【2月号②】「仲間の一人として成長していく ―― たくさんの幸せに包まれた成人式 ――」えみ

  
 年が明けて、一月九日。私は、今年、りんねちゃんと卒業生のひなのちゃんと一緒に、なのはなで成人式を迎えさせてもらいました。

 たくさんの家族のみんなにお祝いしてもらって、みんなの中で成人を迎えられたこと、それから撮影なども含めたそれまでの期間が、本当に濃くて幸せなものでした。

 成人式当日は九日の日曜日でしたが、その一週間ほど前から、フォトムービーの撮影を撮影班のみんなの中でさせてもらいました。その過程のことを、まずは書きたいと思います。

 フォトムービーの撮影班が始動した初日は、みんなと過去の成人式のムービーも見つつ、どんな衣装を着たいか、そしてどんなポーズで写真を撮りたいかなど、アイデア出しをしました。過去のムービーを見ると、成人の子の振袖姿や衣装を着た姿が本当に美しくて、見るだけで嬉しい気持ちになりました。
  

  
 でも、私は、それまで写真を撮られることすら苦手意識があって、その時は、自分がそんな風にみんなの中で撮影をすること自体想像ができませんでした。

■安心した気持ちが広がる

 みんなの中でお祝いしてもらうのが、嬉しいけれど、恥ずかしい。何だか申し訳ないというような、不安な気持ちになってしまっていたなと思います。

 でも、その翌日からの三日間の撮影期間を通して、その気持ちもみんなの中でだんだんと変わっていくのを感じました。

 衣装考案では、パソコン室にあるたくさんの衣装の中から、自分が着たいもの、自分に似合うものを探すのは難しかったです。結局、みんなが次々と「これはどう?」「これ、似合う!」などと言いながら衣装を選んでくれて、三人の撮影衣装が決まりました。
  
  
 天気が良くて比較的暖かかった日には外で、それ以外の日は室内で、去年写真館から頂いてきた背景なども使って、撮影を進めていきました。

 初めは物凄く緊張していたけれど、カメラマンのかにちゃん中心に、ななほちゃんやりなちゃん、つきちゃん、さやちゃん、まなかちゃんたちが作ってくれる暖かい雰囲気が本当に優しくて、そっと包み込んでくれるようでした。

 衣装を着てその場にいるだけで、みんなが口々にかわいいと褒めてくれて、自分のことのように喜んでくれて、たくさんお祝いしてくれて、大切にしてくれる仲間の存在を感じると、安心した気持ちが自分の中に広がっていくのを感じました。
  

成人式までの期間も、様々な衣装や背景で、新成人の子たちの写真を撮りました

  
 どうやったら綺麗な写真が撮れるか、ヘアメイクやポージング、背景など色んな工夫をみんなが心や身体を最大限自分たちのために使って考えてくれて、その気持ちが本当にありがたくて嬉しかったです。自分も、その中にいると、こんな仲間のために自分を使える存在でいつもありたいと感じました。
 
 成人式の前日には、卒業生のひなのちゃんもなのはなに帰ってきてくれて、撮影にも合流してくれました。真っ白なドレスを着て、花の壁を背景に立っているひなのちゃんの姿がとても美しくて、思わず涙が出てしまいそうなくらい幸せな気持ちになったなと思います。

 撮影の期間を通して、緊張や恥ずかしさで固まってしまった心をみんなにほぐしてもらって、少しずつ、自分がこれから成人という節目を迎えるんだという自覚が湧いてきました。自信がなくて、いつもくよくよしている自分を捨てて、ちゃんとシャキッとしないといけないと思いました。

■一生に一度の振り袖を
  
 
 そして、いよいよ当日。前日の夜は、当然緊張していてなかなか寝付けなかったけれど、気づいたらぐっすり寝ていて、何と起きたのはヘアメイクの始まる時間三分前。

 他の二人もよく寝られていたようで、会場のリビングに行くと、待ってくれていたあゆちゃんやゆりかちゃんに、
「誰も起きてこなかったからびっくりしたよ」
 と笑われました。

 そんなこともあったけれど、朝早くから、あゆちゃんやゆりかちゃんにヘアメイクをしてもらい、毎年着付けのためになのはなに来てくださる村上さんや、河上さんに振袖を着つけていただけて、無事に成人式に出席できて、ありがたくて嬉しかったです。
  
