今年は、なのはなからりんねちゃん、えみちゃん、卒業生のひなのちゃんが成人を迎えました。
成人式当日、朝の六時から成人の子三人の身支度が始まります。私は今年、ビデオカメラの担当で、成人式の準備の段階から当日まで、三人の二十歳の姿をビデオに撮って回りました。
「昨日は、よく寝れた? 緊張していたよね」
と、成人の子に話しかけると、三人とも苦笑いで、
「実は、ぐっすりと眠れて、朝もゆりかちゃんたちに起こしてもらった」
と笑っていました。
そんな三人のはにかんだような笑顔がとても可愛かったし、緊張もしただろうけれど、心から安心して成人を迎える三人が綺麗だなと思いました。
まだ外も薄暗い中、あゆちゃんが髪型のセット、ゆりかちゃんがお化粧をして、三人がより美しく、華やかになっていきます。
三人の眼差しからは、成人を迎えるんだという強い気持ちや、二十歳らしい上品さ、可愛らしさが溢れていて、その場にいるだけで暖かい気持ちになりました。
空がほんのりと明るくなってきた頃、ヘアメイクが完成し、着付けに入ります。
今年も、村上さんと、河上さんが来て下さり、三人を振り袖姿に変身させてくださいました。今年は、りんねちゃんが赤色の振り袖、えみちゃんが紫色の振り袖、そしてひなのちゃんが白と青の振り袖を着ました。
なのはなには、いくつもの振り袖があります。今年、えみちゃんが着た紫の振り袖は、河上さんが二十歳の時に着た振り袖だと聞きました。りんねちゃんの振り袖は、なのはなに音楽を教えに来てくださっていた、響尾さんのもの。そして、ひなのちゃんのものは、お母さんの振り袖です。
三人とも、本当に振り袖が似合っていて、ずっと見ていてくなってしまう程でした。お父さんやお母さんが選んで下さった帯や帯飾り、あゆちゃんの髪形、髪飾り、そしてお化粧もどれもとても三人にピッタリで、とても美しく、清楚で、上品でした。
りんねちゃんの振り袖には、鶴が描かれていて日本の和の文化らしい、美しさがありました。えみちゃんの振り袖は、濃い紫と薄い紫の中に、オシドリや花が散らされていて、とても華やかでした。
ひなのちゃんの振り袖は、青空のようでもあり、海のようでもあり、その中にパッとしたオレンジ色の菊や白い梅の花が散っていて、本当に三人とも、振り袖姿が綺麗で、見ている私たちもおめでたい気持ちになります。
成人式では、誰もがお祝いの気持ちでいっぱいで、とても暖かい空気に包まれていました。なのはなから成人を迎えた三人は、ホールの一番前の席へ座り、スッと背筋を正して座ります。後ろからその姿を見ているだけで、三人の仲間でいられることが誇らしく感じました。
会場ではいつもなのはなを支えて下さっている議員の方や、岡本さん、木村総区長さんなどが声をかけて下さり、「なのはなの子はどこにいるんだ?」「今日は、なのはなの子を見に来たんだ」と言って下さりました。
こんな風になのはなを好きでいてくださる方、なのはなのことをいつも優しく見守って下さる方がたくさんいるんだなと私も嬉しくなりました。成人式の最中も三人は最初から最後まで、いつも笑顔で、華やかで、二十歳らしい成人を迎えたという落ち着きや、穏やかさを持っていました。
私も、そんな風に大人になっていきたいなと思ったし、
「なのはなの代表として、成人を迎えられることが嬉しく、堂々とした気持ちで成人式を迎えたいです」
と話していた、三人を思うと、こんな仲間がいて幸せだなと思いました。
式が終わってからは、那岐山のほうへ、撮影チームのみんなと振り袖姿の写真を撮りに行きました。私はビデオを回していたのですが、どこを切り取っても、本当に綺麗で美しくて、少し光がさした奈義コースの一本道に、成人を迎えたりんねちゃん、えみちゃん、ひなのちゃんがそれぞれ、真っすぐに立っている姿が美しかったです。
