【2月号⑥】「今年の抱負、空高く舞い上がれ ―― とんど焼きで無病息災を ――」みつき

  
 松の内が明ける一月十五日。みんなでとんど焼きをしました。
 玄関前に置かれた門松、古吉野のあちこちに飾られた、しめ縄かざり。また、食堂に貼られた、みんなの書き初め。

 それらを燃やして、年神様や自分自身のお正月気分とは、しばしのお別れです。

 「これから、とんど焼きするって!」
 廊下に飾られているしめ縄飾りを回収しながら、みんなで、靴を履いて外に出ました。
  
  
 どれか落っことしてしまいそうなくらい、しめ縄飾りを抱えている子もいました。中庭に集まって、すでに煙を上げている二つのドラム缶を囲みます。

 さっそく、しめ縄飾りを投げ込んでいきました。ぼうっと火が上がり、たちまち黒くなって、香ばしいような匂いがしました。

 続いて、書き初めを燃やしていきます。顔真卿をお手本にした「春光」の字と、一人ひとりの今年の抱負の字です。書き初めを燃やした灰が空に舞い上がっていくと、文字が上達するといわれているそうです。
  
  
「今かな? そろそろ燃やそうかな?」
 と、みんなが火の様子をうかがってドキドキしながら、そっと、書き初めの文字を火の中に入れていきます。チリチリ、と燃えていき、最後は縮んで真っ黒になりました。さあ、灰は空へ昇っていくのか……?

 誰かが書き初めを燃やすたびに、「上がれ! がんばれ!」と周りのみんなが応援の声をかけ合っていて、火のそばに居るからではない、心のあたたかさを感じました。

■空に舞い上がって

 わたしが印象的だったのは、トップバッターに燃やした、りゅうさんの書き初めです。

 りゅうさんの今年の抱負「健康」は、火に入れて間もなく、紙の原型をとどめた状態で、勢いよく空に舞い上がっていきました。それにはびっくりして、でも、りゅうさんもみんなも、今年も健康でいられるだろうなと感じてきて、とてもうれしかったです。
  
  
 最後に、炭を手に取って、それぞれのおでこに付けていきました。卒業生ののんちゃんが、わたしのおでこに炭をつけてくれて、「無病息災だよ!」と笑ってくれました。

 ポンと押された小さな炭の印。みんなおんなじのおでこの印。この印が、うれしかったです。とんど焼きはあっと言う間に終わってしまって、食堂に入ると、おぜんざいが並んでいました。鏡開きした鏡餅が入った、おぜんざいです。
  
 
 心も身体もあたたまって、これから本格的に始まる一年を思うと、ぐんぐん力が湧いてきました。今年も、みんなと過ごせる時間を大切にしていきます。