃っていないとそれがはっきり見えました。

 細かい顔の上げ下げのタイミングや身体の向き、顔の向きを、その都度のんちゃんに確認しながら練習できたことは、すごくありがたかったです。もっともっと繊細に、みんなと揃えていきたいです。

 振り入れ四曲の最後は、『ハッピー・フェイス』。ピエロを連想させるコミカルさと、ちょっと妖しげな感じを持ち合わせた曲で、振付けも、可愛いなかに格好良さや怒りを感じさせる動きがあって、踊っていてすごく面白いです。
  
  
 のんちゃんが、この振りができる前、格好いいイメージだけではもったいなくて、可愛いイメージにしたら少し幼さが出てしまう気がして、どうしようか迷っている、と話してくれていました。

 実際にできた振りは、いつもは笑顔で演じているけれど、怒りを感じさせるような一カウント半の一瞬の動きがあったり、でもまた笑顔になって、最後はちょっと寂しさを感じさせるような雰囲気で、背中を向けて歩いて行く、そんなピエロのような人間らしくない動きのなかに、溢れんばかりの人間味を詰め込んだダンスになっていました。

 これを作ってくれたのんちゃんの気持ちに、自分の浅いレベルでかもしれないけれど、すごく共感して、このダンスを踊れることがすごく嬉しいな、と思いました。

 ただし、振り入れて最初は大混乱でした。ピエロみたいな両腕を直角に曲げたりする動きや、空気椅子に座ったりする動きがあるのですが、腕と脚と顔と、どれをどのタイミングでどう動かしたらいいのかを覚えてはいるのに、その通りに身体が動かなくて、ちぐはぐになってしまいました。

■曲の気持ちを自分のものに

 この四曲を振り入れしてもらっていて、自分が覚えやすいダンスと覚えにくいダンス、というか、覚えてすぐできるダンスと、覚えるのに時間がかかるダンスと、覚えたものを身体でやるのに時間がかかるダンスがあるんだなと気付きました。
  
  
  『マディ・ウォーターズ』は四曲のなかで一番、覚えるのに時間がかかりました。

 それに対して『バード・セット・フリー』は四曲のなかで一番覚えやすくて、踊れるようになるのも速かったです。一番振りらしい振りというのでしょうか、『マディ・ウォーターズ』は『動き』という感じだったのですが、これは全身使う『踊り』でした。

 足が横に出ていたら寄せてくる動きがあるのが自然だから、身体をひねったら戻す動きがあるのが自然だから、という感じで、いちいち頭で考えなくても、ポイントポイントのポーズさえ覚えていれば、動かしやすいように身体を動かしたら、次の動きが自然と決まってくる、という感じでした。

 『ホーリー・ウォーター』と『ハッピー・フェイス』は、覚えるのはそんなに難しくなかったけれど、実際に動くのが難しかったです。『バード・セット・フリー』は次の動きが身体にとって一択しかない、という感じだったのですが、この二曲は二択ある、という感じがしました。

 どういうことかというと、『ホーリー・ウォーター』は、踊った身体の自然ななりではいかない、カウントで身体のそれぞれのところに別々に神経を張り巡らせて、考えながらでないと動けない動きがところどころにあったのです。

 『ハッピー・フェイス』も、動きはイメージできるし、頭ではこのとき右足が上がる、とか、覚えているのに、いざ身体を使うと、カウントのスピードに、手足、首、顔に別々にこう動くんだ、という記憶を元にした指令を送るのが間に合わない、という感じでした。

 今まで覚えやすい振りとか覚えにくい振りとか、あまり考えたことなかったんですが、今回、四曲を一気に振り入れをしてもらったから、そんな違いに気づけました。どうしたら覚えにくい振りをもっと速く覚えられるようになるのかも、考えていきたいなと思います。

 今回この四曲を振り入れしてもらって、それぞれの曲を踊っているなかで、それぞれの曲が持っている感情や思いを自分のものにしていけるような感じがしました。

 でも、お父さんが練習を見てくださっていたときに言ってくださったように、踊っているときには普段の心持ちが出てしまいます。自分が浅かったり狭かったりすると、曲の伝えたい気持ちを自分の浅さや狭さでしか表現できないです。

 もっともっといいダンスが踊れるように、気持ちを磨いていきたいし、気持ちを磨くためにダンスで深い表現ができるようになっていきたいです。みんなと一緒にその気持ちを持って、練習を積み重ねていきます。