その後も、古吉野なのはなの廊下で撮影をしました。木造校舎が窓の光に照らされる中、振り袖姿の三人がカメラに向かって笑顔を向けて、時に目線を流し、ポーズをとっている姿はただただ、美しかったです。
今年は昼食も家族全員が揃ってお祝いできて、お祝いメニューのエビや、ひでゆきさんからの差し入れでローストビーフもあったりと、お祝いができる側もお祝いされている側も、幸せな気持ちで満ち満ちているのを感じました。
午後からはなのはな写真館での撮影です。
古吉野なのはなの体育館に三つの撮影ブースを作り、二十歳の三人の可愛らしいところ、美しいところをたくさん写真に収めます。
なのはな写真館は、もちろん、カメラマンもなのはなの子、照明もなのはなの子、ビデオも盛り上げ役も、すべてなのはなの子が務めます。天井にはそれぞれのブースに合わせて、ピンク色と白の模造紙で作ったハニカムボールの飾り、紅白のお花紙で作った飾り、そして、輪の折り紙で作ったお花の飾りがぶら下がっています。
日中や夜の時間を使って、全員で協力して作った飾りも、三人を心からお祝いしていて、本当に暖かい気持ちで溢れていました。
私はまだ成人を迎えてはいないのですが、なのはなで成人できるのが本当に嬉しいなと思うし、こんな風に毎年、成人を迎える子のお祝いをさせて頂けて、その度に、その子が好きな気持ち、なのはなのみんなが好きな気持ちで心が満たされます。
かにちゃん、あゆちゃん、まえちゃんと三人のカメラマンに、なのはなのみんなで作るなのはな写真館では、それぞれ色々な角度から、その子の二十歳らしい美しさ、上品さ、可愛らしさが写真に表れていて、余すところなく、三人の魅力を写真に収めていきます。
三人は朝から夜まで、ずっと写真を撮られていたり、振り袖を着ていたりと疲れただろうなと思うのですが、疲れた顔を全く見せずに、いつも、「ありがとうございます」と感謝の気持ちでいて、その姿が優しいなと思いました。
なのはなの仲間として、家族として、ひなのちゃん、りんねちゃん、えみちゃんの成人を家族みんなでお祝いできて、私も幸せな気持ちをたくさんもらいました。
お正月の三が日が明けてから成人式の日まで、フォトムービー撮影班のチームでひなのちゃん、りんねちゃん、えみちゃんの写真やビデオをたくさん撮らせて頂きました。
りんねちゃん、えみちゃん、ひなのちゃんがそれぞれカラフルなムームーの衣装を着たら、外は雪が降っているにもかかわらず、南国の世界へ連れて行ってもらえます。
「可愛い。可愛いね~!」
撮影班のみんなと「可愛い」という言葉が止まらないくらい、本当に可愛らしくて、心が癒されました。髪型のセットやお化粧も撮影チームのみんなでさせて頂いたり、衣装考案や背景なども成人の子三人と一緒に考えて、一番良い形を目指して作っていく時間が楽しかったです。
ただ、お化粧をしたり髪形のセットをするとしても、いつも一緒に過ごしていて、その子の素敵な所、魅力的な所、美しい気持ちを知っている仲間だからこそ、その子に一番似合うものが作れるのを感じました。
専属のフォトムービー撮影チームとは別に、なのはな内で四つのチームに分かれ、それぞれのチームで成人の子へのお祝いムービーも作りました。噂に聞いたところでは、逆再生機能を使っての面白いムービーや、那岐山を背景に走って思いを伝えたいなど、なのはなのみんなから成人の子へ、大好きな気持ちが詰まったムービーになっています。
成人式という大切な日を、私たちも一緒に迎えられて、私たちにとっても節目の日となるのを感じました。
なのはなで成人を迎える三人。もう成人を迎えた子も、まだ成人を迎えていない子も、みんなが成人の子と同じ気持ちで成人式に向かい、同じ気持ちで未来へと向かっていきます。
私にとっても誰かを好きな気持ち、誰かを大切に思う気持ち、そしてお祝いできる喜びをたくさん感じた成人式となりました。