  
 振袖は、お父さんお母さんが三人それぞれに合う色を選んでくださって、りんねちゃんは赤、ひなのちゃんは青、私は薄い紫が基調の振袖を着させてもらいました。 

 りんねちゃんやひなのちゃんの振袖姿を見ると、本当に上品で落ち着いた、日本らしい美しさがありました。
  
  
 なのはなに来ていなかったら、きっとこんな風に振袖を着ることはできなかったのではないかと思ったし、みんなの中で一生に一度の成人をお祝いしてもらえることが本当にありがたいことだなと感じました。

■なのはなの輪を感じて

 勝央町主催の成人式に参列しました。コロナの影響で、開催できるかぎりぎりまで分からなかったそうなのですが、無事に今年は開かれて、節目の日として、みんなと出席することができて、嬉しかったです。

 なのはなのことをいつも応援してくださる元町議会議長の岡本さんや、古吉野総区長の木村さん、県議会議員の田野さんなど、たくさんの方々が声をかけてくださって、そんな、なのはなと繋がっている人の輪を感じるたびに嬉しい気持ちになりました。
  
  
 成人式が終わり、例年ならそのまま成人の子たちは、津山の写真館に行っていたそうなのですが、今年はお父さんお母さん、あゆちゃんりゅうさんの車でみんなと一緒に古吉野に帰ってきて、午後いっぱい、みんなの中で時間を過ごさせてもらいました。

 家族そろって玄関の前で。それから、雪がうっすらと積もった那岐山をバックに。帰ってきてからもたくさんみんなに写真を撮ってもらい、お昼には心のこもったご馳走をみんなと頂くことができました。
  
  
 成人式の日に、こんなに長い時間、みんなと新成人とで過ごすのは、今までになかったことなんだと知ると余計、こんなに素敵な成人式の日を過ごさせてもらって、幸せだなと思いました。

 豪華な食事を頂いた後は、なのはな写真館での撮影がありました。

■お互い様の関係

 みんなが、この日のために、一つひとつ手作りの飾りを作ってくれたり、体育館の中を写真館にセッティングをしてくれていました。一歩中に入ると、そこが別世界のようになっていて、とてもわくわくしました。

 写真館の中は三つのブースに分かれていて、あゆちゃんブース、まえちゃんブース、かにちゃんブースを三人で順繰り回って写真を撮ってもらいました。
  
  
 あゆちゃんブースでは、吊るしびなや羽子板、花などの小物を使ったちょっと遊び心のある写真、まえちゃんブースでは常陸手毬の飾りとの写真、かにちゃんブースでは、基本形の写真を主に撮ってもらいました。

 それぞれ照明を照らしてくれたり、盛り上げてくれたりするチームのみんなの雰囲気も少しずつ違って、でもどこも明るくて優しい雰囲気作りをしてくれていて嬉しかったです。

 自分はお祝いしてもらったり、写真を撮ってもらってばかりだったけれど、その時間をみんながそれぞれ喜んで楽しんでくれていて、自分も変に申し訳ないとか、苦しい気持ちになることがありませんでした。

 いつもお互い様の関係で、撮られる人も、撮る人も楽しめるなのはな写真館が本当に素敵だなと思いました。

 午後の時間も終盤となり、最後の時間には、成人の抱負をかにちゃんがムービーで撮ってくれました。
  
  
 ビデオで一生残ると思うとその時は物凄く緊張して、頭が真っ白になってしまい、言葉が全部飛んで行ってしまいました。でも、その場にいたかにちゃんやせいこちゃん、さやちゃんがずっと暖かく見守ってくれていて嬉しかったです。

 私は、なのはなに来るまで、自分が成人を迎える日が来るのが、信じられませんでした。いつか来てしまうことは分かっていたけれど、怖くて信じたくなかったです。でも今回みんなの中で成人式を過ごさせてもらって、大人になる怖さがだんだんと薄らいでいったなと思います。

 未来に保証はありません。でも、今をこうして、幸せを感じながら過ごせるかけがえのない仲間に出会えて、自分はもう本当に安心していいんだなという気持ちになりました。

 どれだけ不出来でも、自分を受け入れてくれている家族がいる。みんなの中で、ちゃんと自分の果たすべき役割を果たして、新しい世界をこれから作っていく仲間の一人として、成長していく。そんな覚悟を、改めて持つことができました。

 なのはなで成人式を迎えられたことは、一生の宝物です。この経験をしっかりと自分の中に落とし込んで、これからの生活の中でも、前向きに頑張っていきたいなと思います。